水野の図書室
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皆さま体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。
2016年10月27日(木) |
石田衣良『ふたりの名前』 |
「短編工場」(集英社文庫)7番目の作品は、石田衣良『ふたりの名前』。 同棲中のカップルが、それぞれの所有物にイニシャルをいれている。 それは、いつか同棲を解消するときがきても、醜い奪い合いをしなくてもいいようにという取り決めからだった。 家具や電化製品や食品にまでイニシャルをいれる暮らしは、ふたりにはごく自然なものになっていたのだ。
ところが、そんなふたりの暮らしは、子猫がきたことで、何かが変わる。 さらに、子猫に関して、決断を迫られることに……。
ふたりとも、優しい人で良かった。 素直にそう思います。
いいお話し。
2016年10月25日(火) |
宮部みゆき『チヨ子』 |
スーパーのアルバイトで、着ぐるみを着た大学生のわたし。 ピンク色のウサギの着ぐるみをかぶり、のぞき穴から外を見ると──。
大人のファンタジーですね。 読みながら、子供の頃の記憶を探りました。
大切にしていたものは何だっただろう。 大好きだったものは何だっただろう。
子供の頃の思い出は、一生の宝。
子供のおもちゃを、入学を機に処分しようかとお考えの人がいたら、 ちょっと待って!と言いたい。
2016年10月05日(水) |
伊坂幸太郎『太陽のシール』 |
「短編工場」(集英社文庫)5番目の作品は、伊坂幸太郎『太陽のシール』。 この本を読み始めたのは、とても暑い日だったと記憶していますが、いつの間にか涼しくなって、街は初秋の匂いがします。
さて、『太陽のシール』。変わったタイトルですね。 出産というデリケートな問題を扱っています。
ごく近い未来、地球に小惑星が落ちてくることがわかり、世界の終わりが現実味を帯びてきたときに、ある夫婦に子供ができる── それは願っていたことだったけれど、生まれても、その子は数年しか生きられない。 どうするか、、ということなのですが、この夫婦の思いには共感する人が多いのではないでしょうか。
生と死は 隣り合わせ。 先のことは誰にもわかりません。 ただ、太陽は、今日沈んでも、明日また昇る。
がんばっていきましょ。
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