TOI,TOI,TOI!


2001年10月26日(金) 素直に感動した

今日はヴィースバーデンまで、カルテットのコンサートを聞きに行った。このカルテットは、私と同世代だけど、すでに7年ぐらい組んでやってきたんだそうだ。ところが、このコンサートを最後に解散するという。

メンバーのうちの2人が、Kと仲がいいので、私も仲良くさせてもらっている。ちなみにこの2人はカップルでもある。これがまた素敵なカップルなの。さわやかで。

ヴィースバーデンは、上流階級の方々が多く住むところだという。ドイツで一番、住むのにお金がかかる町だとか。ボーダーのシャツにスニーカーという格好で来たことを、激しく後悔。見渡す限り、レディス&ジェントルマンでした。

1曲目はハイドン。鳥肌が立った。美しい。4人とも音が美しい。2曲目のルトスラフスキは、とても面白い曲だった。最後まで集中して聴くことができた。曲も良かったが、こんなにちゃんと聴かせられる彼らはすごいなと思った。休憩後、メンデルスゾーン。カルテットというのは小さな社会だとある先生が言っていたのを思い出した。4人それぞれが機能することによって、初めてカルテットになる。一つのカルテットとしての音ができる。カルテットを生で聴いていると、そのことに素直に感動してしまうことがある。今日のは、正にそんなカルテットだった。ミスもなく安定していてプロだなあと思うと同時に、同世代の子達が全身全霊で、音楽を奏でている姿というのは、なぜか素直に胸がじーんとしてしまう。


2001年10月24日(水) シュテフィ。

今日も、フォアシュピールで弾きました。前より緊張しなかった分だけ、少しましでした。トーマスがケーキを焼いて持って来てくれたので、終わったあとみんなで頂きました。

シュテフィという子がいるんだけど、この子は語学が趣味なんだそうで、今は日本語を勉強中。すっごく熱心なのだ。私もドイツ語がんばんなきゃ。彼女は最近、オケの研修生の試験に見事パスしたのだが、このオケ(シュツットガルト放送響)が日本ツアーで来月日本に行くという。ちなみに東京ではサントリー。

「二ホン、は、イマ、アツイデスカ?」とか、11月のこと何て言うの?と聞かれたので「11がつ」と教えたら、「ジュウ〜イチ、ガツ」「ジュウ〜イチ、ガツ」と何度も練習してて可愛かった。

6月ごろだったか、フォアトラークスアーベント後の食事会のときのこと。シュテフィに
「オイシイデシタカ?」と聞かれたので
「おいしいでした〜!」と答えたら、横から
「こら〜。間違った日本語教えない〜。」とK。
「K、は、ワタシ、の、センセイです」とシュテフィ。

今日もみんな上手だった。シュテフィは急に上手くなったみたい。洗練されて大人っぽくなった。新しい環境で充実した毎日を送っているんだろう。オケの中でもすごく頑張ってやってるんだろうと思った。


2001年10月21日(日) 初オシゴト

ゲネプロ。このカタカナ語は、ドイツ語の「General Probe」の略だったのね。プロ―ベか。プログラムの略かと思ってた。プロ―ベは英語でリハーサル。「今日カルテットの合わせ」とか言う時の『合わせ』もプロ―ベ。

ゲネプロ中、チェロの人のエンドピンが「ズルッ」となったことに、語りの俳優がぶち切れた。2回なったとき、「ちゃんと静かに聞いてないと、俺は帰っちゃうからな!!!今度ゴソゴソしたらほんとに帰るぞ、も〜!!!」みたいなことを言ってたらしい。あとでイナに聞いたら、ニューヨーク、アフガン、とか叫んで鼻血出したとか言ってた。確かになんかそんなこと言って、鼻をぶひーっとかんでた。酔っ払ってるか、クスリでもやってるんじゃないのかっていう、変なテンションの変な人だった。

お客さんは超満員。本番はなかなか怖かったし、案の定いろいろ事故もあったが、ドイツでの初仕事。初舞台。オケの本番はやっぱり嫌いじゃないみたい私。管がめちゃんこうまかったよ。正体は、フランクフルトオペラの団員さんたちです。多分。

ジュゼッペとカタリ―ナが「パスタ作るから来ない?」と私たち日本人3人を誘ってくれた。駅のホームにいたイナも誘って、カタリ―ナの寮へ。彼女は寮に住んでいる。ジュゼッペもこれから寮に住むんだそうだ。

イナは、また「バッハ、よかったわ」と言ってくれた。イナといろいろしゃべった。う〜ドイツ語のいい練習になる〜。なぜか笑いがとれたりとかして、なんか楽しかった。イナとジュゼッペとはこれからもいっぱいしゃべってドイツ語の練習させてもらおう。


2001年10月20日(土) みんなお互いに見守っている

今日、練習。明日本番。オシゴト。

曲目は、プロコの古典交響曲、同じくプロコの「ペーターと狼」、サンサーンス「動物の謝肉祭」。

ペーターと謝肉祭は朗読付き。ザ・芸能人って感じの人。俳優かな。ペーターと狼は音楽より話がずいぶん進んでしまうことが何度もあり、指揮者もよく分かってないし、むちゃくちゃ。俳優は興奮しすぎ。

シェリフの試験で一緒に弾いた、トーマス、ジュゼッペ、チェロのトニオが今日も一緒だった。ジュゼッペ、トーマス、イナ、リリア、ヨハネス、ノモサン、ユキちゃん・・・これ全部同じクラスの子。ジュゼッペとイナがそれぞれ「バッハよかったよ」と言ってくれた。実際よくなかったので、複雑だけど、みんなの優しさがうれしい。

Kがこの前寝る前言ってくれたことを思い出した。

「一つだけ確かなのは、みんなは、見守ってくれてるということだよ。このクラスのみ〜んなで見守ってるから。」

ジュゼッペが、引越しするんだけど、誰か部屋を探してる人いる?と言う。なんというタイミング。
ジュゼッペは、彼女カタリ―ナと一緒に、その部屋まで連れてってくれた。
窓がとても小さく、とても天井が低く、とても狭い。それ以外はすべて良かったけど。それを我慢して住めるだろうか。家賃は安いし、ほかの事はだいたいOKなのだが。あした返事するということにしたが、多分やめるだろう。

カタリ―ナは、人懐っこくてとてもいい子。ジュゼッペとカタリ―ナとは仲良くなれそうな気がする。


2001年10月19日(金) 壊。

二日酔い。一日中気持ち悪かった。来週水曜、またVORSPIELがあるんだけど、また弾くことにした。

同居の家族とけんかした。けんかというか・・・なんかおばさんがけんか腰で超こわかった。ドイツ語で一気にまくし立てられ、だいたい聞き取れてるのに何も言う気がしなかったのでだまっていたら、怒り出した。内容は大したことではない。生活面での細かいことを二つ注意された。新しい部屋探そうと思った。部屋に戻ると日本語でひとりごとを思いっきりべらべらとしゃべってしまった。怖。なんか、二日酔いだし、忙しくて疲れてるし、壊れてるな私。


2001年10月18日(木) ゼクレタリアートぉ!仕事しろぉ!

アンサンブルモデルンのツアーに出発するKを、中央駅まで見送ったあと、一度家に帰り、学校へ。今日はシェリフの卒業試験で、モーツァルトのクラリネットコンツェルトの伴奏です。

弦の編成は、3・3・1・1・1(笑)管は本番だけ来た人がほとんど。本番だけでも時間が空いてる人を探すのに苦労したらしい。

先生達の間には試験は18日という正確な情報が伝わっていたが、シェリフだけがゼクレタリアート(事務)のミスで16日と告げられていた。当然「16日空いてる人」でオケのメンバーをシェリフが集めた。こういうことだったらしい。

とにかく・・・この学校のゼクレタリアートは、いいかげんすぎる!

試験には管楽器専攻の友達が聞きに来たが、オケバックでやって、すごくよかったと言っていた。なんとか無理してでもやってよかったと。

うれしかったのは、演奏が終わり、引っ込んだ直後、ブッフベルガ―先生が私たちオケのところにすっ飛んできてくれたこと。

「よかった!事情はわかっている。みんなよくやってくれた!ダンケ!よく弾いた!」

この人、ほんとにいい人ね。実際そう言われてうれしい気持ちになったもの。

シェリフのおごりで、打ち上げ。かなり飲んだ。明日レッスンだけど何時だっけ?1時ごろ帰って手帳をチェックしたら、レッスンは朝9時。がびーん。


2001年10月17日(水) 大緊張の末大崩壊

クラスのフォアシュピールの会、初登場で見事崩壊の巻。
ぐちゃぐちゃになっちゃったの巻。

大ミスをしたとか、つっかかったとか、そういうことではない。むしろそれなら、こんなに凹まん。そうではなくて、最初っから最後まで、弓をコントロールできないまま終わってしまった。全体を通して、よくなかった。全体を通してへたくそだった。
これが私の今の実力だ。これが現実だ。

凹みまくって、楽器を片付けてた時、Kが通りすがりに頭を「ポン」とやってくれた。

なんか・・・ありがたかった。

今日来れなかったトーマスが自分で焼いて持って来たというケーキを、先生がみんなに分けてくれて、みんなで食べた。
そのあと、そのまま同じ部屋で、プロコフィエフ(交響曲)の練習というかレッスン。今度のこの仕事、先生ものってることが判明。先生コンマス。
このクラスから参加するファーストバイオリンは、先生入れて4人。ノモさんも一緒。

練習終わったあと、ノモサンに誘われ、まだ学校にいたKを誘って、3人で飲みに行った。カンガルーとかいう飲み屋。
Kと私はビール500を2杯ずつ。ノモサンは1杯。

軽く酔っ払い、そのままKんちにお泊り。Kはフォアシュピールのことについていろいろ言ってくれた。自分も同じような経験をして最初の1年は苦しんだ、とか。みんな最初そうなんだってさ。このクラスのコは、とにかく彼のスタイル(右手)を徹底的に教え込まれるんだけど、すぐにはできない。出来るようになったと思っていたら、緊張すると、なんでかぐちゃぐちゃになる。

K曰く・・・
「今日は、満足のいく演奏じゃなかっただろうけど、凹む気持ちもよく分かるけど、でも、これでいいんだよ、向かう方向は定まってるんだから。」
「これで伸子もこのクラスに両足突っ込んでしまったということだよ、おめでと〜」と言ってKは笑ってた。みんなほんっと〜に同じ道を歩んでて、可笑しい!って。わらえね〜。でもそういう後輩達をいっぱい見てきたということだよね、K先輩は。

まあ私は今のKしか知らないんだけど、今のKはほんとにいいと思うから、ああいう風に弾きたいと思うから、でもああなるためには避けて通れない道を通ってるんだと思って、とりあえず頑張るっきゃないっす。身近に目標があるってのはありがたいことっす。

*トーマス,ノモさん:同じ門下の人


2001年10月16日(火) あれよあれよ

朝8時はむりだったので、今日は家でさらうことにした。家でさらってたら、3時ごろKから電話が。

「クラリネットの試験で、キミも弾くという方向に話がすすんだよ。今日の夜練習、あさって木曜、夜本番。イケルよね?」
「・・・・・・・。」
「バイオリンは3人ずつ。セカンド難しくないからダイジョブだよ」
「・・・・ハイ。ヤリマス。」

と言うわけで、急〜に!忙しくなった!
今日モーツァルト合わせ。明日フォアシュピール(バッハ)そのあと仕事の合わせ(プロコ)。あさって、モーツァルト本番。


2001年10月15日(月) 今日からほんとのほんとに

今日から学校が本当に始まったらしく、って10月頭からゼメスターはじまっとるやん!と思ったら、友達いわく、授業等がほんとに始まるのは今週から。だそーだ。
いったいどんだけ夏休みしたら気がすむんだろこっちの人。
とにかく、また一段と人が増えた。そして、今日、昼間は完全に練習室がいっぱい。友達と学校中の部屋を見たのに空いてなくて、あきらめて疲れてメンザで座ってたら、なぜかぞくぞくと友人たちが集まり、Kも来た。
日本人数人でだべってると、Kがいるからフォーヒャルト門下のドイツ人たちもどんどん同じテーブルに来た。Kは私に、

「この子もフォーヒャルト門下だよ。ホラ自己紹介。ホラしゃべんなさい」

と、私にドイツ語の練習をさせようとする。最近はずっとそんな感じ。この前レストランでも、

「ノブコ注文して。『3人で、これとこれ。あと皿を一枚下さい』って言うの。ハイ!」

・・・話を元に戻します。Kのところに、エジプト人でKE(=コンツェルトエグザーメン)クラリネット吹きシェリフ君がやってきた。彼は修了試験を今日の夜、受けるのだそうで、モーツァルトのコンツェルトをフォーヒャルト門下が伴奏するという。Kもそういやさらってたな、その曲。ところがなんだか、話がおかしなことになってるらしく、Kとシェリフは深刻そうに話し始めた。
そこにいた門下の子たちもその話を聞いて、「信じられない!」「むり!」「おかしい!この学校の事務は!」と大騒ぎ。Kが「話の内容分かった?」と聞いてくれたので「わかんない」と言ったら、説明してくれた。

彼の試験は今日ではなく「木曜日に変更」という紙が学校から来たと言う。木曜日はKを含めて二人がアンサンブルモデルンのツアーですでにいない。ほかにも木曜、都合が悪い人はいるだろう。とんでもないことになってるなあ。シェリフかわいそう。さらったK達も気の毒。

そのあと、もう一度学校中の部屋を見たが、あいかわらず一つも空いてない。夜は空いてる、とKから聞いていたので、一度家に帰り、夜もう一回学校に戻ってきてさらった。あさってクラスのVorspielなので。これから毎日こんなんだよ〜とK。部屋を取るには朝8時に来ないと・・・だって。うう。


2001年10月12日(金) 目が腫れると人はこんなにぶさいく

最近天気がいい。夕焼けがきれい。
相変わらずまぶたは腫れる。朝だけだけど。


2001年10月10日(水) バッハ苦手です。

今日はレッスンでした。来週のVorspielで弾くことになったぞ。バッハを。日本では「弾き合い」等と呼ばれたりするアレである。このクラス(門下)はこれがしょっちゅうあるので、まあそんなに気張って登場しなくてもいいのだけれどもがしかし・・・。

バッハでクラスデビューかぁ。




2001年10月09日(火) お岩さんです

2、3日前から、まぶたが腫れている。朝起きたときはお岩さん。腫れはだんだんひいていって、夜には普通の顔に戻るんだけど、寝て起きると、また「お岩っ!」ってなっちゃう。なんだろねこれ。そして、顔のあちこちがカサついていて、カユい。私って「ほっぺつるつるダネ」とよく言われるんだけど。だめみたいよ〜もう。


2001年10月06日(土) 始業した?

今月1日から学校が始まった。といってもほとんど何も変わらない。とらなくてはいけない授業は、オケだけ。

レッスンはどんどん入っている。先月28日(金)の次は3日(水)、今度は10日(水)。あいかわらずバッハだけ。

うれしいことに先生から仕事をもらった。今月21日、曲はプロコ「古典交響曲」と「ペーターと狼」。楽しみ。


  
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