それでも 叫ぶしかないの
だって
痛いけど 苦しいけど
叫ぶいがいに するほかないのだもの
叫ぶの 私の心に どうか私を見失わないで
まるで子守唄のように あなた語るの この心で
私の心をそのままに 嫉妬とか そういうものに負けないで
私の心をそのままに どんな黒いフィルターもなく
そのままに
寂しさとか 虚しさとか 怖さとか あなたも持っているんでしょう
攻撃したりしないよ
私は私に叫んで 私はあなたにささやくよ
びりびり びりりり
薄いわらばんしのような なにかが引き裂かれる
びりびり びりびりり
びりびり びりりりり
はらはらと舞う断片 地におちたいびつなかけら
ぽろぽろ 涙を落としながら見つめて それらを必死にかきよせた
両手に抱いて あたりを見まわす
はやく はやくくっつけないと とんでいってしまう こわれてしまう
そこにあった セロハンテープ
血のあふれる傷口に 包帯をぐるぐるとまくように あわてて
けれど ゆっくりゆっくり すこしづつはっていく
そのセロハンテープは やさしい記憶を思い出すたびに つかうことができるから
思い出して 思い出して やっとくっついた
つぎはぎだらけだ セロハンテープだらけだ
だけど ハート形だ
かんたんに引き裂かれて くっつけて またやぶかれて くっつけて
まるでわらばんしでも扱うように びりびり びりびり
くっつけて
びりびり びりびりり
またくっつけて
2008年08月18日(月) |
私が わたしであるということ |
それは 愛する人のために すべての時間を費やすこと。
それは 愛する人の腕の中で 毎日眠りたいと思うこと。
それは 愛する人とつねに 一緒にいたいと祈ること。
それも人の在り方かも知れない
けれど
それでは
私は わたしではないんだ
私が わたしであるということは なにより歌を歌いたいと願うこと そのために その願いを一番にして行動すること
私を愛してくれている家族が 私の願いを応援している
私を愛してくれている家族が 自らの願いをそれに置き換えて 私を信じて その先にある私の幸せを信じて 私の背を押してくれている
わたしは 続けなくてはいけない なによりも努力を
わたしは 信じなくてはいけない 歌を一生勉強する先の未来を
わたしは 忘れてはいけない わたしの誇りは 歌に対する曇りのない姿勢だと
わたしはその誇りなくしては 生きていけないのだと
誰か愛する人に甘えたいと願っても 私はその誇りを失っては わたしではないのだと
私が わたしであるということは つねに歌から離れられないことなのだと
私がほこりをもつことが わたしでいられる条件なのだと
まだわからない 社会のことなんて
まだうまくいかない 人付合いなんて
まだ自信がない 自分の能力に
まだ全然かせげない お金というもの
まだみえない 一生という人生
そして まだ なにも 守れない
だけどひとつだけ たったひとつだけ 23年生きた小娘がみつけた 真実がある
いちばんだいじなことは 大切な人に 寂しい思いをさせないこと
大切な人が 寂しくて悲しくて なんだかこわくならないように なんだか泣きたくならないように
いつも安心して眠れますように 暖かい布団のなかで あたりまえのように 明日のなかでわらえますように
悲しくて寂しくて 悔しくなって
自分の情けなさに 腹立たしくなって
ライバルがあまりに 憎くなって いや ちがう あの気持ちはそうじゃない あれは 羨望か それとも 嫉妬か
相手をおとしいれようと考えた
遠回しに たくさんの悪口を考えた まわりくどく おとしいれられないか考えた
考えついた言葉は まるで正論のようで 間違いではなかった
けれど 私はこわくなった 考えている途中 私の視界にはひとつしかない まわりがまったく見えなかった
それに… その悪口たちはすべて 私にもあてはまるものだった
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