好かれたいと思って言葉を発するのも 嫌われたくないと思って言葉をのみこむのも それは全部自分のためだけど
相手が欲しい言葉を私が発すことができたなら それは …優しさになるのだろうか あなたは今どんな気分で あなたは今どんな心で どんな言葉を求めているのか
なにがいちばん美しい在り方だろう
私は自分が、つまらない人間だと悲しくなることがよくある。 何も言えない、そういう臆病者だと思う。
私は鈍感だ。 たぶん、常識がない。 それは人とたくさん話すということをしてこなかったから。 「どのような言葉で、人が傷つくのかわからない」… いや、そうじゃない。 似てるけど、違う。ぜんぜん、ちがう。 「どのような言葉でなら、人が傷つかないかわからない」 どの言葉でも相手が傷ついてしまう気がするから、 なにも言えない。
私はどんな言葉でも、色々な方面から考えてしまう。 どんな言葉だって、見る角度を変えたなら、 善にだって悪にだってなりえる気がする。 常識があったなら、 「こういう場合はこうだな」ってわかるのに。 一つの言葉なのに、たくさんの意味の可能性を考えてしまう。 そのくせ、知識がないから、隠れた意味は知らなかったりする。
わたしって本当につまらないヤツだ。 自分で自分の言葉すら口にできないなんて。 いつも相手の言葉を疑って、あわてていて、 そのくせ気づけなくて、気の利いたこともいえなくて。 自分で自分が滑稽に思えた。
私は私のつまらない部分ばかり見える。 嫌なことばかり、後悔して、嘆いている。
でも、今日。 友達とカフェでコーヒー飲みながら話していて。 少し嬉しくなったのは。 その友達が、またその友達に私の話をしたらしくて、 すごく興味を持ってくれたみたいで。 どんな話をしたのかは聞いてないけれど、 「そうかぁ私にも興味を持ってもらえるような、 面白いとこがあるのかぁ」って思って。
わたしはわたしの中でしか存在しないように思えてしまうけれど、 知らないところで誰かが私の話をしている。 いま友達が話して笑っているかもしれないし、 いま家族が話して心配しているかもしれない。
たったそれだけのことなのに。 想像したら、とてもなんだか、嬉しくて。 私が私いがいのところで、存在していること。 地に足が着く感じがする。
せっぱつまる ああ 明日は歌いながら演技しなくてはいけない どうすればいいんだ わからない どうしよう どうしよう
泣きたくなりながら ベッドにもぐった
一晩寝て 朝になった 寝坊した
ああ あんなに不安だったのが馬鹿みたい なんだ できればいいだけのことじゃないか できたなら何の問題もないじゃないか
これこそ 最高にポジティブ
素直になれない。 私にはなんだか知らないけれど、変なくせがある。 言葉にはいろんな見かたがある。 表の意味、裏の意味、 そのままの気持ち、隠れた気持ち、冗談、嘘。 表の意味や、裏の意味は辞書をひけばわかる。 けれど、そこに埋まっている気持ちを拾うのは難しい。 だって、たくさん可能性があるのだから。 見かたの数だけ、意味の可能性がある。 私の変なところは、嬉しい言葉をもらって、喜んでいるのに、それを真正面から受け止められない。 言葉にこめられた心が、私にとって嬉しいものであったとき、私は恐くなる。 素直に受け取って「冗談」だった時を恐れている。 調子ずいてると思われてしまったらどうしよう。
ビクビクしている。 …臆病者なんだ。
嫌だといったところで なにも かわらない
嫌だといったところで なにかのうち どちらかを選ばなければいけない どちらも捨てられないのに
嫌だと叫んだところで だれも耳をかしてくれない
嫌だと嘆きつづけた なにもできないのに
それが本当の心 嫌だと言葉にしても なにも報われないけれど なにも解決しないけれど
それでも 嫌だと私の胸が泣くのなら 私は嫌だといいつづけたい
たとえそれで 矛盾がうまれるのだとしても
私は泣きそうになる うすぐらい黒の夕夜 街灯のあかりをうける木 なまあたたかい空気
ざわざわ 風がゆらすざわめき ごうごう 風がとおりすぎるだけ
ゆらす わたしを はこぶ わたしを そのくせ わたしは うごけない
あせる そして こわくなって わたしは けす こころを けす
けせないときは なく
2007年04月11日(水) |
少しわかるようになった |
善いか、悪いかは別として。 たぶん魅力的な人っていうのは、自然な人だ。 だれかの真似じゃなく、 こうしなくてはという強迫にかられもしなく あるがままにただの自分で立って、 その日その日の天気を楽しめる人だ。
おそい いつも
どうして いつも おそい
どうして いま 私は
おそい いつも おそい
はやく できるだけ はやく はやく
こわい。本当にこわい。
私は自分の理想になりたいだけであって。 優しくなんかない。 言葉に気をつけるのも美しい人でありたいだけで、 誰かのためなんかじゃない。
私は自分の理想になりたいだけであって。 しっかりなんてしていない。 たくさんそれらしく語るのは、 ただ言い訳が人より少しうまいだけで。 けれど、たぶん。 あなたは騙せない。
私はいつだって自分中心だ。 自分の理想を追い求めているだけの、猪突猛進だ。 まわりの景色なんて見えてやしない。 余裕のない、小さな人間。 私が美しい人間でなくなるのを恐れているだけの。
ああ、知っている。 私のなかにある、そう願う私は、 決して美しくなんかない。 本当はなに色だ。 私は何色だ。
わたしの周りにいる、美しい人たち。 あの人たちの心は何色だ。 彼らの言葉は美しい。 彼らの中にある心もまた、やはり美しいのか。
私の言葉は美しくても、 だがしかし、私の心は何色だ。
脳で制御しているだけだ。 私は私の言葉を、 「なりたい理想の私」で紡いでいるんだ。
私の正直はどこにある。 ぐちゃぐちゃだ。 たくさん、たくさん浮かんでる。 言葉がたくさん浮かんでくる。
一つの問いに、たくさん答えが用意できる。 いくらでも、作文のように、 正論も、誤りも、冗談も、いくらでも用意できる。
そして、 そのなかのどれが私の正直か、わからなくなることがたまにある。
それをあなたがいい当てた。 河原から、ひとつぶ、石を拾うように。
見透かされたとき、恐怖を感じた。 ばれてしまう。 私は美しくなどないということが、ばれてしまう。
見透かされそうで、こわい。 そして、幻滅されるのは、もっと悲しい。
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