『雨よやむな いつものことよ』 きれいなことば。音と声もよく合っていて…ついついうとうとさそわれます。
こんばんわ、昨晩立てた予定これっぽっちも出来てない萌黄です。 ダメ人間炸裂。原初の海からやりなおしてこい。 いえ…これには少々理由がありまして。 先日の東京遠征で、CDを二枚買ったのです。 早く聴きたいなあとは思いつつもなかなか聴けなくて。 萌黄は音楽聴くとき、一番最初はひたすら聴くことに専念するんです。 ベッドに横になって、楽な体勢になって、目を閉じて。 いっぺん聴いたら後はもう作業中に流しまくるのですが。 初めて聴くときはもうそれだけと。 ゆえに時間がないと根を詰めて聴けないのです。 それで今日。やっと時間取れたので聴いていたら。
素直な歌詞。ギターとパーカッションだけのシンプルな構成。 透明感のある声。きれいに重なるコーラス。
―…まあつまり曲が気持ちよすぎて眠ってしまいました。AHOー。 うーんでも本当に素敵な曲でした。また仲間内で回さないと。 どんどん対バンさんのCDが集まってゆきます。
そして今日は侘助嬢に衝撃の告白をされました。 あんちくしょうは鋼の試写会に行っていたそうなのです。 放送前に!応募したら当たっちゃった!!だそうでちくしょう。 羨ましいったらありませんうわーん。
萌黄『あんたどういうこと!ねえどういうこと!?』 侘嬢『いや、妹が申し込んだら当たってもて…』 萌黄『うををを。アルは!?アルはどないやの!?(そこしか聞く気無し)』 侘嬢『ごめん……むちゃくちゃ可愛かった』 萌黄『がー。あんた人が何年アルは可愛いアルはヒロイン言い続けたとー』 侘嬢『うん認める。むっちゃ可愛かった。あらヒロインやわ…』
他にも。画面は綺麗だしOPも良い感じらしくて。 とにかくアルが可愛いので全て許しますわーい。 しかし今の今まで彼女が試写会行っていたなんて知らなくて。 自分はライヴ行ってたくせに彼女がやたら羨ましくて。 延々やいやい言っていたそんな萌黄の家電占い結果はスピーカー…。 しかし。
萌黄『いーなー…アル見れていーぃなー…』 侘嬢『どうせ今週から放送開始やないの』 萌黄『でもいーなー、アルいいなあー…』 侘嬢『ほら。今度試写会で貰ったポスターあげるから』 萌黄『ややわあそんなん気にするわけないやんv今週から開始やもんな♪』
ワガママならワガママと呼んでやってください。 否定しません(笑)アルのためなら!!
2003年09月29日(月) |
こだまにモヒカンがついていると知った驚愕の日 |
昨晩、東京に居ました。今朝、神奈川に居ました。 で。今京都に居ます。―…えらい活動的やね、自分。
こんばんわ、それでもきちんと授業は出ました、萌黄です。 流石に二講は諦めましたが(出たかった…) ああごめんよプラトン、授業自体は凄く好きなのに。時間が。 間に合わせようとしたら朝五時起きなんです。そんな酷な。 朝に新幹線乗って昼前京都へ、おひる食べたら学校です。 我ながら頑張ったと思います。今はいくらでも無理がしたいです。 無理をしてでも頑張らなければなりません。 あたまのわるいこの身には、それくらいしか出来ることがありません。 だってあの方はあんなに一生懸命でしたから。 いもうとぎみだって文字通り身を粉にしまくりな努力っぷり(熱はいかが?) 享楽の中に身を投じていてはならぬとひしひし感じました。
さあ明日はバイト。それから学校。 お買い物も行って晩ご飯作って勉強しながら文章を書きましょう。 それが全部こなせたら、ご褒美にラズベリーのお茶を淹れてあげましょう。
もう泣かなくて良い。どうしてあの音を聴いて泣いていたのか? 一人で頑張って東京うろつきまくった約一日(駆け足しまくり) でもやっぱり一人はさみしかったです…今度は誰かと一緒が嬉しいです。 既にすっかり耳に馴染んでしまった音たち。 音符のひとつひとつを抱き締めて頬擦りしたいくらいに愛しい音。 来年になったら、家でずっとあなたの音楽を浴びて居られるだなんて! でも一番良いのはどうしてもライヴなのですけれどね。
八つ接ぎハンチング(多分)がよくお似合いだったかの方。 おつかれさまでした。いつものように素敵な音楽を、ありがとうございます。
人は電気を消したら多弁になります。確信。 それは俗に言う修学旅行の法則。大暴露大会のノリで。 一夜のお泊り、いもうとぎみのお部屋にお邪魔致しました。 色んな意味で色んな状況でしたが大変楽しかったです。 ご迷惑おかけしましたいもうとぎみ!話せて嬉しかったー。 ともあれ早く熱が下がりますように。汗かきましょう、汗。 いざとなったらヤク(注:解熱剤)に頼りましょう。 またいつか関西に来ることがありましたら、お宿は提供しますゆえ♪ どうかきみがしあわせでありますように。
いつからこんなに胸がおかしくなってしまったのか。 異常なテンポで刻まれてゆく心音は今日、一日、止まりません。
こんばんわ、明日は東京行ってきます。萌黄です。 いつもいつも思うのですが、どうして前夜はこんなに不安で倒れそう。 動いていないとあたまがおかしくなりそうになります。 とくとくとくとくとくとくとくとく ばかばかしい音色が体中に響いてゆきます。 行き先は何処? でも―…でも、がんばって、いってきます。
さあ気持ちを切り替えて。モノリスさまのスタッフコメントのこと。 モノリスソフトのひ・み・つvの時といい、 どうしてこんなに嬉しいことをいっぱいしてくださるのでしょう? 読みながら、ついついくすくす笑ってしまいました。 それくらいどの方のことばも心地よくて。
監督は束縛から解き放たれて、のびのびされてる印象を受けます。 とても自由に書いて居られるような感じが。 でもですね、監督。あたまから煙噴いて当然ですよ? あんなお話さらさら楽勝に書かれては世のものかきさん立場ありません(笑) 何年もひろげっぱなしの風呂敷、きちんとたたんでくださいね。
萩原さんのお言葉は少し固く聞こえましたかね。 でもプロデューサーという重責にあられるなら当然のお言葉です。 ちょっと緊張気味で、でもユーザーのことを考えてくださってる。 新井さん、いきなりどこから始まるかの説明までしてくださいます。 文体がややお若い方っぽいですね。あくまでイメージですけれど(笑) 世代交代として監督からバトンタッチされたのですから当たり前でしょうか。 ストーリーも遠まわしではありつつも、ちょっと明かしてくださって嬉しい♪ 矢島さんはいかにもプログラマーさんのコメントぽくて見ててはらはら。 ああ、倒れないでくださいね(笑)梨でも送りたくなります。 実は一番こころにぢくり、ときたのは矢島さんのお言葉です。
ごめんなさい。ほんの一瞬でも、疑ってしまって。 皆様はこんなにもずっとずっと一生懸命、頑張ってくださってましたのに。 見知らぬ周囲の心無い発言やらに簡単に揺さぶられてしまって。 この男性不信は一生治りそうもありませんけれど。 あなたがたは信じています。 スタッフの皆様は裏切りませんでした。 ありがとうございます。とても、とても。 久し振りにおちゃめな姿を見せて頂いて、すっかり安心致しました。 この身はあなたたちを信じています。 どうかお体にはお気をつけて、開発に勤しんでください。 お、お願いですから倒れたりされませんように……(汗) 円形脱毛症とか椎間板ヘルニアになっちゃあいけませんよ。 両手を組んで。ゾハルにおねがい。 スタッフの皆様が健康なまま開発を終えられますように!!
2003年09月26日(金) |
みんな、みぃんなグッド・イナフ! |
痺れが潮騒のように心臓へ押し寄せてきます。 道はひとり。それは恐くても。よろこびですべてが麻痺してゆく。
こんばんわ、えらく働き者な萌黄です。 新幹線の手配を済ませてちょっとしたお買い物も完了。 他にもこまごまとした事いっさいがっさいおしまい。 出来うる限り備えてみて、日曜日に挑みます。 今までだと考えられないような行動。ギリギリの行動って嫌いですのに。 殆どの場合において予定よりも全てを早くこなそうとする派。 なのにここへ至ってまさにきゅうきょ。いきなし。さどんりぃ。 恐くて泣き出してもおかしくない状況ですのに、それらを黙々と片付けます。 行き先に道が続いているのだとやっと感じられるようになりましたから。
そもそも一番最初の予定として、28日は行くつもりでした。 ただチケットが取れなくて凹みまくり蘇るのに半月以上を要して。 ムリだと諦めがついたあたりで追加チケット発売。 運良くそれを手に入れられて。 二十四時間も関東地方には滞在しない、とんぼ帰りの旅です(笑) でも構いません。あの音楽のためならば。
それにしてもいまだに新幹線のシステムよくわかりません。 なにゆえに券が二枚必要なのかがどうにもこうにも。 特急券は『飛ばしてやるぜベイベ★』代なのはなんとなく分かります。 でも乗車券がよく分かりませんー。『乗せてやるからありがたく思いな』代? すみませんねえ、萌黄の地元はローカル線しか走ってないのです。 最寄りのJRの駅まで三十分はかかる土地にずっと住んでいたのです。 なのでいきなりJRやらおけいはんやら地下鉄やら入り組んでる京都に驚愕。 東京なんて人を迷わせる事を第一目的としているとしか思えません。 なんですかあのクモの巣!?むしろ迷路。あみだくじでも可。こんぐらがり。 まあなにはともあれ…この週末、東京ひとり旅、行ってきます。
うれしかったこと。 四葉のクローバーのタクシーをみつけたこと。 ポップン10の隠し曲でグーニーズが出たこと。 モノリスさまのスタッフコメントがとてもやさしかったこと。 うれしいことが次々と。とてもとてもしあわせ。
だってグーニーズ!グーニーズですよ!!(狂喜) あああゲームよりも萌黄は映画のが親しいです。マイフェイバリット映画。 なんべん見たか回数もわかりません。だいたい台詞覚えてるような? もうプレイしながら泣きそうでした。涙目。思い出して思い出して。 はさまれる手、片目のウィリー、冷凍庫のアイスと死体、ガイコツピアノ。 びっくりな仕掛けに輝く宝石。願いの井戸や暴走自転車。 それにすべてのはじまり屋根裏部屋のひみつ地図! 担当キャラはやっぱりあなた!マイケル!! 字幕だとマイキーですけれど、吹き替えだとマイケルになるのです。 萌黄は後者の呼び方が好きだったので大喜び。 くう懐かしい。やっぱり武器はパチンコ?ゲームだとそうですね。 でも映画だと歯に矯正のつけててぜんそく持ちなのに。 忘れもしない、シンディ・ローパー、『グーニーズはグッドイナフ』。 ポプ9のウパより断然嬉しいのは、知ってるかどうかなので。 コナミワイワイワールドの1しか萌黄やってないのです。ウパは2。 でもウパ知らない代わりにモアイとかならばりばり分かりますから。 わーん嬉しいー、グーニーズラヴー。本当にありがとう、Mr.T……(涙)
モノリスさまのスタッフコメントについても書きたいのですが… 長くなりそうです。ので、それは明日に回しますね。 書けば書くほど泣きそうな気もしますし。だってあんなにやさしいことば。 でも今日はグーニーズでおなかいっぱいです(笑)ちくしょうだいすきだー。
覆してしまいました。 アーモンドの天罰だとおもっていたこと。 ―…チケット。取れてしまいました。
今日は二十五日。 ライヴ二十八日。
……死ぬ気で準備します。 もう嬉しいんだか悲しいんだかなんだか。 期待していなかった所為で、何も準備出来ていません。 新幹線も、寝床も、そしてなによりこころの準備も。 でも。でも……やっぱり、嬉しい…の、か? 不安とよろこびがごっちゃなのはいつものこと。
行かなければ。 東京初一人旅。 心臓がしびれたようになっていますけれど。 たぶんよろこび。
2003年09月24日(水) |
あまいあまいあまいあまいあまい!! |
ねむい…なぜこんなにねむいのか。晩ご飯食べたらすぐまぶたとろとろ。 やはり外が寒くて、ふとんが暖かすぎる所為なのか。責任転嫁?(笑)
こんばんわ、久し振りに晩ご飯成功、萌黄です。 今まで料理に牛乳使うのあまり好きでは無かったのですが、考え直します。 うん美味しかったです。本に載ってたレシピをアレンジしたのにしては(笑) ごった野菜のクリーム煮です♪ ミックスベジタブル入るだけで彩り違いますね。 野菜適当にぶった切って煮込んだだけだったりするのは秘密です。 おなべでぐつぐつしてるところに牛乳叩き込んで、 小麦粉とバター混ぜたの投入したら、随分てろてろしてくれました。わーい。 でも何気にやたらお腹にたまってすっかり眠くなってしまいました。ぎゃー。
そういえば今日は妙に食べ物につっかかる日でした。 朝ご飯の時はハニーミルクをトーストのお供にしていたのですけれど。 調子に乗ってヨーグルトにも桜のはちみつ垂らしたら胃にもたれてもたれて。 午前中ずっとお腹がおもかったです。 他にもお昼ご飯、学食で『法蓮草のクリームコロッケ』があるのを発見して。 それを『ええ!?法華経クリームコロッケ!?』と読み間違えてみたり。 デザートコーナーにいちごプリンがあって、ちらと眺めてみたら。 ピンクの表面に生クリームで色々模様が書いてあって。 しかもどのプリンも一つ一つ違う模様。学食手作りなので。 するとその中の一つに生クリームで『ハートマーク』が。 咄嗟に某愛らしいガールオヴガールズな娘さんを思い出し即買い。アホです。 でもいちごプリンは美味しかったです。
お菓子を作りたい本を読むべき勉強しながら話を書いて。 あたまをごまかせ。考えてはいけない。期待してはいけない。 三角巾装備したなら気分を変えてあまい戦闘行動開始してみれば。 今はただあまいもので誤魔化してしまえますようにと。
―…だってこんなの生殺し…―
2003年09月23日(火) |
ハニィミルクでしろくつつんで |
落ち着かない心臓をやっつけるのに有効な手段は? ――取り敢えず、あったかいミルクでも飲みましょう。はちみつおとして。
こんばんわ、期待なんてしません。萌黄です。 期待しない。期待しない。期待なんてしてはいけない。 中学・高校の六年間で最も学んだ事は?と問われれば。 『期待したら裏切られる事です』と答えられるくらいなのに。 だから―…。
半月以上もかけて、やっと諦めがつきましたのに。 どうしてこんな直前になって可能性を零されるのか。 そんな風に言われてしまったら、どうしてもすがってしまいますのに……。 一縷の望みとは、これのこと。 駄目も無理も、百も承知。だから祈ったりしません。 かなうわけないと思っていますから。 期待したら、裏切られる。学校と云う鈍色の顎の奥で学んだ事。 なのにこの愚かな胸はまだ焦がれ続け願い続ける。 なんて莫迦な鼓動。
あまくてあったかいハニーミルクの似合う季節になりました。 余りに寒いのでパジャマもおふとんもチェンジ。 入れ替えすんで大満足な昨日は、ひとりでやたら大満足。 もそもそおふとんに入って、ぬくぬく加減に更に大満足。 ぬくいー♪ぬくいー♪と思っていたら。 ―…寝てました(死) アホです。その所為で日記も書いてませんでしたしね。 まあここ数日の日記の内容からいうと、 どなたもご覧になられてないでしょうけれど(笑)
2003年09月21日(日) |
あなたにうめつくされるくらいの花を |
うとうとしながら音楽で目を覚まして。ねぼけまなこはまだかすんで。 日付を思い出してつい微笑みました。そう。今日はあの日からもう半年。
こんばんわ、もう半年。萌黄です。 あの日から日めくりカレンダーの日付が変わりません。止まったまま。 だから一ヶ月のうち日付が合う日は一日だけ。それでも構わないです。 このままで構わないのです。 半年前の今。なんてしあわせだったのか。なんて満ち足りた夜だったのか。 音が鼓動とかさなった夜。決めた夜。 すべてはあなたの影響で。 余りに音を満たすから。音で満たすから。零れて溢れて埋め尽くされるほど。 有無を言わさず泣かされました。悲鳴か、嬌声か、解らない。 何度も、何べんも泣かされてきましたが、あれが最大。 思えばあの日がthe first and the last。 おかしいあたまはあの日を境にしておかしくなりました。 逆回しでやりなおす悪い性格なひと。 あなたがあんなに綺麗に、素晴らしく、薔薇を撒いたから。
何十回、何百回と聴いた曲。 だからほら、最初のドラムがハイハットを刻むので背筋が固まった。 動揺して肺も停止したその前でスネア、バスドラム、ほらタム回し。 指が鍵盤を駆け上って周囲からは黄色い悲鳴があがった。 こんなにもおぼえているのは何故。 こっちは倒れないように泣かないようにするので必死だったのに。
今度はいつその声を浴びる事が出来るのか。 予想なんてさっぱりつきませんが、次。次があるのなら。 その時何かを変えられるように思います。
別の曲を聴いていて。聴き終わって。 ふと思い立ち、プレーヤーの側までやってくると、MDを排出。 そしたら別のMDを持ち出して。入れて。シャッフルにセット。再生開始。 MDが読み取られるまでの、僅かの間。 ぺたんとプレーヤーの前に座り込んで。目を閉じたなら両手を組んで胸の前。 ほんの戯れに祈ってみました。 『薔薇を、』と。
―…どうして本当にかかるのか。 十五分の一の可能性。見事に当たって、撒かれる薔薇。 祈ったのは自分なのにその現実が無性に泣けてなりませんでした。 軽はずみに祈ったりしてはいけませんね。 半年前の奇蹟の薔薇がすべてをかえてしまった。 ありがとう、ございました。スギモトさん。
時間があったのでオリジを書こうとしたのですが、ちっとも指が進まなくて。 一文字も書けないので素直に諦めました。 今日はあなただけでいいや、と諦めました。
オリジひとやすみ。今日はちょっとレポート用の本を読んでいまして。 でも明日になったらまた書いてそうな気がしてどうにもこうにも(苦笑)
こんばんわ、一気に秋の予感、萌黄です。 台風が雨風をもたらして熱を持ち去ってくれてる感じです。 全く妙な気温ですから…これでまともになるでしょうか? しかしだからといって、いきなり気温変わられてもそれはそれで困ります。 とことんワガママですが仕方ありません。 何せ急すぎると体がびっくりして壊しかねません。 パジャマそろそろ変えた方が良さそうです。ながそでながそでー。 世界不思議発見を見ながら涙ぐんでいる場合ではありません。 ありがとうトルコ!(泣)
題名がついていないオリジ話、一生懸命題名考えていました。 そしてお風呂入っている間に決めてしまおうと思いまして。 『考え付くまではお風呂あがらない!』と決意。 お湯につかったまま色々と考えを巡らせて居ったのです。 夏で日曜日で自転車なシガレット・ケースな感じの……と。 ここまでぐるぐるしていて、ふと気付いて思わず苦笑。
『日曜日』で『自転車』? ああ。どれもこれもがかの方の音楽に宿るものでは。 影響受けすぎなのやもしれませんが、真似ようとしているのではありません。 萌黄もこう云うキーワード大好きみたいなのです。 だからこれらの言葉を鮮やかに操るかの方はひたすらに尊敬。
とまあこんな風に考えすぎて見事のぼせました(笑) いえあの…予想外にお湯が熱くって……。 途中でお湯の中ふらふらになってきたので、危険を感じてあがりました。 ほんのちょっとイメージが固まっただけでしたがやむを得ません。 目眩でくっらくらしていたので、 『こら三十分は入ってたやろ…』と少し達成感。 でも時計を見ると十分ちょっとですぐさま撃沈。 部屋中の窓開けて扇風機つけてベッドに倒れこんで目回してました。 なんか肩甲骨でさえどくどくゆってました。謎。つくづくのぼせやすいです。 まあそんな犠牲を払い更に数時間悩んでやっと名づけられました。 『シンプル・ホリディ・サーキット』。 んーでも満足度はちょい低いかもです。 やっぱりお気に入りはワンコインですね。 因みに体から熱がやっと抜けた頃には三十分以上が経過していました(笑)
ばかばかしい心臓。それが今、一番似合います。 ただの影なのに。 いつものように、日記を拝見しにうかがって。 そしたら携帯のカメラで撮った画像をアップされていて。 コンクリートに伸びる影。たったそれだけなのに。 形作る輪郭や言葉や雰囲気が、モノクロームに熱をのせます。 あえないのがそんなにイヤなのか自分。 ただの影なのに。あなたの影なだけなのに。 それだけなのに、一瞬心臓が縫いつけられたかと思いました。 標本の蝶みたく。細いピンで。 そしてそれだけのことがたまらなくうれしかった。
2003年09月19日(金) |
『(題名未定…)』二日連続てあんた。 |
いったいどれだけオリジを載せれば気がすむのか。 楽しい!とかではなく、ひたすらに書くことが呼吸。
こんばんわ、今日は約半月ぶりに葵嬢と侘助嬢に会いました。萌黄です。 久し振りなのも手伝って、やはりテンションは高め。 ブツも渡してゲーセンも行って、でも一番嬉しいのはおしゃべり。 来週から学校始まるので、そしたらずっとしゃべれますけれど。 ずうぅっとバイトでひとりぽっちだった身からすると、 しゃべれるのは凄い嬉しい。 ブツの受け渡しも楽しいのです! こないだ『ああこれ絶対葵嬢好みだ…』なフライヤーみつけたのであげたり。 他にも二人共にCD貸したりもしましたし。 取り敢えず暫く侘助嬢はEeLさんの歌声にもだえていると思います。
これは、萌黄のものだと思ってよろしいですね? 二メートル二十センチもあるなんて…萌黄より七十センチ近くおっきいです。 ああ可愛い。可愛いったらありゃしません。 中に入ったり、猫入れたり出来るのでしょうねえ。 ぐー入りたい。入れて入れてアルー(笑) TGSで展示されるそうで、すっごく楽しみです!行きませんけれど! ゲームの鋼、多分買うと思います。 てっきり格ゲーかと思いましたが違いました。 戦闘中、エドの後ろをずっとアルがうろうろしていて。 エドが呼ぶとぽてぽてついてきて。二人で協力して戦ったり。 これを聞いた時、『じゃあアルの役回りはICOのヨルダ!?』 と考えてしまい、えらくときめいておりました。 ふふふ…じゃあエドが仕掛けわからなくて困っていたら、 アルが『兄さん』とかってエドを呼んで仕掛けのヒント示してくれたり。 不思議な扉をアルが謎の力で開いて見せたり。 影にさらわれそうになったアルをエドが救い出したりするのね!と妄想暴走。 くう。アルが可愛いです。もはやエドは視界の外。ああアル可愛い。
どれだけオリジを書き溜めたら、あのカフェに置いてもらおう。 ギャラリー併設の素敵なカフェ。ご飯も美味しくって大好きな。 やはり十本は書いておかないと不安でなりません。 でも気負いはそんなにありません。いくらでもあるのですから。 今まで真剣に書き出さなかったのが不思議なくらい。 胸の奥でと延々やいやい言っている連中。とてもいきいきと。 ごめんな、今まで外に出してやらなくて。 そんなわけで以下オリジ。小さなこどもの、おうちのおはなし。 ―…昨日の話に、まだ題名がつけられません。思いつかない……。 しかも今回のもまだ題名つけられてません。 一応あったのですが、今日になってやっぱいかんと思いまして。ぐは。
『(題名未定)』
そこは不思議の空間でした。 いつもは誰も居なくて、所々錆びたシャッターは下ろされていて。窓を覗き込んでも、目張りされた隙間からは何も見えないし、そもそも埃っぽい窓枠にまで背が届かないもの。そこではただトタン屋根の上で、すずめがお喋りしているだけでした。 なのに。ほんとうに時々。
がしゃこん。ぴー。 ぎっこん。ごしょー。
聞いたことも無い音が規則正しくとどろいてきて、ひどく驚かされるのです。たぶん、いえ、きっと見たことも考えたことも無い秘密の機械が、せっせかせっせかふうふう言いながら働いているのでしょう。 おそるおそる、こっそり中を確かめようと、くろくぽっかり開いた入り口(だってシャッターが上がってるんですから!)に、ひょっこり少し顔を出してみます。なんだか見つかってはいけないように思って、気持ちは敵から隠れる忍者でした。 すると。まんまるに見開いた目の先では。
のっそりとした動きで、音の源を操っている怪しい影。それはすごく大きくて、もしこちらに向かってきたら、悲鳴を上げて逃げ出しちゃうような。そんなのがこのにぎやかなハーモニーを支配していて、影の手にはぎらりと鈍く光る長い銀色のものがありました。 それを目にして、大変だ!と思いました。そう思った瞬間、駆け出していました。 慌ててころびそうになりながらも、泣くのは我慢して。だってそれどころじゃあないのです。誰かに早く伝えて、すぐにどうにかしてしまわないと!
「おかあさん!」 ばたん!と重々しいドアをくぐり抜けて、台所にいたお母さんに飛びつきます。ぱふん、と自分をすっぽりくるんでくれるエプロンの温かさに満たされ、ああやっとこれでだいじょうぶだ、と安心しきってしまうあまり、今にも泣き出してしまいそうでした。 けれど早くにどうにかしないと。驚いた様子のお母さんに、伝えないと。まだやわらかなコットンに包まれていたい、でも、急がないと取り返しのつかないことになってしまう、だからその子は。おそるおそる顔を上げると、涙を必死におさえつけて、ひきつる喉をむりやり動かしながら、つっかえつっかえ、はじめます。
「あ、あのね、おかあさん大変なの!いつも閉まってるすずめの遊んでる工場が開いてて、が、がぁっ…がしゃごしゃゆって、るの!それでね、そこにはね、闇の帝王が世界をセイフクしようとたくらんでて、いっぱい手下をならべて武器をじゅんびしてるの!それからっ…もっともっと仲間をよんで、ふっふっふってわらうの、だから早く帝王を倒さないとみんな大変なことになっちゃう!!」 一生懸命心配していることを伝えると、あんまりにも一生懸命だったので、いきをふうふういわしています。あの機械たちみたいに。 するとおかあさんは、すうっと腰をおとして、目線の高さを同じにしてやります。くすんくすんとすすりあげる世界を救おうとする勇者さまが、あまりに真剣な様子なので、吹き出さないようにするのが大変です。 けれど遂に、目を合わせ、そして両手で小さな子の顔をやさしく包み込むと言いました。
「おばかさんねえ」 にっこりくすくす、さも楽しげに、愛しげに抱き締めながら。 「あそこはおじいさんの針金工場よ」
2003年09月18日(木) |
『(タイトル未定)』←早く決めなさい |
ごめんなさい、またオリ(略)一日で完成。所要時間は四時間くらい? 今までで一番短い。でも予想よりは四倍くらい長くなりました…。
こんばんは、目下の敵は睡魔。萌黄です。 今日はしっかり青写真をきめていた日。何時に何をするか!とか。 夕方までは完璧だったのに、日が落ちたら本読みながら寝てしまいました うう、ごめんようヤマトタケルノミコト……。 レポート書くためにちゃっちゃか読まないといけませんのに。 でも重圧みたいのはありませんね。楽しいです。もっと、もっと学ばないと。
十二国記が気になる今日この頃。 NHKでアニメやってるのを見て、陽子さん綺麗ー、と感心していたのです。 他にも泰麒くん可愛いー、とか思ってたら、声はメリィさん。 つまり鋼のアル。してやられました(笑) 友人連中に詳しい人は居ないかと訊ねまくっていました。 でも萌黄にとって、作者の小野不由美さんは、実はよく知っている方。 しかし『作家さん』としてではありません。『コラムニスト』としてです。
むかしなつかし、ザ・スーパーファミコン誌。ソフトバンク刊。 スーファミ全盛期に萌黄がお世話になっていた雑誌です。 そこで小野さんはゲームコラムを書いておられたのです。 コラム、その名も『ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか』(笑) とても好きなコラムだったのです。単行本も持ってます。 今日あらためて読み直してみると、やっぱりおもしろいんですよねー。 新ハードがささやかれはじめた頃、スーファミ・ラグナロク期。 いくら画面が綺麗になっても、容量が莫大になっても。 萌黄はあの頃が一番好きです。あの頃は本当にゲームがゲームだった。 技術の爛熟期。黎明と黄昏が背中合わせだった頃。 もしかしたらゲームはもう退化ばかりしているのかもしれません。 だから……各ゲームメーカーさま。『ゲーム』を、かえしてください。
ぽこぽこ延々オリジばっかり。今日は短めですので。 しかし文章切り詰めようと思えば、きっともっと切れますよね……。 書きながらも少し痛む胸をなんとかごまかそうとします。 ふっきれています。空白のスケジュールもなんのその。 でも。―…でもあなたが、また何か計画を企んでいるらしくて。 それを来週のライヴで明らかにする、なんて仰るので。 聞きたかったなあ、と思うのです。あなたの声で、その場所で。 あなたの音に、会いたい、なあ。と。 ええい今更言ったってどうにもなりません。負け組は素直に待つがいい。 わけのわからない繋げ方ですが、以下オリジ。 はると夕立、マリンドライブ(違)まだ題名が思いつきません…
『(タイトル未定)』
海ぞいの急な坂道も。舗装しかけアスファルトなでこぼこ道も。おっきな川をまたいで弧を描く道も。ふるい街によくある、波みたいなジェットコースター道も。きょうはぜんぶコースからはずそう。 ひらたいひらたい、ドライブにでかけよう。
「はい。準備できたよ」 ペダルに片足かけて、もうかたっぽは地面をふみしめて、体勢をととのえて。さんさん太陽をさらり・こきん、とそらす銀色の自転車は夕立の愛車。こしかけたまま、すこし重心をぐぐぅっと土にのせると、車体ははるに軽くおじぎするようにかたむいた。 いつもならここで、はるが後ろ向きになって、自転車の後部座席によいしょ、ととびのるのだけれど。そして夕立は、服の腰らへんをきゅうと引っ張られる感覚をおぼえてから、大地をけってふたりのりドライブをスタートさせるのだけれど。彼がずっと待っていても、きょうはなんの動きもつたわってこなかった。 不思議におもって振り返ると、彼女はなにやらたくらみ風味の笑みを浮かべ、キャラメルを口にふくんでいるかのように、にこにこしている。 「?どうし…」 「あのね。きょうは、ちょっと乗りかたを変えたいの」 問いかけようとした夕立の声をめずらしくさえぎって、わくわくが指の隙間からぼろぼろ零れているはるが告げる。そして、言い終わらないうちにひょいっとからだを浮かせるものだから、宙を躍るゆたかな黒髪巻き毛が、ひどくあざやかに夕立の網膜にやきついた。 ぽかんとした彼の見ているまえで、はるは後部座席に横乗りになってみせる。ここまではいつもと同じなのだけれど、きょうはこれからがはじまりらしかった。 座ったまま、よじよじ体をうごかすと、すこしずつ角度を変えてゆく。スカートの裾をたくしたくし、ととのえながら、うごいて、うごいて。ついには、すっかり夕立と背中あわせになってしまった。つまり自転車逆乗り。流れる景色が前をとぶ、走る方向とすっかり反対に顔を向ける、どこからどう見てもかなりあやうい体勢。なのに彼女は至極満足顔で、すっかりぴん、と伸ばしきってしまっている両足をぷらぷらさせて、その動きにあわせてお気に入りの歌を口ずさみはじめるしまつだった。 当たり前のことながら、こんな体勢のまま、夕立がペダルをこぎはじめるわけなかった。
「危ないよ。そんな風に乗っちゃ、転がり落ちたら大変なことに」 「ううんだいじょうぶ。落ちたりしないから」 「だって持つところないじゃないか。体がささえられない」 「取っ手ならほら、ここにあるもの。だからだいじょうぶ」 いくら肩ごしに説き伏せようとしても、はるはだいじょうぶ、の一点張り。自分が腰かけている座席をしっかり握りしめてみせると、これでささえられるから、と逆に夕立を説得しようとする。しばらくこのどっちしているのかされているのか分からないネゴシエーションは続いたが、だんだん自転車をささえている足がしびれてきた夕立がしぶしぶ折れ、はるの願いをききいれた。 「危なくなったらすぐ言って。すぐに止まるから」 「うん。ありがとう」 最後の抵抗として、注意と心配の釘を一本さしておくと、そのおもいをくんでいるのか、はるも素直にうけとめた。 はあ。と、小さく息を吐き出すと、彼はそっとキャスケットをかぶりなおした。きゅ、とつばをととのえると、このうえなく真剣に、地球を蹴り上げた。背中にとん、とかるいぬくもりを感じた。
予想外のぬくもりに、夕立は一瞬びくりとするほどおどろいた。しかし状況を理解するのに、そんなに時間がかかったわけでもなかった。 答えは単純。はるだ。 成る程。自転車に背中あわせに乗るならば、風をよけるためにもバランスを取るためにも、相手にもたれかかったほうが安全な体勢といえる。ただでさえぐらぐらしやすい座りかたなのだから、少しでも楽ができる方法をみつけたなら実践しない手はない。 けれど何も言われず、いきなり背中にぬくもりを感じたなら。ふつうかなりびっくりする。 走行中にもかかわらず、夕立はおもわずうしろへ目をやろうとしてしまう。でもやっぱりそれはキケンな行動。彼にとっても、彼女にとっても。ちょっとでも動こうものなら、それははるのバランスを崩すことにもなってしまう。そもそも自分の背中によりかかった彼女はちいさくて、自分にかくれて見えやしないし。ゆえに彼はあきらめ、言葉もないまま、静かにペダルをふみしめた。 口の端にしてやられた微苦笑をのせて。ゆるやかな道をさがして。
かたたん、たたん。振動ともいえない微かすぎる揺れだけが、彼女の体をゆっくりくるむ。瞳を閉じて、もたれかかって。彼の温度と風を感じる。はたから見れば危ない!と怒られるのは必至だけれど、はるはどうしてもこうやって乗りたかったのだ。ほんの一回っきりでいいから。 だってこんなゼイタクなことないもの、とやや不安定な揺り籠のなかではるはおもう。 おしゃべりしながらふたりのりも、もちろん楽しい。でもこうすると、世界がまったく違って流れておもしろいし、なにより彼の背中がひとりじめできてしまう。自分をすっぽりつつんでしまうおおきな背中は、とてもひろくて、あたたかで。うもれてしまうようだった。 耳元をくすぐる風はさんざめきながら、おとがいをなで、鎖骨をすりぬけて、遠く、かなたへ飛びさってゆく。微かに彼のかおりを残して。 濃い草いきれに眠るようだった。春の野でころんと横になったらきっとこんなの。元気な青草はやわらかく、まけじと花もさきほこる。ごっちゃになったパレットみたいににぎやかな、かおりの競い合いに飲みこまれてしまいそう。その中にちょっとまじったぴりりと苦いのは、煙草のにおいかもしれない。けれどもそれが余計に春のかおりを際立たせて、あざやかなものにしてしまう。そんな。彼の。 ちらり、と瞼をおしあげてみると、細い視界から夕立のとってもおもたい鳶色の髪が見えた。向かい風にそよとしか揺れない、とってもとってもおもたげな髪。灰色の帽子からのぞくそれは、やや伸びすぎのきらいがあるけれど、本人はあまり頓着していないみたいで。ただ、やたら目の中に入ってくる前髪だけは、ちょっと気になるらしいけれど。 こんな風にしみじみと、しかも間近で彼の髪をながめることなんてなかった。だからそのクセのない真っ直ぐさとか、伸びすぎているだとか、ささいなことに今頃きづけて、それがどうにもうれしくってならない。 とん、ともう一度あらためてもたれなおす。双眸は閉じて、笑みを灯したまま。おんども、かおりも、ぜんぶが新鮮でとっても近く。だから危ないなんてはるは欠片もおもわなかった。そうでなければああも『だいじょうぶ』と言い切らない。
あなたの背中にいるから、あなたが背中にいるから。 あぶないことなんてひとつだってないから。 だってあなたがいるのだから。
きらきら瞼の裏でかがやく真理。それが何があってもだいじょうぶな彼女の理由。淡い微笑みを消してしまえるものなんて存在しない。そして消してしまおうとおもうものも存在しない。
ほのかなぬくもりにすっかりはめられてしまった彼は、ゆっくり、のんびり、走り続けた。おたがい何もいわなくても、きょうはそんな日。 急勾配の坂道も。熱でゆがんだぐねぐねアスファルトな道も。横たわる半月な道も。シャンパンタワーみたいにだんだん畑の道も。きょうはとおらないでおこう。
かたたん、たたん。単調な音しかいない、まったいらな道を行こう。
2003年09月17日(水) |
『2003 サマー・ビューティー計画(突貫工事)』 |
凝りもせずまたオリジ。それにしても題名悪ノリでしょうか。しかも突貫。 タチ悪そう。感じ悪そう。頭悪そう。―…最悪?
こんばんわ、性懲りもなくオリジ、萌黄です。 もうみなさまうんざり?(苦笑)きっとそうだと思われます。 けれど今はごめんなさい。こうでもしないとムリみたいです。 この身にもうみだすことは出来る?書き上げることが出来る? それを確認するかのように、書いています。 ずっとくすぶっていたものを体外にカタチとして出してゆきます。 完成させたときの喜びは、二次創作小説を書いたときに知っています。 でもこれは違います。安堵感のようなものがありません。 今の段階ではまだまだ不安。それと同時に気安さがあります。 だってこの子たちは萌黄の子。
またはると夕立。でも前回とまた文体が変わっています。最低だー。 しかも構想から書き上げまで一気にしあげたので、まさに突貫工事。 見直しなんてろくすっぽしてませんし、所々に不安がひそんでいます。 こんなでもアップしてしまうのは、勢いもありますが他にも要因。 まだきっぱりと定まらない方向性と文体をいち早く試したいので。 最早これは書くしか手段がないのです。書いて、書いて書いて書いて。 嫌味な文章になっているやもしれません。そんな予感がぷんぷんします。 そもそもの問題として題名から感じが悪いです。ふざけすぎ。 でも真っ先に浮かんでしまったのはこれだったのです……。
葵嬢に指摘された問題点の解決には取り組んだつもりです。 しかしその所為で、別の問題が顔を出した可能性は極めて大です。 自分の色が分からないです。更に文章前より長くなってますし。 そんな中で書かれるはめになってしまったふたり、ごめんなさい。
『2003 サマー・ビューティー計画(突貫工事)』
かぱん、と片手で巧くたまごを割れるとほんのり嬉しい。しかもちょっとおどけた風に、鮮やかに、絵に描いたような手つきでボウルにスリーポイント出来たなら感無量。これで中身が双子だったりしたら、それこそ高天原に神様感謝、な幸福っぷりだろう。 でも夕立はそんなの望まない。卵に一つまみの塩を放り込んでから、泡立て器でかしゃこしゃゆわしながら、彼はちょっと口の端を上げただけで、それっきり。だって望みようがないもの。
「ねえ、どうするの?」 今日も今日とてわんぱくじゃじゃ馬、プリズムの機嫌によって時折くっきりと灰色が浮かび上がる黒髪巻き毛が、彼のすぐ横でひょこりと揺れる。薄い真珠の光沢を放つ大きなスカーフが、本日のじゃじゃ馬の騎手らしい。随分と誇り高そうな三角巾。 「いつもと作り方違うみたい」 興味津々の黒曜石が、ほかほかチキンライス入りのボウルを持ったまま、手元をのぞきこんでくる。そんな大層なものでもないのに、はるはよっぽど気になるらしく、軽く背伸びまでして中身を見ようとする。 どんなに伸びをしても、夕立の顎あたりが精一杯である彼女の様子に、彼は思わず微苦笑を漏らしてしまう。だからやおら体の向きを変えると、彼の肩口よりやや低い位置から見上げてくる眼差しでもとらえられるように、ボウルをそっと傾けてみせた。もちろん中身は零さないように。 「材料は一緒だよ。でも、確かに今日はいつもと違うんだ」 「うん。だっていつもなら、チキンライスが出来る頃には、もう卵混ぜ終わってるもの」 出来立てなのをさかんに主張するチキンライスの湯気をほわほわと浴びながら、役割分担もいつもと違ったし…と呟きながらはるは首を傾げ、言葉で問う前に問いかける。 音のない質問に、彼は少し子供っぽい笑顔を返しただけで、秘密のままフライパンを火にかけた。
今日のお昼はオムライス。夕立お得意の、オムライス。 慣れた手つきで油を引いて、鼻歌まじりに溶いた卵をそそぎこむ。 はるも大好きなオムライス。何度も横で手伝ってきたオムライス。 彼の部屋の、やたらに器具の揃った台所で、ふたり並んで。 でも今日は?
じゅう、と元気に油のはねる音がする。とたんに何ともいえず香ばしい、おなかをさんざんちくちく攻撃してくるにおいが周囲に満ちる。今にもくう、と鳴きだしそうなおなかをかかえてフライパンを持つ夕立の側で、はるはぱちりと換気扇のスイッチを入れた。おいしいにおいを出しちゃうのはもったいないけどね、と笑いながらおなかを押さえて。彼女だって戦闘中なのだ。 じゃあ手短にしないと、と夕立は手首を動かす。けれどそれは、はるにとって少しびっくりなことだった。すぐさま夕立に駆け寄ると、コンロの上に顔を乗り出さんばかりにするので、彼にぴったりくっつく形になった。 「このまま丸めちゃうの?プレーンオムレツにしちゃうの?」 いくら早くしないといけないからって…と、気持ちは分からなくはないけれど、それじゃあこのチキンライスはどこへゆくの?と言いたげな視線を浴びて、黄金色のたまごは中身を包むまえに自分が自分にくるまってしまった。答えをはやくはやくと求める時のクセで、はるの大きな瞳がせわしなく瞬く。 その表情に夕立の、秘密を隠し通そうとする決意が、かなりぐらりとふらついた。けれどそこはなんとかこころを振り絞り、今にも話してしまいそうな口に急いでファスナーを。 でもでもやっぱり、ほんのちょっぴりは仕掛けがばかになってしまい。 「最後に、おたのしみがあるんだ」 とだけ。秘密の欠片を囁いた。 これに納得したわけでは当然ないのだろうけれど、はるはそれ以上質問の眼差しは送ってこなかった。その代わり、とてつもなく真剣このうえない顔つきで、可能なかぎり眉間にしわをよせて、なんとか秘密の扉を開こうとして考え込んでいる。小さな宇宙がぐるぐる回り、いずこにか隠されているのだろう、真理へたどりつこうとさすらいの旅路。 あまりに一心不乱なものだから、夕立がこっそり彼女の立ち位置を移動させたのにも気付かなかった。フライパン片手に、熱い油が飛んではるがやけどしないように、コンロから遠ざかるよう彼自身が盾の役割になってみせたのだ。 でもやっぱり没頭しているはるは露ほども気付かなくて。お皿にチキンライスを盛るよう夕立から頼まれたときになってようやく我に返り、どうして自分が移動しているのか分からなくて、しばらく周りをきょときょと見回してしまった。結局素直にライスは盛ったが、その行動は首を傾げながら行われた。
真っ白い大きなお皿。カフェへ行けば、ワンプレート・ランチ用として使われていそうなもの。今回だって、オムライスの横にサラダやらデザートやら添えれば、立派なお昼ご飯となるだろう。現在そこにあるのは、中央にでん、とたたずむチキンライスだけだけれど。付け合せのブロッコリーはもうゆであがっているので、問題なし。 さあ舞台は整った。あとは、いちはやく主役を完成させなくては。
てろん、としたプリンのようななめらかさで、オムレツは焼きあがっていた。てれてれとかがやく表面には焦げ目一つなく、ひたすらにつやつやしている。スプーンで軽くつついただけで、今にもくずれてしまいそうな、やわらかさ。そしてほころんだ箇所からは女神の溜め息にも似た、純白の湯気が立ち上るであろうことうけあいだった。確かにそれは、極上のプレーンオムレツに違いなかった! でも忘れてはならない。今日のお昼は、オムライス。
注意深く、フライパンからオムレツをおろす。それはもう、呼吸さえはばかられるほどの張りつめた空気の中で。 夕立の長い指がフライ返しを取る。まるで絵筆めいて構えると、凛とした瞳で標的を見すえ、細密画でも施すように、ゆっくりと指先を動かしはじめた。はるは両手で口をおさえて、一言たりとも一息たりとも漏らすまいとしながら、状況をみまもっている。しかし無意識のうちに呼吸を忘れてしまったらしく、その顔はどんどんまっかになってしまっているので、早期決戦がのぞまれる。
ゆっくり。そりゃあもう、ゆっくり。じれったいほど。 砂時計のひとつぶだっておりてゆくのにおっかなびっくり。 空気がやきもきするくらいの時間をかけて、かけてかけて。 黄金の肌もつ天使が赤い大地に舞い降りた。
おみ足の一端がてれん、とチキンライスに着地するのを確認すると、はああ、と体全体ではるが呼気をときはなつ。おおげさなくらいに深呼吸をすると、やっと林檎の頬が桃くらいにおちついた。 安心したのは夕立もいっしょで、ようやく肩の荷がおりた、とばかりに妙にこわばっていたそこかしこの筋肉から力を抜いた。けれどこれで全てがおわったわけではない。目の前でほこほこしている、実においしそうなお昼ご飯もどきは、あえて名前をつけるなら『チキンライスのプレーンオムレツ乗せ』という、何がしたいのやらわけ分からない代物である。これを当初の目的どおり、オムライスにするには? かちゃり、と金属のふれあう音に、まだすうはあゆっていたはるが気付いた。ふと視線をよこした先で、何ともいえないたのしげな笑みを口元に乗せた夕立が、カトラリー入れをのぞいて、何かを探していた。 にっこり微笑みかけられて。その微笑みかたがどうみても、いたずらをやらかすコンマ二秒前の、こどもの顔で。いたずら便乗、それは最高に楽しいことだから。当然はるも、おなじ類の微笑を宿して、かるい足音で彼の元へぱたぱたと。
さあさ。おたちあい。 そんな台詞を口にしたわけではないけれど、もし何か口上をのべるとしたなら、この言い回しがいちばんしっくりくるだろう。 猫さえキケンななんとやらではちきれんばかりの彼女は、ようやっと夕立が探しあて、手にした銀色のナイフに釘付けだった。きらん★とぺかぺかにかがやくそれは、柄がさかなの形した、かなりかわいらしいもの。いまにも口から噴水がでそうな。 さかなナイフに添えられた彼の指は、ちょっとだけ節がめだつ。でもいまはそんなのどうでも良くて、注目すべきはそのゆきさき。自由な方の手で唇の前に人差し指をたてて、彼女の瞳をつかまえて、目を細める。ひみつがはじまる合図。 「見ててね」 とっくの昔からはるは凝視しっぱなし。そんなの百よりずっと承知だけれど、言ってみせる。彼女だってこくん、とうなずいて返してくるし。 さっきの天使降臨よりかはずっとゆるやかにぴん、とした空気。やわらげているのはたぶん、この快すぎる香気なのだろう。緊張よりもくすくす笑いがにあうしじま。 銀色おさかな、魔法のステッキ。繊細な衣をなでるように、彼はそっと、黄金の柔肌に一筋の軌跡をえがいた。 すると。
とろぉり、と。 目の前でてろてろオムレツがふたつにわれて。たまごがひとえを脱ぎ捨てた。それはもうおもっていた通りのすがた、はんぶん固まったたまごが中からあまい氷河めいてながれでて、チキンライスをしずしずとおおってゆく。もちろんメレンゲ雲みたいな湯気もわすれずに。 あっけに取られて瞬きも出来ないはるの前で、夕立はしてやったりと会心の笑み。砂場にこしらえたおとしあなにエモノがひっかかった。 オムライスはこうしてぴかぴかに出来上がった!
「すごいすごい!すごくきれい!」 「いっぱい失敗して、こないだやっと出来るようになったんだ」 その場でぴょんぴょん跳ねだしそうなくらいに、おおはしゃぎで大絶賛する彼女の宇宙は超新星がおきたみたくきらきらだった。うもれてしまいそうな賞賛をあびて、それよりも大喜びの彼女がみられて、夕立の満足といったらなかった。やっと秘密を打ち明けられて、隠し続ける重荷からも解放されてやれやれな気持ちもあったことだろう。 しあわせなひみつは嬉しいけれど、あんまり長いと少しくるしいから。
「練習のおかげで、ここしばらくずうっとオムライスだったんだよ」 「いいなあ、毎日こんなにおいしそうなオムライスなんだもの」 「流石に一週間もすると飽きるよ」 「ううん、わたし、絶対飽きない」 苦笑まじりにここ数日の修行のありさまを語っても、はしゃいだ彼女にはかなわない。その反応も、その大輪の笑顔も、予想どおりだったけれど、実際こうもまのあたりにすると、なんだかくすぐったい。 ともあれぴかぴかオムライス。ブロッコリーの林をつけて、みごと完成。低いテーブルにお皿を置くと、カーテン越しにのぞきこんでくる太陽のせいで、表面がつやつやの粒子をまとったみたいになった。 いますぐ問答無用にぼなぺてぃ!な気分ではあるけれど、まだまだおなかの反撃にでられそうにはない。いくらおいしそうでも、それはひとりぶん。せっかくふたりいるのに、ひとりで食べてもつまらないから。 さあ急いでもうひとりぶん、と夕立が冷蔵庫を開ける。作業工程はとっくに頭のなか。どれだけ練習したのやら。ごそごそと中身をさぐる彼の横で、もう一度あの魔法が見たいのか、ボウルかかえたはるがわくわくしながら卵をまちかまえている。 が。
「……あれ?」 がさごそ。ごそがさ。ずっと聞こえてきた探索の音がぴたりとやむ。冷蔵庫に頭をつっこんだままの、夕立の体も、ぴたりと止まった。その声にはるが首を傾げる。なんだか彼は、ずいぶん長くさがしているような感じがする。 「……えっと」 がっさごっさ。ごっしゃがっしゃ。ちょっとにぎやかな音がしてきて、冷気越しのくぐもった声が、更にきこえにくくなる。そんなやっきになって中に台風をおこさなくても、元から中身は少ないはずなのに。たくさんの食材がはいっているわけでもないのに。なのにこの大捜索っぷりは。 ゆらり。彼は冷蔵庫から離れると、ぱたり、と扉を閉めた。やたらと力ない風だった。すっかり冷たさの逃げてしまった内部では、いまごろおおいそぎで温度をさげようとしていることだろう。冷気はぜんぶ、彼にわたってしまった。 ぎ、ぎ、ぎい、と。油のきれたブリキ人形みたいな動きでふりかえった彼は、なんとなくうつろ。口元の笑みがひきつっている。あたまのうえに疑問符のっけたはるに、夕立はこごえたように告げた。 「……卵、全部使っちゃってた……」
直後。しばらくの沈黙のあと。 どちらかが先にもらしたちいさな笑いが亀裂をうんで。 部屋の中に軽快なハーモニーが響きわたった。
「……一パックあったんだよ。丸々。だからまさか無いなんて」 「ほんとうにいっぱい、練習したのね」 結局ふたり、向かい合って腰をおろして。低いテーブルのまんなかにあるお皿をはさみこむようなかたちで。おのおの手にしたさかなスプーンで、ひとつっきりのオムライスをつついている。溜め息といっしょに床にたおれこみそうに憂鬱な夕立をよそに、はるはいたってごきげんで、実にしあわせそうにお昼ご飯を楽しんでいる。 卵切れで万事休す。オムライス作りはここで中止となり、残ったチキンライスはラップでくるんで夕立の晩ご飯にまわされることとなった。別に、夕立は自分がチキンライスを食べるから、ひとりぶんしかないオムライスははるが食べるようにといったのだが、頑としてきかない。『きょうはふたりでオムライスを食べるの』と、かたく誓っていたはるは、『ふたりで』の部分も、『オムライス』の部分も、決してゆずろうとしなかったのだ。 で。結果として、ふたりでひとつのオムライスを食べることになった。さくり、とスプーンでふたりではんぶんこして。
「やっぱりこれだけじゃあ足りないね…ごめん」 「ううん。すごくおいしかった。ごちそうさまでした」 すっかりへこみぎみの夕立に、大満足のはるはにっこり笑顔でありがとう。だから彼も少々ぎこちない笑顔でおそまつさま、と返す。とは言うものの、やっぱりおなかはやや不満げ。八分目にさえ届かないしまつ。 どうしようか…とカラのお皿を前に考えこむ夕立は、カトラリーを片付けはじめていたはるを見て、ぴん、と何かがひらめいた。 「ホットケーキが、食べたいな」 いきなりな言葉に、え?と視線で問い返すはるの手元がとまっている。そんな彼女の前で、夕立はさも良いことをおもいついた、とでも言いたげに、わくわくをふくんだまま続ける。 「きみの作ったホットケーキが食べたいな。あの、すっごくおいしい」 にこりと笑いかけた先で、ぽかんとしていた様子のはるが、一瞬にしてオリンポスもびっくりのきよらな微笑を灯す。 夕立のお得意がオムライスなら、はるのお得意はホットケーキ。けれど、ホットケーキは冷めてしまうとさっぱりおいしくないし、温めなおしても、かなりいまいち。出来立てでないと絶対においしくない。とはいえ、お昼ご飯を食べたらすっかりおなかいっぱいになるし、出かけたりしちゃうので、めったに手作りほかほかホットケーキを食べる機会はなかったりする。かなりの希少価値な一品。 でも今なら。お昼ご飯は食べたけれど、おなかはいまひとつ。出かける予定もなくて、部屋でのんびり。ならば。この状況なら。とってもすっかりいい感じなのでは?と。夕立は思いたったのだ。 それに対するはるの答えは訊くまでもない。未練たっぷりのアフロディテから林檎をうけとった天上の微笑。 「じゃあ、すぐに作るね」
ざっとテーブルの上にある食器類をかたづけて、それらをよいしょともちあげると、ローズクオーツの鈴が転がるような声で、何かの歌を口ずさむ。微かな歌声とかるい足音がかさなって、台所のほうへ遠のいてゆく。彼は、その後姿をやっと浮かんだやわらかな笑みで、見つめていた。 たまには間違いもいいもんだ、なんて考えが頭をよぎる。卵がなくて、ふたりぶんお昼を作れなかったのは痛恨の失敗だけれど、そのおかげでこうして、たまにしか口にできない、はるのお手製ホットケーキが食べられる。 ときたまにしか食べられないせいなのか、それとももともとなのか。はるのホットケーキは最高においしいのだ。いろんな要因がかさなりあってとろけるさまは、たまらないくらいの幸福感をもたらしてくれる。口の中からしあわせがじわじわしみこんでくるような。それをこんなにお天気な昼下がりに、予期せぬかたちで食べられるなんて、と夕立はしみじみノルンの姿を思い浮かべてしまう。もっとも、一番の感謝をささげるべくは、当然ながらはるにだけれど。と。 …たぱたぱた。遠ざかっていったはずの足音が、フィルム逆回しみたくして、今度は近付いてきた。その主はいまさら考えるまでもないが、それでもやや驚いたのはあたりまえ。台所から急いで戻ってきたはるに、どうしたの、と声をかける前に、彼は気付いた。 このぎこちない表情と、こごえそうな様子は、どこかでみたことがないか――。はるは、言った。 「……卵、使っちゃってた、ね……」
瞬間の沈黙。そして、直後はおきまり笑い声の二重唱。 ぴり、とやぶけたパラフィン紙から、あまいお菓子がめいっぱいに零れおちてくる。もうおなかが痛くなるくらいに。
『たまご買いに行こうか』。最初からそう言えば良かった。でもやっぱり、言わなくて良かった。でないと、こうしてふたり、くすくす笑いながら出かけることなんてなかったから。涙がでそうなくらい、おなかをかかえて笑いあうことなんてなかったから。 座りこんでいた床から腰をあげて、鏡をのぞいてちょっと髪をなでつけてみたりしてから、ポケットにお財布をすべりこませる。彼女はスカートの裾をととのえてみたりして、小さなバッグを手にしたら、こちらも準備はばんたんで。 じゃあ。と、声をかける。うん。と、こたえる。
ぱたん、と閉まった玄関のドア。足に羽でもあるみたく駆けだすふたりの声だけが聞こえてくる。それから、夏の風にひらひら揺れてたはるの薄いスカーフのきらきらが、そこらに木漏れ日めいて零れていた。 ささいなとある夏の日のこと。
2003年09月16日(火) |
『大雨洪水暴風波浪高潮警報』 |
別のオリジをまたこっそりと。今回は短くまとまって嬉しいです。 小説とはとても呼べない短文。でもそれが目的。
こんばんわ、だから来年が横浜が(略)萌黄です。 一日遅れで実家に優勝おめでとう電話をかけました。 予想通り家族で祝杯をあげていたそうです。 兄は『優勝したから、ビール飲むか!!』と(いつも飲んでるのに) 母は『じゃあお祝いにケーキ買ってくるわ!』と(祝いはいつもケーキ) のんびりと、十八年ぶりを喜んでいたそうです。 でもまさか五千人以上飛び込むとは思いませんでした。 ああでもあれはファンではありませんね。ただ騒ぎたいだけ。 ファンっちゅうんはなあ、 もっと節度を持ってどんな状況でもチームを愛するもんや…。 たとえ現在応援しているチームが逆首位ぶっちぎりであっても(遠い目) ふふふ…逆天王山しよか巨人……。泣いてなんかいません。ええ決して。
ああ。猛虎といえばあれだ。昨日の特番です。 もしかして関西地区限定なのやもしれませんが。やー、おもしろかったです。 よっさんとか昔の監督が集まってる番組はみんなもう飲んでるし。 レポーターさんにスタジオがからあげくん(ローソン)買ってきて言う始末。 あと、番組の間に入るニュースで。キャスターの方が。 優勝のニュースを伝えながらも顔が笑ってました。 『こんな日に夜勤なのは大変つらいのですが…嬉しいです』(うろおぼえ) みたいな風に仰るのが微笑ましくて。 トラファルガー広場練り歩こうが、セーヌ川飛び込もうが、好きですよ。 おめでとう阪神ファン。そのアホさ加減がたまらなく愛しい。 午前五時半まで優勝おめでとう生放送繰り広げるテレビ局にも乾杯。
朝から四時間以上映画館入り浸ってて疲れてしまいました。 流石に一日二本はきついものがありました。 でも、その映画館が、阪神優勝おめでとうキャンペーンやってまして(笑) 優勝翌日から五日間、映画見た人全員に『どの映画も一律千円券』を。 これかなり嬉しいです。レディースデーでなくても千円は嬉しいです。 さあ、明日も映画見に行ってきます。 キッシュを作ってみたのですが、味がイマイチ…薄味すぎたかもです。 レシピから大幅に間違っては居ないのですけれど。何がいけないのやらー。
オリジを書いています。たとえ、お客様の大部分はそんなの要らなくても。 『オリジより版権を書け』と思われることでしょう。 確かにここはゼノ小説サイトですから…。 でも。オリジを書きます。分かっていますけれど、オリジを書きます。 明日にはまた、はると夕立の話が出来そうです。 昨夜、葵嬢にたくさん助言を貰ったので、それを踏まえて実践中。 葵嬢どうもー!話題が猛虎やら月光牛やらFEやら飛びまくったけれど!(笑) それでもまだラケシスはデューだと主張してみる…フィンもいいけどさ。 ああそういや、彼女に言われました。 葵嬢、はると夕立のふたりを、小学生だと思っていたそうで!! これにはびっくりでした。かーなーりー。 で。よくよく考えたらふたりの容姿説明殆どありませんでした。 ので、明日出来るであろう話はその辺りの誤解をとくため、頑張ってます。 あと質問なのですが、 頭ひとつぶん以上の身長差は必須なものなのでしょうか?(笑)
いもうとぎみと三時間越えの話をしてから気付くこと多々…。 この話は、たぶん、きみとしか出来ないね、いもうとぎみ?(苦笑) でもそれでさえ断片なのかもしれない。完全に同じでないから。 いつも指先を見ていました。あなたの指先を見ていました。 それは魔法を紡いでいる光景だったから。 鍵盤を踊るその指から目を離せず、見つめることが嬉しくてたまらなかった。 その行為は、今にしておもうと、まさに生み出している最中だったから。 うみだせるあなたを見ているのがしあわせだったからなのだ、と。 凄い納得。そうか。だから。と。 いもうとぎみ。どうか、どうかしあわせであってね。 そして全く脈絡もなく以下は本日のオリジ短文です……。 小さな子供がふたり。おうちで。
『大雨洪水暴風波浪高潮警報』
「ね。」 窓枠にちょこんと乗せた手の上に、その小作りな顔をひょこりと置いてみます。わくわくした瞳は、相手に問い掛けながらも相手を見ていません。真っ黒い瞳がきらりと熱くなりました。 小さな姉妹が小さく並んで、ひたすらに眺め続けるのは荒れ狂う自然の猛威。コーヒーミルク色した川が上げ続ける咆哮のもと。 「ねえってば」 「うん。わかってる」 頭ひとつぶんもちっさな妹から盛んに言葉を促されて、半ば上の空気味で声を返します。けれどこちらは会話を成り立たせようとする気は無いらしく、幼い眼差しを可能な限り真剣に見開いて、ただただ一点を見つめています。そんな気持ち知らない、とばかりに。 その胸に宿るどきどきは同じなのにね。
ざあざあ。降る雨。 ごうごう。鳴る風。 お昼なのに煤みたいな空は海蛇のウロコみたい。
「ね。いつ、ハンランするかな」 「あともう、手のひらいっこぶんくらい」 「川が、どざーってなるんだよね」 「そう。床も壁もみんなずぶぬれになるの」 小さな子は待ち遠しい様子で楽しそう!と笑いました。そして急に何かを思い立つと、ぴかりと顔を輝かせました。そのいきなりの変化に、おねえさんがきょとんとしているのなんて気にしないで、ものも言わずにその場から駆け出します。だって、楽しい予感に高鳴る胸が溢れそうなんですもの! 軽い体でばたばたと、大層賑やかな音をがなり立ててきざはしを下りてゆきます。三段目のステップから勢いよく飛び降りると、そのまま転がり込むようにして、台所の扉を開きます。にこにこ顔はとどまる所を知りません。 可愛らしい騒々しい音に、手を泡にひたしていたひとが何事かと振り返ります。そしてすぐに微笑みます。音さえ追い越して、自分のあたたかなスカートに飛び込んできたのは、彼女のお姫様でしたから。 小さな子は、やわい頬を水蜜桃に上気させながら、お母さんにぽっすりと顔を埋めます。そして暫く経ってから、おおげさに上下する肩を落ち着かせてから、とびきりの作戦を告げたのです。
「ねえ、おかあさん!ユカウエシンスイにそなえてお菓子いっぱい買いに行こう!ヒジョウショクもそろえなきゃ!たたみも二階にあげて、どのうを積んで、キチョウヒンをカバンに詰めて、学校にヒナンするじゅんびして、それから、それから…!!」 次から次へと溢れ出してくる、それこそ今の川のようなさまの、重大発表にお母さんは目を丸くしたあとすぐに細めました。きっと、このいきなり訪れた非日常をまるで何かの冒険のように感じている彼女の姫君は、自分の言っている言葉の意味を、半分もわかっていないのだろう、と思ったからです。普段めったに使わない、その不思議な響きがおもしろくて鼓動を早めて仕方ないからでしょうね、と。 そんな風に分かるのは、知っているから、ゆえに。
お母さんは恐るべき作戦を聞いてから、改めてにこりと微笑みました。 「あなた。川が氾濫するのがそんなに楽しみ?」 「うん!!」
満開の笑顔で返してくる少女に、鏡をみました。
その日、結局川が氾濫することはありませんでしたとさ。
2003年09月15日(月) |
祝!!!!(ご苦労様仙ちゃんメモリアル) |
おめでとう、おめでとう!!ええ、おめでとうですったら!! 阪神ファンが好きです。でも横浜はもっと好きです(最後のプライド)
こんばんわ、おめでとう猛虎!萌黄です。 確かにおめでとうですよ。めでたいですよ。 そしてひたすら広島が気の毒だったりしますよ。 ごめんなさいね、市民球団!大好きですよ! でも何処かのチームが生け贄にならなくてはいけませんでした。 その役回りが横浜でなくて良かったとつくづく思います。 これが巨人ならさぞかし清々しかったでしょうが。ゼイタクは言えませんか。 片岡さん役どころが男前や…でも応援歌のがもっと男前。 実家をリフォームしたからって歌詞にまで入れいでも。 りーふぉーむー、りーふぉーむー。かったおか、あーつーしー。 この話を聞いて以来、我が家では片岡さんの愛称が『リフォーム』に。 例:『なあ、今日リフォーム出とるの?』『いや、リフォームはベンチや』 感謝せよ猛虎。ラストマジック消したったんわ、横浜やねんからな…。 そもそもあんたらの貯金の半分はうちがやったんやないかうらー!!(泣) せやから来年は利子つけて返せ。利率はイチローさんの打率くらい寄越せ。
KO・N・CHI・KU-SHOWー
みんな笑顔ですからいいです。京都は比較的静かでしたが。 時折大音量で六甲颪をかけながら通り過ぎる車は居ましたけれどね。 窓からメガホンふっておめでとー、と叫びながら通りすがる車。 あといつもより街中のおまわりさんが大量に居て厳戒態勢。 タワレコは関西地区限定で阪神優勝おめでとうポイント二倍キャンペーン。 ふふ。これでジンクスが出来ましたね…。 阪神次の優勝は、『火星が地球に最接近する年』。何年後でしょうv ああ。横浜のビールかけは微笑ましかったなあ……。 若い人が多いから、ビールかけのやり方わからなくて。 唯一経験がある駒田さんにみんなで聞きに入ったりして。 祝勝会には小道具大量に持参してネタ満載。特に波留くん。 ビールかけ用じゃないビールかけちゃってみんなカゼひいちゃって。 その所為で日本シリーズ負けちゃったり……!!(尽きない思い出) くう。来年こそは。
ファンはいつでもチームの味方。たとえどんな状況であっても。 だから一番嫌いなのはにわかファン。 次いで嫌いなのは『今年は弱いから応援しない』 とかぬかす某球団ファンに多い傾向なファン。
街中ふらふらカフェ巡りレコ屋さん巡り。 レコードってきれいな存在ですね……聴けませんけれど。 収穫はCD二枚、ミニコミ二冊、桜蜂蜜一壜。 明日は洗濯物干したら映画を観に行こう。 気に入ったら明後日も観に行こう。同じ監督さんの作品なので。 それからオリジをぽつぽつ書き上げよう。 あのカフェに置いて貰えるように。 イデアが胸できらめきを零し続ける限り、きっと尽きないから。
あなたへ道が続くから。
2003年09月14日(日) |
『ワンコインアニバーサリィ(プロトタイプ)』 |
舞い降りたもの。すんなりと胸にしみこんだもの。 もう戦略も戦術も何も要らない。認めてあげる。名前をあげる。だから。
こんばんわ、いろいろもらいました、萌黄です。 いもうとぎみ昨晩はありがとう。とても嬉しかった。 それにしても二人で話すとどうしていつも三時間越えるんだろうね。 ありがとう、ありがとう。きみがしあわせでありますように。 お話ししている時に舞い降りたものはきっとイデアでした。 そうでなければ、今こんなにこころは凪いでいない。 あのひとを浴び続けてこんなしあわせでいることはない。 ―…あまい、いたみ、ね。
ある種吹っ切れたのでもう今日はしっちゃかめっちゃかです。 以下の文章は前々から言っていたオリジの断片です。でも長いです。 ああもう突っ込みご意見ご感想批判も非難も覚悟の上です。 でも一言『てゆっか死ね』とかはおやめくださいますよう……。 拙いです。気持ちは分かります。でも、本気で凹みますので、その。
見直ししていない上に文体も定まらず前後で文章も違います。長いですし。 自分でもまだ方向がきちんと見定まっていないのです。 これからどんどん文章を絞って、舵を取ります。 今にも難破しそうな文章。それでもこれは決別だから。 認めてあげる。おいで、この、イデア。 ふたりのお話。はると夕立。
『ワンコインアニバーサリィ(プロトタイプ)』
「あ。」 ぱきん、という軽い音と共に、声が洩れた。
咄嗟のことに振り返る不思議そうな眼差しの先で、彼女は手の平の上をしげしげと眺めていた。きょん、と羽ばたきが聞こえてきそうな睫が、大きく見開かれた瞳を飾っている。 「どうしたの」 ほんの一歩ぶん、先に進んでしまっていた彼が帽子をおさえながらすぐさまやってくると、はるは微かににこりと笑い、視線で元凶を指し示す。つい素直につられて見やった場所に咲く、桜に染め抜かれた綺麗な爪に、彼は一瞬見とれそうになってしまったけれど。なんとか目を引き剥がして、促された先を見つめる。 小さな彼女のちいさな手の平。そこでばらばらになっている何かの欠片。触れればとけてしまいそうな、淡雪の大地めいたはるのたなごころを彩る控えめにあざやかな飛沫。
砕けたピンクのプラスティック。 おもちゃみたいな金色の小さなバネ。 とりどりのビーズで出来たあまいさくらんぼだけが、妙にきれいな形で残っていた。
それらをよくよく眺めてみて、無言のままで、かちゃかちゃと頭のパズルを埋めてゆく。じっくり見入って何やら考えている夕立を、彼女はほのかな微笑のまま待っている。しばらく経ったあとで、ようやく言葉がふたりの間でうまれはじめた。
「―…きみの、髪留め?」 「うん。あたり。」
ゆっくりと訊ねる夕立にはるの、ぴんぽん、とでも言いたげな明るい声が返ってきた。さも楽しげな様子で笑うはるに、彼も薄い笑みをまとわせる。 通りで見覚えのある彩りだと思ったよ、と夕立はしみじみ感じた。ピンクに、金色、そして何よりさくらんぼ。ずっと静かに考え込んでいたのは、この三色の織り成す存在が、どうにも記憶に引っかかってならなかったから。見たような、知っているような、と。そして様々の情報をぱきぱきと組み合わせてゆき、やっとこさ気付いたのだ。 ああこれは。いつも彼女の髪を飾っていたものではないか、と。
はるの髪はくるくる踊りふわふわ躍る。黒くやわらかく舞うそれを、本人は気にしているのだが、夕立はむしろ微笑ましくおもう。そんな髪であるからして、風の誘いにいと乗りやすく、すぐさま空に遊ぼうとしてしまう。だが奔放なじゃじゃ馬をあっさり見過ごすわけにはいかないので、全ては無理でも多少なりともなんとかおさえるべく、小さな髪留めを両耳の前辺りにちまり、と付けているのだ。 黒髪に映えるピンクとさくらんぼ。じっくりじろじろ眺めた事は無いけれど、いつもいつも彼女に華やかさを添えていたささやかな髪飾りを、夕立は無意識のうちに記憶へ刻んでいたのだった。 時折幽かに、ちゃらん、と音を立てていたそれが今。砕け散っている。
「壊れちゃったのか…」 「そこそこ長く使ってたから、もう寿命だったのかも」 「お気に入りだったね」 「うん。でもかたっぽだけになっちゃった」 長く彼女と共に在り続けていたものの欠片が、薄雲越しの陽光を浴びてぽんやりと照らし出される。手の平のものを眺めるはるの眼差しもそんな風で、口元を微笑みの形にはしているが、わずかに伏せられた瞳はどこと無く春霞めいた物憂いものを含んでいる。 ずっと、ずっと親しんできた大好きなもの。あるのが当たり前だと、すっかり思い込んでしまっていたもの。しかしその片方は砕け散り、遺された片翼のさくらんぼが、ちり、と寂しげに風にないた。 「もし直せるなら直したいけれど…こんなにばらばらじゃあ、ちょっと無理みたい」 ぽつり、と呟くと、もう一度甘い残骸を見やる。そこに散らばるのは、彼女が慈しみ、鏡をのぞいて髪にぱちりと留めるたび、口の端に深い笑みを与えてくれたもの。 欠片を手にしていない、自由になっている方の手が、自然にそっと残りの髪留めに触れる。意図も何も無く、体がそうしたように、さらりと流れるような動作だった。桜がさくらに届く。 「ごめんね」 それは自らのたなごころに鎮座するさくらんぼの残り香へか、それとも耳元で囁き続けているさくらんぼへのものか。夢遊のごとく放たれたのであろう言葉の真意は、彼女自身にもわからない。 ただわかるのは、瞳を淡く覆う霞。 はるの表情に気付いた夕立は、く、と拳を握り締めてわずかに眉根を寄せると、無言のまま足を踏み出した。
「新しいの、買おうか」 そっと彼女の側に立ち、ゆったりとした調子で切り出す。視線は柔らかく、欠片たちに注がれている。 思いもよらない提案に、驚いたはるは顔をあげ、びっくりのあまりぱちくりとして瞬きもしない双眸が、夏空と夕立を映した。眼差しの行き場所をゆっくりはるに向けた彼は、彼女の真ん丸い宇宙の中に横目でおそるおそる進入しようとしている自分をみつけて、軽く微苦笑してしまう。けれどもそんな顔すぐさま打ち消した。 からかうような、不器用なウィンクひとつなんてしてみせて。 「僕の奢りで、ね」
一瞬ぽかんとして、状況を上手く飲み込めていないように見える彼女。限界ぎりぎりまで見開かれた大きな瞳は、時間が凍りついたよう。こころの奥でも何かが凍り付いているかのよう。 でも、彼が。夕立が、とてつもなくぎこちない、だけどまるで子供みたいにお茶目に、片目なんて瞑って微笑みかけてくるものだから。真夏の氷なんてあたたかくとろけてしまうのが、当然の節理といえた。 強張りかけていた花の唇が、ゆっくり、ゆうぅっくり、したたる蜂蜜のように、ゆっくり、優しい弓に。そして、やわく細められた瞳が真空の吐息を灯した。 眼が繋がったまま、彼は彼女の手を取った。
その場所は夕立にとって、明らかに未知の地だった。そういう意味においては外国やら異星などにとても近い。なにせ空気の成分さえ違うように感じ取れるのだから。その、かなり免疫の無い、むせかえるような香気の満ちる店先で、ふたりはぱたりと足を止めた。 けほ、とはるに気付かれないよう軽くせきを一つする。 「ここ?」 「うん。ここならきっと、あると思うの」 にこにこ顔でそう答えると、彼女は店頭にせりだしたテーブルにそっと体を近付けた。そう広くも無い空間は、夕立にはそれこそ不可思議な秘宝の在り処に見えた。 きらきら。ひかひか。馴染みなんてあるわけない、電灯に照らされ煌く装飾品の類。しかしそれらは決して高価なものではなく、むしろ安物と呼称されてもいなめない代物ばかりだった。
むやみに光を反射するプラスティックの嘘っぽい輝き。 どっちゃりと付けられた、明らかに偽物である宝石の軽さ。 かちゃかちゃ乾いた音を立ててぶつかる金属のうすっぺらいこと。
そんなものらを手に取り、ためつすがめつ品定めするたくさんの女の人たち。真剣だったり、笑顔だったり、きゃあきゃあと何人かで騒いだりしながら。何が楽しいのかさっぱり分からないのだが、どんな表情をしていても、何故だか彼女らは大変しあわせそうだった。それはこの場所の空気によくあらわれている。 首を傾げたい気持ちになりながらも、流石に行動へは移さず。自分がどうも相応しくない空間に感じられて仕方がなかったので、夕立は少し離れた場所からのんびりと観察していると、ふと聞き慣れた声に顔を向けた。はるが軽く手を上げて、こちらに向かっておいでおいでしている。 研究をそこそこに切り上げると彼はゆっくりと歩みを進めた。
「これ、どうかな?」 夕立の様子をうかがうようにして、上目遣いで訊ねてくる。手の平の上に乗っかっているものを細い指でつまみ上げると、彼にもよく見えるように、くるりと回してみせる。その際照明を受けたやすっぽいはずの髪留めがきらりん★と輝いた。 はるが選び取ったのは、ごてごてとした飾りのほとんど無い、すらりとしたもの。前につけていたのは、わにのくちみたく、ぐわし、とかみ合うタイプのものだったけれど。新しいこれは、鳥のくちばしをうんと長くしたのみたいだった。 ゆるやかな曲線でのびてゆく白銀が、ほのかな薄花お化粧でおめかしして。ちらほらと咲き零れているのはニセモノ螺鈿のちっちゃな桜。 店の中に置いてある品の中では、ずば抜けてシンプルな子。他のびかびかとした光に押しつぶされてしまいそうな、その小さな髪留めを、彼女の指先はそっと探し当てた。 それがなんだか、とても彼女らしくおもえて。ぱちりぱちりと大きな瞬きをさかんに繰り返しながら見上げてくるはるをくるむように。笑んだ。 「いいとおもうよ」
レジのおねえさんに、ちゃりんと髪留め差し出して(もちろん二つ!)ぴろぴろとデジタル表示され、さらに口でも求められた値段を素直にわたす。ややおおきめのお金で払うと、おつりがどっさりだった。じゃらじゃらたちをなんとかお財布にねじこむと、手に入れた小さな紙包みを、ずうぅっと横で待っていた彼女にぽん、と手渡した。 「はい。これで良かった?」 良かったも何も、最終的にいい、と言ったのは彼だから、とっくに相手の意見は心得ているはずなのに。それでも訊かずにはいられなかった。 「うん。これで良かったの」 彼の淡い訝しみなど全くとおい答えで大輪の花を咲かせる。手にした茶色い紙袋を、何より大切な宝とばかりに抱き締めて。 でも夕立はそれでもなんとなく納得できなかった。分かるような分からないような。てくてくとふたり、歩きながら、彼は首を傾げる。 「だってこれ、凄く安かったよ?二個で二百四十円って」 税込みでも二百五十二円…とぶつぶつ呟く夕立のお財布の中では、おつりの二百四十八円がちゃそちゃそゆっている。
細かい持ち合わせが無くて、五百円で支払った。そしたらえらく大量に小銭が押し寄せて、こっそりびっくりしたのだった。おつりぶんでもうワンセット買えてしまいそうな勢いだったから。 まあこれで『細かい』のができて良かったかなあ、とも思ったけれど、中身とはずいぶんかけはなれた意味でお財布が重くなった。
「もうちょっと豪華なのでも良かったのかな。きみに見せられた時、僕値段とか全然見て無くて気付かなかったんだ」 そもそも相場なんてものも知らない。知りようが無い。普段これっぽっちもはるはモノなんて欲しがらなくて、だから誕生日くらいしか贈りようがなくて。だから今回奢りだよ、と口にした時、ちょっと誇らしげな気持ちさえおぼえたというのに。結果が二百五十二円(税込) やれやれと、自分の注意力の鈍さに軽い溜め息をつきつつ、空を見上げると、太陽がじわり、と網膜を焼いた。 そんな彼に、はるはただ、『これがいいの』と微笑むだけ。 守護者がお留守になってしまった片側の髪が、ふうわりと舞い降りてくる。新たな守護者は彼女の胸元で目覚めを待って、呼吸している。
ちらり、と彼女を見やる。少し下にある、横にいる、彼女の姿を追う。 はるはにこにこほくほく顔で、ぺらぺらの紙包みを胸に抱いている。夏の陽射しなんて知らないような雪白の肌は、頬を水蜜桃に上気させて。角度によって灰色を帯びる黒い巻き毛がそれを鮮やかに浮かび上がらせている。たあいのない、本当にささいなことなのに。
まあ。いいか。
そう、結論付ける。単純だとは自覚している。のんびりと笑みが生まれてくる口元をそのままにしておく。 あんな小さな硬貨一枚で。指ではじいたなら、簡単に宙を舞うであろう一枚っきりのもので、彼女があれほどしあわせそうに居てくれるのなら。他にもうどうでもいいや、と思って笑う。 こんなことできみが微笑うのなら、いくらでもしてみせるのにね、と。
穏やかな波が、たぽん、と彼女の小さな胸を満たしていた。一足ごとに軽くなるアスファルトはトランポリンみたく。とてもとてもうれしいの。 かさかさの包装紙は熱なんて持っていないけれど、胸元にしっかり抱き締められたそれは、鼓動くらいなら宿していそうだった。中で揺れているだろう新しい髪留めは、途方もないよろこびをもたらした。 値段なんてどうでもいい。意味をもつのはその在り方。
あなたは知らないものね。あの髪留めの意味を。
教えない。だってずっと秘密にしてきたのだから。こっそり隠し抱き続けたひとりやくそくは、彼にだって誰にだって教えないもの。 ぱきん。と、軽い音を立てて砕けた髪留め。それは彼女が、彼と会うときに『だけ』つける、たいへんたいへんトクベツなものだった。
つけるのはよろこび。 だってそれは、あなたに会いにゆくことを意味しているから。
鏡の前でひとりうれしい。誰にもみせない彼にだけ見せる、ちりちりこそばゆい小さなさくらんぼ。それが壊れたとき、はるが受けた衝撃は、実はかなりのものだった。 耳元に飾る時間はある種の儀式だった。何者にも侵されないとても神聖なもの。だが中心にずっと存在していたものがなくなった時、自分でも子供っぽいとは思いながらも悲しみを隠し切れなかった。 そんな時に。夕立が不器用なウィンクなんてしてみせるから。
あなたの手で。あなたがくれた髪飾り。
さくらんぼは壊れてしまったけれど、それに勝るとも劣らないものが、笑顔と共に手渡された。 だから。これがいいの、と微笑うだけ。
その夜。傷一つなく輝く髪飾りが、かぽん、と小さな箱に収められた。同じ箱の中には、やわらかなコットンにつつまれた、傷ついたさくらんぼも、昏々と眠りについていた。
トップからリア子祭りバナー撤去。いもうとぎみ、ありがとうございました。 それから通販のお知らせ復活です。
こんばんわ、朝からもう何が何やら。萌黄です。 萌黄は、いつも目覚ましに音楽をかけています。 曲順プログラムしたり、そのまま流したり、していて。 けれど最近趣向を変えてみて。シャッフルをかけてみました。 萌黄編集MD、ORANGENOISE SHORTCUT SPECIAL TRACKS。 因みに今の所全十五曲です。それに。シャッフルをかけて。 本日の目覚め。
一曲目。 Homesick Pt.2&3 –game size-
ポプ5収録版の短い方です。 朝から半泣きで意識覚醒。思い出してどうしようもありません。 しかし跳ね起きるには余りに苦しすぎました。 この曲は短いです。ので、ベッドに伏したまま、次の曲を待ちます。 二曲目で、体を起こそうと。 そしてシャッフル。
二曲目。 Homesick Pt.2&3 –full size-
ポプ5サントラ収録のフルサイズです。 追い討ちです。起き上がりかけたのにすぐさま崩れ落ちました。 掛け布団に顔を埋めながら暫くうずくまっていました。 この時点で頭の中はもうこんぐらがりまくりです。 二曲目終了した後、思わず停止をかけます。 落ち着いて、落ち着いて。繰り返しながら、たっぷり時間をかけて立ち直り。 再生を押して。
三曲目。 Homesick Pt.2&3 –full size-
……………
―…あなたは。何をさせたいのですか。 ただでさえずっとずっとずっと泣かされているのに、これ以上何を? おかげで朝から目眩がして、鼓動はおかしく。苦しくて。 どうしてこんなにくるしいのかと思うくらいにあなたが溢れて溢れすぎて。 どうにもならない、どうしようもない。 何も考えられなくて手につかないったらありません。バイトしていても。 『♪仕事もうわの空…もうオトナなのにね』byパーキッツ な、感じです。この身をもって体感してしまいました。 あなたが満ちすぎているのです。
とまあ、こんな今朝の出来事を友人連中にメールで言うと。 『ネタにしかならないね(笑)』 『それをな。幸せって呼ぶんやで』 『何もかも愛のせいさ!ほとばしる愛のせいさ! 地球も救うとされる愛のせいさ!さ!!』 頼むから皆真剣に捉えてください。こっちは真面目です。
余りに朝からこんな風だったので。 つい、帰りにゲーセン行ってしまいました。 そして無理を承知で選んだ曲は。 Homesick Pt.2&3 Long。ハイパー。 何度も何度も叩きましたずっと。ねえガールオブガールズな娘さん? 叩きすぎて選曲順位が二位に上り詰めた事もありました。 そんな曲。好きな。好きな。
結果。『クリア』。
やっと。一緒に、薔薇、撒けました。 ありがとう。だいすきです。
他に書きたい事いっぱいあるのですが、今日は無理っぽいです。 アルとかアルとかアルとかそりゃあもう語りたいのですけれど。 それはまた明日。バイトも前半戦終了で、暫くお休み。 学校が始まるまでの時間をゆるやかに過ごしたいです。 あなたを浴びながら。
2003年09月11日(木) |
メレンゲにバニラエッセンスを落すように |
だから諦めろというに。いえ、確かに諦めてはいるのですけれど。 時折予告もなく思い出してしまっては嗚咽を押し込めるだけです。
こんばんわ、週末はお菓子を作ろう。萌黄です。 ばらばらと零れ落ちることばとおもいの行き先に瞼を下ろして。 おもうことがありすぎてどうしようもないので、お菓子を作ろうと思います。 小麦粉はもう少ない筈、お砂糖もきれかけていて―― チョコレートを使ったものが良いです。甘い甘い。 負け無しきなこクッキーのチョコレートがけ? 世界最強お手軽パウンドケーキ? 手間はかかっても好評のマシュマロサンド・ココアクッキー? チョコブラウニーを作るには、角型がありませんし。 ココアプリンにするならヴァンホーテンココアを買わないと!(笑) 抹茶クッキーだとホワイトチョコとマカダミアナッツが必要。 さあ、何を作る?
ショコラを読むと、やはり無性に作りたくなります。単純。 甘い錬金術。やさしい鼓動を取り戻すため三角巾をしよう。 いつまでもこんな気持ちのままで居ればきっと何もかもが悪い。 甘い魔法。誰かに贈る前に自分のために。 でも萌黄が作ると何故か大量になるのですよね……。 台湾から姉が帰省した際、頼んでいたドライフルーツをお土産にくれました。 しかしそれらは萌黄の予想とは違い、見た事も無い謎果物で。 どんな味やら想像もつかない代物が、現在冷蔵庫に眠っています。 チョコレートも良いですけれど、これを使ってみるのも良いかもですね。 ドライフルーツいっぱい入ったパウンドケーキが美味しそうです。 ちょっと小さめに作って、そのぶん一枚を分厚く切ってみたりしたらそれは。 そしたら三時にバニラといちごのお茶を入れましょう。 お砂糖落したり、蜂蜜垂らしたり。 ハニーレモンを横に添えても素敵かもしれません。
モノリスの公式がやっとこ改装終了したのが嬉しかったり。 まだかなあ、まだかなあ、と思っていて漸くだったので。 とか思っていたら『遅れてすみません』のような文章があったりして。 思わずくすりと笑ってしまいました。 モノリスさまの、こういう所好きなのです。 採用情報の所もやたらに笑みを誘われました。 文章の端々がとてもやさしかったので。 一生懸命さが温度のように伝わる、やさしさ。 細かい所まできちんと説明されてフォローされて。 だからこうも好きなのですよね。もう、血肉のように体の一部。 ゲームショーが恐いながらも楽しみですよ。 クリスマス商戦、間に合うと良いですね(笑) 出来うる限りの速度で構いません。早く、ことばをくださいな。 エピ1の時みたく。素敵な言葉をたくさんください。
『世界征服だって出来る』と誰かさんに言ったのは、文字にした数日後の事。 続きに『だけどそうしないのはその気じゃないからだけ』と書いて。 だってこの身に広がる小さな世界はとっくに征服されてしまいました。 いつもいつでもあなたに溢れてしまって。 世界は征服出来るけれど、自分を征服出来ないだなんて!
無意識のうちに気付いてしまう事が涙を引っ張り出そうとします。 不自然なスケジュールの空白(二ヶ月前から決めていました) 新幹線が大増発なんですってね(東の地に、新幹線で行くつもりでした) 暗い気分を振り払う為、MDにシャッフルをかけてからボタンを押しました。 けれど一曲目Homesick Pt.2&3で余計沈没。また思い出し泣き。 さらに二曲目Simple Sample#01で追い討ち。復活不可。 何故…何故こんなに泣かしますか!! しかも何この組み合わせ、シャッフルなのに。 三曲目が始まる前に、電源切ったのは当然の成り行きです。
2003年09月10日(水) |
きみのハートにズギャン |
鋼のCMが全十五種類あると知ってびっくりです。どれだけ作りますかボンズ。 曲はイコの大島さんでつくづく豪華キャスト。でもま萌黄はアルが(以下略)
こんばんわ、そろそろ立ち直り始めたかと見せかけて、な萌黄です。 昨日で一応踏ん切りがついて、諦めて。 素直にしあわせな方々を喜ぼうと思っていました。 なのに。 ―…どうして夢にまで出るかな(苦笑)
夢の中で。ライヴ前日の夜、東京で。 きゅうきょチケットが入って行ける事になった夢を見ました。 藍色の光景にずっとずっとかの方の音楽が流れていました。 涼やかにぬるい。あんなよろこび。 ものの見事に夢見てしまうだなんて。 この諦めの悪さは最早病気なのやもしれません。 まあ。しかし。 夢の中でもあの音楽を浴びる事が出来たのは、至福でしたけれどね。 Erimbaさん曲収録のコンピ、出たら即買いしますから。ええ、当然!! 『耳の中へ』希望ー…。
因みに一昨日も夢見ました。 それは、田中邦衛のおっちゃんがターミネーター4の主演をする事になり、駅地下のドラッグストアや本屋さん辺りではっぴ着て笑顔で『よろしく!』と宣伝している、という内容でした。 自分でも全くわっけわかりませんでした。分かっても困りますか。
昨日あれだけきれいなものを並べていて。 それでも結構書き忘れがあるのに気付いて悔やむ事しきりです。 また今度、機会があればのたのた書いてみたりしようかと。
2003年09月09日(火) |
闇の中掌から零れ落ちる降りた瞼の向こうの光 |
きれいなものを並べてみます。今までが汚すぎるので。 並べたところで目の前にドリル突き出されるわけでもありませんし。
きれいな言葉だとおもうものは、音楽とも繋がっていて。 それ単品での美しさを更に引き立て薫るほどに胸を揺さぶる。 いつの日か。ふと気が付くとそうなっていました。 先ずはゲームから。
『まどろむ大地に 踊る夢は やがて虹色に 明ける空を彩る』 神の揺り籠/FF Vocal Collection2 元はFF6のリルムのテーマ。この一節に負けないことばをいつか紡げればと。
『IDOLEM URODO IATU A WI ROT』 はるかなる故郷/FF Vocal Collection2 元はFF5のはるかなる故郷。原曲は萌黄の中で生涯リピート可能曲。
『緑のクローバー ほおづえついて 消えたハミング A pris du ‘the!』 マリンドライブ(ピアノロック)/ポップン8 きれいなのですが、いまだにフランス語部分が読めません。発音不可。
『2人きりの観覧車 とてもきれいなレストラン 少しせまくて 超ドキドキの彼の部屋』 Secret tale(ソフトロックfrom 2DX)/ポップン9 敢えてこっち。dj nagureoノロケ炸裂。作曲旦那さん作詞奥さん、初デート。
『I love you,baby I want you,baby honey voice said me”chocolate is trump”』 GOODBYE CHOCOLATE KISS(チョコポップ)/ポップン9 『好きで好きでたまらないあなたは ハニーボイスで言うの“チョコレートは切り札さ”』
『水色の玉響ぞ何故この身に幾度も』 たまゆら/ギタ8ドラ7 最後にクエスチョンマークがついていないので効果倍増。
それからゼノ曲、加藤正人氏の歌詞すべて。選ぶ事が不可能です。 氏の歌詞は断片としてでなく全体で全体が存在しています。 一言たりともそこから抜き出す事は出来ません。 最初に挙げた二つは、本当にずっとずっと好きなもの。 はるかなる故郷なんて何度聴いたものやら、我ながら呆れるくらいです。 今でも思い出せます…あの小さな村に足を踏み入れた時の衝撃ときたら。 一生ここでゲームの進行を止めていたい、とさえ思った音楽でした。 なので、後半のあの展開に悲鳴を上げたのは言うまでもありません。 因みにFF5はいまだクリアしてません。 足掛け三年以上のデータが消えたあの日から。約八十時間が消滅。 あと、チョコポはゼノバレンタイン企画発足の起爆剤となってくれた曲です。 次はゲーム以外の曲からきれいな。
『貴方の腕が 声が背中が ここに在って』 眩暈/鬼束ちひろ やられた、と思いました。いつか使いたかったフレーズがこんなにきれいに。
『強い光は影を焦げ付かせて冷えた さよなら可愛い夢』 ポロメリア/Cocco うたうことしか出来なかった、裸足で駆けていった傷だらけのバレリーナ。
『理論武装に笑顔は不可欠ね コンマ打つときにコツが要るのよ』 RALLY/Cymbals お茶目で堅苦しいのに可愛らしく。凄いバランス感覚。
『夜が来る前に言うよ まとまらない言葉で 少し長いから聞き流してもいい 君への想いを』 風の午後に/Lamp 押し付けがましくなくさらりと流しながら温もりがたゆたう。何て心地よさ。
『ピンクのチューリップに黄色いめだまやき それで私はきょうもしあわせ』 ピンクのチューリップに黄色いめだまやき/EeL あなたにおもわれて、わたしはしあわせ。 あなたをおもって、わたしはしあわせ。真理。
『さあ明日の噂話をトラックに載せて 風に乗せて薔薇撒くのさ 誰の計画?』 『そしてホームシック笑いながら人々は迷う』 『行き先はそれぞれさ 皆、旅の途中なんだから』 『風に乗って羽ばたくのは 烏の計画』 Homesick Pt.1/orangenoise shortcut 焦がれてならない一番最初のホームシック。 文字として書き起こした歌詞がどうしてこんなに美しいのでしょうか。 いつもいつも泣かされているのに、あなたはあの日奇蹟の薔薇を撒きました。 それにまだ満たされ続けていて。 ―…いえ、満たされ続ける事を求め続けていて。 おかしいあたまも、からだも、全てがとぷん、と底深く。 水没して浸りきって肺の奥まで空気を押し遣ってまで。 遥かで煌く水面が遠いです。完璧としか評しようがない音と言。
ひょこひょこと文章を書いています。行き詰っていたオリジナル話。 きれいなものを思い出しながら、おそるおそる紡ぎます。 自分が汚いからといって文章に汚さを滲み出させてしまってはいけません。 エーリッヒおじさんはそうして居られましたから……。 歩いてくださいな、指先をつかず離れずのおおきなこどもたち。
そして、鋼のCMでアルの余りの可愛らしさに癒される日々(笑) ああアル可愛いなあ…なんて可愛いらしい鋼の子なのでしょう……。 DVD初回特典(気が早い)で等身大アルフィギュアとか出来ないでしょうか。 友人に言ったら『でかすぎるからダメ』と言われました。 大きければ大きいので、中に猫入れたり中に入ったり出来ますのにね。 とにもかくにもアルラヴ。CM見ていてもエドは完璧に視界入ってません。鬼。
2003年09月08日(月) |
明日は『きれい』をならべよう |
まだ。まだ吹っ切れない。なんて諦めも頭も悪いのでしょう。 まだ。まだ叫ぼうとする。喉なんてもう最初に嗄れてしまったのに。
こんばんわ、色んな相乗効果でえらい事なってます、萌黄です。 断ち切れないこの往生際の悪さにいっそ往生してしまえとしみじみ思います。 一時間以上に渡って友人に愚痴聞いて貰っても駄目。 気晴らしゲームもする気になれません。 本を読んでも現実逃避で音楽聴いても苦しいだけ。 ああ。どうしろと。やはり往生してしまえと。
ゼノは奪えるだけ奪い、与えるだけ与えてくれました。 でもこの状況は違います。 与えてくれる。息もつまるほどありあまるくらいに。 けれど確かに奪われない。奪ってくれません。 同じ数だけ奪ってくれないのです。 これは奪うのでは無く、分散。 与えられるたびに体がどんどん分散して消えてゆく。 しかもその行き先は全く定かでは無いのです。ただただ消えてゆく。
自分の醜さがどんどん表面化してきて吐き気すらおぼえます。 どうにか落ち着かないと落ち着けないと、と思い続けて。 昨日はちょうどお昼ご飯にホットケーキを焼いたので、 ふいに思い立ちお茶を淹れる事にしました。 久し振りにガラスのお茶器を取り出して、予め温めておいて。 ティーバッグを入れたら周りを覆って少し経ったら出来上がり。 オレンジのお茶。 お砂糖を落しつつ、黙々と食べたり飲んだりしていて。 ぼおっとすればするほど気分は落ち込むばかりの嫌なメビウス。 両手でつつんだガラスから伝わるぬくもりも何処かあやふや。 結局晴れやかなものの訪れないまま、溜め息交じりでフォークを置いて。 残り少ないお茶を飲み干そうとして、ちょっと空中にあげてみて。 そしたら。
太陽越しの、なんて綺麗なオレンジ色。
さっきまではカップにたっぷり入っていたので気付きませんでした。 それが少なくなるにつれ、どんどん色を濃い印象にしていって。 底にとぷん、とたゆたう夕凪の使者。 ふと目をやれば、ばっちり完熟の最高に綺麗なオレンジの色。 目が覚めるほど鮮やかな。
そうしてどんどん思い出す事。口内を満たすあまい味に滲む視界。 嗚咽なんてばからしい。だって天罰の下ったあの日に、こどもみたくさんざ。 でも思い出すあの夜触れた。わくわくしながら口元へ運んだ味。 これは嘘ではありませんでした。 あなたと同じ名前をしたカクテルも、あまくてとても美味しかった。
今朝、ばかばかしいくらい跳ね上がった心臓はあづまぢへ至るホームシック。
2003年09月03日(水) |
ぬばたまレストインピース |
まだ言葉がつまります。濁ります。紡ぐ前に溢れるのは恐れ。 今たとえ放ったとしてもそれは吐瀉物に過ぎません。暗いですよ今日はー。
こんばんわ、何がなんだか、萌黄です。 長らく居留守していて(最低)すみません。 何せ。今は、きっと汚らしい言葉しか書けないと思ったので。 まだ、よごれていますけれどね(苦笑)
新幹線の映像を見るだけで苦しい。 ぽっかりと数日だけ空けておいたスケジュールの空白が苦しい。 わくわくと楽しげな知らない誰かの声が苦しい。 嘘吐きな自分への憎悪と望みすぎて与えられた罰を思い知るたび左胸が重い。 いっそ塩の柱にでもなってしまえれば。
ああぐるぐるする。それでもここ数日多少マシにはなったのですが。 しあわせな筈なのに。きっときっとしあわせだと云うのに。 貪欲に。餓鬼めいてまだ求める。吐き気がする程のワガママ。 こんなおもいを抱く事自体が罪に違いないのに。 どうして幸運な誰かの嬉しい報告を共に喜べない。 醜い目をして不自由な顔を歪めてまだ手を伸ばそうと。 わるいことを願う。『あなたのばしょをちょうだい』。 そんなだから碌な言葉なんて紡げやしない。 だからこんな低脳で何も生み出せない。
わるいこと。わるいこと…。 心臓を殴りつけてワガママを少しでも追いやろうとする。 そして漸く多少、おとなしくさせて。それでもまだ音を立てる泡。望み。
角砂糖になってミルクにとけてしまえばいいのに。
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