ひとりカーニバル
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2001年11月28日(水) もみじ誘拐

花だんに生えているもみじの木が紅葉している。しかし、なぜ花だん。


思い出されるのは小学校のころ、墓参りに行ったときのことだ。墓の側に立っている大きなもみじの木の下に、小さなもみじの苗が生えていた。もみじの木の赤ちゃんだった。朝顔の芽が双葉になったころぐらいの大きさだったと思う。

木の下に生えていたとはいえ、苗の時点でもみじであると判断できた。何か特徴があったのだろう。やたら沢山生えていたが、大半は踏まれたり風雨にさらされたりで、生き残り、立派な木にまで成長しするのは難しいだろう。

かわいい。これを持って帰りたい。2,3むしりとり、わたしはもみじの木の赤ちゃんをいそいそと持って帰った。

とりあえず鉢に植えた。「これは観察日記をつけねばなるまい」。学校での朝顔の観察の経験をつんでいた小学生のわたしは自然とそう思い、ノートを用意して絵と、観察記録をつけだした。

よく三日坊主というが、三日も続けていたのかすら怪しい。

あまりにも変化がないので、やたら盛り上がっていた観察日記の絵への情熱のやり場に困った。必要以上にでかでかと鉢丸ごと絵描き出しており、しまいには小石とか、鉢に飛んできたバッタを書いていたのを覚えている。


その後どうなったのか覚えていない。今花だんに生えているあのもみじの木を、あのときの赤ちゃんもみじではないかと都合よく思ってみる。


2001年11月13日(火) 人面リンゴ創生

夕食に、うさぎさんリンゴを出してみた。

子どものお弁当に登場する、うさぎさんリンゴ。そのキュートな出で立ちと色彩は、普段の食卓に出すことによって何の変哲もないリンゴを食卓の華へと昇華させる。

うさぎさんリンゴは、意外に難しい。一切れ分が大きかったり、皮を薄くむこうとすると失敗することが多い。慣れないうちは、耳を浮かせるための皮むきを自分が無理なく出来る程度のリンゴの大きさにしてするとよいだろう。

次々と作り出されていく、うさぎさんリンゴ。基本もそこそこにすぐ応用に走ろうとするわたしの創作意欲は、やはり正統派だけでは物足りなかった。ユニコーンだ、ユニコーンを作ろう――。

何の事は無い、ウサギの耳がひとつになっただけなのだが、わたしの中ではすでにユニコーンとウサギは一緒に戯れていた。

気高いユニコーンは一匹がふさわしいと、言いわけもそこそこに次に考え出されるは”顔シリーズ”。包丁で切り込みを入れ、目と口の部分だけ残してあとは皮をむいく。ハロウィンのかぼちゃの細工がヒント。むろんあの乱杭歯を再現するには至らなかったが、そもそもリンゴで恐がらす必要もない。

一体目は目と口だけ。二体目は変化をもたして髪をつけてみた。一体目はそうするとハゲに見えるのだからたまらない。しかもその髪の部分を、何の気なしにうさぎさんの耳のように皮を浮かしてみたところ、途中変色するといけないと思い浸した食塩水がもとで、皮が反り返り、ムースをつけたように髪に動きがついてしまった。なんて今時。反り返りすぎて皮の赤い色が見えず、一体目と同じくハゲに見える。

他、ウィンクさせてみたり、ひげをつけてみたりとやりたい放題。

(うさうさ)
そんな声が聞こえてきそうな、かわいいうさぎさんリンゴのとなりで
「サクセス使った?」 「もうアデランスしか」 「う〜ん、マンダム」
人面リンゴの会話が生々しく響く。

食べるのがもったいないというか、もはや食べたくない。


「楽しいか・・・?」
苦労してつくったわりに家族の反応が冷たいのが、さらに追い討ちをかける。


2001年11月07日(水) 勇者の最期

ドラクエ靴任蓮一般ピープルであった主人公が、ある日突然勇者として旅に出る。その父、『オルテガ』。

彼もまた勇者だった。アリアハンにその人ありとうたわれた、伝説的人物。国王からは絶大な信頼を受け、兵士からは尊敬され、人々からは憧れの目で見られていた。「打倒バラモス」を心に誓い、彼は国をあとにする。

そして、悲報はもたらされた。

魔物との戦いの最中、オルテガは火山の火口に落ちて無念の死をとげたというのだ。残してきた妻と幼い息子。最期に彼は叫んだに違いない。

「オルテガは、ここにオルっテガー!」

彼こそ、真の勇者かもしれない。


2001年11月01日(木) 風呂たき名人

ダンボールを処分するため、木で風呂をたくことにした。

最初風呂がまに木を2、3本しこみ、油でゴォォと火をつける。あとはそれを元種に、ダンボールをくべていくだけだ。レッツ、焼却。紙に近いものであるから、燃えるのが早い。火を絶やさないように、つきっきりで風呂たきだ。ぼうぼう。ぼうぼう。・・・あったかい。

寒い夜には悪くない、風呂たき当番。むしろ、とりあってもいいだろう。しかし、それ以外の季節はやりたくない、風呂たき当番。みんなが押し付けあうこと必至。

寒い夜、火は人を魅入らせる。身も心もあたためる。身も心もあったかくなると、心にだって余裕が出てくる。

――そうだ、焼き芋だ。焼き芋をつくろう。

心に出来たわずかな余裕は、焼き芋をするという行為を生み出した。サツマイモはいずこ。サツマイモはごろごろとあった。小さいサツマイモを選び、銀紙でくるんで、釜にイン。少し奥の方に入れておいた。あとは焼けるのを待つだけさ、シシシ。ダンボールをくべくべ、風呂釜の前でまどろんでいた。

――炭や。

くべることに気をとられ、芋を入れたことをすっかり忘れること数十分。気付いた時には既に木炭に酷似していた、芋。叩けば音がする。直径2センチほどの芋を半分に割ると、ぐるりと周りが芋炭(いもたん)。それにかこまれて、中心は、黄金色に輝いていた。

地球の内部を彷彿とさせるその物体は、めでたく炭と認識されましたとさ。おわり。


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