私的正論。

2002年07月28日(日) 漂う。

この数日、特に。
仕事関係の人間と、携帯電話で連絡を取り合うことが増えてた。

何をしてる途中でも着信音が鳴る、てェのに。
最初は慣れなくてびっくらする。
基本的にはアナクロな人間の桜木。

けどまーじきに慣れてくると、今度は連絡が来ないと心配になってくる。

ここ数日、ますます物騒な事件もあったしナ。
逃走する凶暴な犯人を追いかけてあわや、ちゅう目に遭うてるかも、等。

で、着信音が鳴ると安心するっての。



人とつながってる感じ、てのは、老若男女シチュエーション関係なく。
人をウキウキさせるもんがあるんだろう。


けど。

そういう状態が長く続けば、損なわれてくもんも確かにある。






たやすく形になってるもんばかり。目の前に積まれてるとヨ。

見えないものを信じる気持ちみてェなもんが。
どこか馬鹿馬鹿しく思えてくることも、あんじゃねーのかナ。


そもそも心は漂うもんで。

容易に文字には置き換わらない。




昔。

いかがわしいてめえのことを、少しでも理解してもらおうと、ナ。
家人の家族に宛てた手紙の下書きを、必死で書いてみたことがある。



けど。

書けば書くほどウソに見えて来る。
気付けば額に汗が滲んでた。

ウソなぞ一つも書く気はねーのに、この指が。
余計な修辞云々じゃ無く。

ホントの心すら、うまく伝えてくれねーような。
ますます相手を疑心暗鬼にしちまうような。
ますます相手を「だまされてんじゃねーか」て気にさせちまうような。


そんな風に思えて来てナ。

結局その手紙は、出さなんだ。ツラ見せに行って。
むしろ書き文字にしたら死ぬほどウソくせェようなこと、面と向かって、言うて来た。






言葉。

特に書き文字は。

結局フリーズドライだ。読んだもんの胸が、瑞々しく蘇らす。








だからヨ。

読み間違えられちゃたまんねーような大事なことは、書き文字にゃできない。
したくない。

それが普通の感覚なのかもしれねーと思う。




携帯電話で連絡取り合いながら仕事して。
いろんな人間の手を借りて責任ちゅうもんを滲ませてく。

仕事だから。
金が動くから。
一人じゃ負いきれねー責任が滲んでく。



けど。
誰より大事な誰かに贈る言葉ってのは。そういうもんじゃねーだろ?


いくつになろうと。
達者になろうと。

心は漂い。
書き文字は危うい。


捕まるような、捕まらねーような。
くらげみてェな、てめえの心を。

逡巡とか。
指の動き。
そういうもんに乗せて伝える技術を。





奪うな。

文字に頼るな。頼らすな。


携帯電話。



2002年07月23日(火) 謝罪の心理。

オハヨウ。眠ィ。

おい何でそんなに早起きなんだヨと。マイ登録づきあいの御仁は宣うか。





いやナニ。早朝、小僧のイタズラで起こされてナ。家人はパニック。

いたずら盛りってのは、なんとまぁ目が利くわ、知恵を働かせるわだ。
わりに高いトコに置いてあったはずの携帯電話。親が寝コケてる間に取り出した。

でヨ。そのイタズラへの気付き方が、またマヌケ。この親ども。

家の電話がウルウル鳴って、ナンダよこんな朝っぱらから! と受話器を取った。

無言電話か?!

と一瞬思いきや。遠くのほうから「もちー。もちー」。聞き覚えのある声だ。





ナニ。ふと見たら、小僧が携帯持って、立ってんの。

家人が飛び起きて慌てて履歴見て、青ざめてたネ。





「イヤー! ※野さんとこかけてるーー!!」て。





普段よかだいぶん早ェ朝飯の支度しつつ。家人がみるみるブルーになってく。

「どうしよう。何時頃なら失礼じゃないかな」
「今って、もう夏休みだから…!」
「あの人早起きだけど、きっとまだ起きてなかったと思う…」


発想が発想を呼びますますブルー。

が。突然家人が桜木に言う。

「ね。私、今。自分が許されるかどうかが気になってしょうがないのね」とヨ。








迷惑かけた相手には謝りたい。即刻事情を説明し「二度としませんから」とヨ。言いたい。

向こうサンにすりゃ、朝っぱらから起こされた電話でガキの「もちー」聞かされた日にゃたまらん。

携帯からの発信だしナ。発信元もわかってる。
幸いと。
かかったのは※野さんとこだけであったがヨ。

子の居る人とはいえ甘えちゃなんねーし。むろん平身低頭謝罪せにゃならんわナ。




けど。

家人が言うた「自分が許されるかどうかが気になって」てのが。

ヒットした。



そうだ。人が謝罪をする時は、双方のことを考えてするのが普通だ。

まず迷惑かけた相手に謝意を伝えることと。
迷惑かけた自分自身の価値を、相手に損なわせないため、誠意を示すこと。


相手のためと。自分のためだ。

それに気付くことなしにヨ。謝罪は「相手のためだけ」いう。それが偽善てもんじゃね?

てめえが可愛くねー人間て居んのかな。誰だっててめえが可愛いだろ。

その「てめえ可愛さ」が認められねーてんなら。




その関係は。しまいだナ。

そもそもどうしてつきあってたのか、疑問、てーとこ。











謝罪の達人は言うだろう。

「許してください」はおくびにも出さずにするのが、真の謝罪であると。

「あなたの気分がおさまらないと言うのなら、この首はねてください」くらいの。

それくらいのもんが、真の謝罪と言うだろう。




けど。

時に、自己評価の低すぎる人間は、

「自分みたいなもの、どうせ許してもらえない」

的な発想が始まるや。

ビクついて動けなくなっちまうんじゃねーのかナ。



それでますます、評価を下げる。簡単な謝罪の電話一本が、かけられなくなっちまう。

考えすぎ。そう断罪するんはたやすいんだけどさ。




そういう人間も居らーな。

確かに。そんな人間ばっかが友人だったら疲れるやも知れねーが。

ふと思う。

人と人がこじれる時の。そんな些細な「無言のマイナス指向ルーチン」。

桜木は、わりと「なー、お前今こんなん思ってるかもしれねーけど、それは違ーヨ」とか。
余分なことに気ィ回しても、そういうルーチンを壊しにかかる方。
相手のこねくり回った精神回路がわかってりゃ、出来ねーこともない芸当。

ただ。

万人がそれをしてくれると思うたら間違う。

目に見えることしか見えねーのが人間。
語られたことしか読めねーのが、人間だからナ。









「8時過ぎたら電話してみる。忙しくしてないかな…、してるかも」

家人、まだ言うてる。
とっとと開き直ってガラスの仮面でも鉄仮面でもかぶりゃいいのに。

なかなかそれが出来ない、そんなやつさ。





後にも先にも人は過ちを繰り返す生き物。
完全を目指しても不可能だ。
誰しも謝罪する可能性、される可能性を秘めてる生き物。

考えなしでイイ。ごめんなさいでイイ。


それなのに、考えすぎの悪ィクセは。

てめえの発想は気が利いてると思ったが最後。
相手の言葉の裏側まで、痛くもねー腹探り始めちまうとこ。


ごめんなさいの一言が、なかなか言えねーのさ。
ごめんなさいの、言霊を信じろ。



それにかなう謝罪の言葉なんてねーから。

※野さん、ごめんなさい、て。

心をこめて、相手に聞こえるように、はっきり言えばいい。












許されなかったらどうしよう、と考えちまうのも可愛い人間。
自分可愛さで、何が悪ィ?

なんかのトラウマ。自己評価の低さ云々。そんなんは、例えアリでも、関係ねェさ。

どっちが悪ィとか決められるもん?

おっちょこちょいを友達にしてた人間は、おっちょこちょい含め受け入れるべきだろう?



オイシイとこだけ取ってバカやればポイ? 要らねー人間?






なあ。

小僧の携帯イタズラ。親の桜木どもが全面降伏。こいつは簡単な話だが。

世の中にゃ、ねじれた謝罪関係が、ようさんあるナ?




謝罪が無ェ、謝罪が無ェ、と騒ぎ出す前。

ほんまに相手だけが悪ィかったんか、とヨ。
資料を洗い直しても無駄はねーと思う。

相手の立場を尊重出来ねー国やら人間に。


誠意なんて言葉。釣りが足んねェよ、お客さん。




2002年07月22日(月) キムタクにオネガイ。

家人がプリプリしてるんで聞くと開口一番。

「今時、地域の主婦で炊き出しって!?」

と言う。






なんでも地方に住んでる友人と電話で話していたら。

地元のじーさん連中が「いついつの防災訓練で、是非炊き出しを」と言い出したらしい。

「小さい子ども抱えて、大釜扱うなんて無理だし危険でしょ」

家人は、昨年息子を授かったばかりの友人を気遣っている。

「ド田舎はじーさんの権限が意味不明なまでに強い」
「私だったら消防署に苦情を言う」

と息巻く。



ああ。

かつて炊き出しにバケツリレーといや防災訓練の花形だった。
けどナ。今っての、自分のガキが小学校の授業中に「座ってられるか」すら危うい時代。

いざ災害、て時。てめえの家族ほっぽってバケツ手に走れる人間がどれだけ居る?

「防災訓練ですから集まってください」言われて素直にトボトボやって来る連中よか。
「防災訓練? なんかもらえんの?」言うてる連中に「普段から出来ること」ちゅうのを啓蒙する方が。



なんちゅうか。ずっと早道なんじゃねーのかナ。








それでなくとも東京駅で。
ナニ、人間として当たり前のことを当たり前にやった若者が刺されて亡くなった。

もっと気ィつけるべきだった? 赤の他人を信用し過ぎ?

けど。
日本の首都のド真ん中の駅で。人が刺されても人を刺して逃げても何も無い、ちゅう。


その恐ろしさ。






なあ。桜木は知り合いでもなんでもねーがキムタクにオネガイ申し上げたい。

あんた最近「バッキー木村」やってねーけど。あれ、家人がファンなんだけどヨ。



あの「バッキー木村」が胸に下げてるイカしたホイッスル。

あいつをヨ。
もちっと世間に流行らしちゃくんねーかナ?




人刺して逃げる犯人、見かけたら、せめてホイッスル鳴らしたい。
見つからねーように、物陰で。けど、人目を引きたい。何事ダ? て視線を集めたい。

災害で誰かが溺れた、誰かが何かに挟まれた、いう時も。

でかい音でホイッスル鳴らしたい。何があったかと。誰かが気付いてくれたら御の字だろ。




ま。

くだんの震災の時マスコミが飛ばしたヘリの轟音で。
人の悲鳴がかき消されたいうのは。有名な話。


そういう可能性もヨ。全く考えられねーとは言わねーけど。










携帯ストラップにホイッスルを。

電池じゃねーから錆びない限り、使えなくなることもない。

持ち主の息が続く限り鳴らせる、金属の力借りる悲鳴を。






そんな啓蒙。誰か、やっちゃーくれねーか。




とりあえず桜木は。

「バッキー木村」に期待かけてみてんだけど。



2002年07月18日(木) 遊ぼう。


落ち込んだ友人のことを考えていた。

姑に殺された嫁のニュースが流れていた。
お嫁さんにいじめられていたのです、とのコメント。おいおい死人に鞭打つか。

いじめられてる老人も居りゃいじめられてる嫁も居るろうよ。

なんだかなァと思いながらふと見ると小僧がニンマリ。




遊ぼうか。言うとますますニンマリ。

遊んでやった。遊んでもらった。チビと遊ぶとわかることがある。

心を添わせるのが遊び。心を見つめるのが遊び。相手一人に集中すんのが遊び。





たまには遊んでほしいなあと。家人が言うて、笑い、思う。





本当だ。遊んでないな。

遊びは良いな。

もしかすっと話を聞いてやるなんてよか。
ずっと力づけ勇気づけることかもしれないナ。




そうだ。遊ぼう。

共に楽しみたい人が居る。心を添わせ。心を見つめ。
その時々を、その一挙手に一投足に。

集中してやりたい人たちの居る、幸いを思う。





落ち込んだ友人を誘い。

ちっと疲れた家人を誘い。

遊んでみよう。







しばらく忘れてたやり方か。それとも。

実は意外に、知らねかったやり方。

久しく笑ってねー人ら。
久しく話らしい話もしてねー人らも。

誘ってみよう。





なあ。遊んでる?




遊ぼうぜ。

大口開けて、笑おうぜ。






多分そこには足りてない何かが落ちていて。

帰る頃には全員のポケットが膨れてるよ。



2002年07月17日(水) 自ら進んで駄目に育ったわけでもあるまいに。

虐待事件の判決。

したり顔で誰もが、信じられないと言うている。
信じられなくて良かったな。幸せだな。

責めはすまいヨ。気の毒に。信じられない世界の出来事で、さぞおっかねェだろ。

けど大丈夫。怖がることなんぞ何もねェ。あんたには関係ねー世界のこと。

虐待なんてもんは密室で起こることだから。
あんたには関係ねー世界のこと。

ただくれぐれも連れ子で再婚するときゃ気を付けろって話。







あるいは貧乏人の家にゃ産まれてくんな、て話。

どっちみちあんたには関係のねー話。

関係ねーんだから黙っとけ、ちゅうのは極論か。極論だ。

けどな。

誰でも進んで駄目に育ったわけでもあるまいさ。想像力がカケラでもあんなら想像してみ。




実の親に殴られ蹴られ髪を焼かれ。
盗みをさせられ辱められボロ着を着せられ。

それでもソンゲンとやらリセイとやらを残して育つためにゃ何が必要?




不幸な人間は不幸な人間と出会い不幸な家庭に落ち着くもんで。

偉いサンはヨ。その連鎖を止めろて言うがヨ。

そんなら不幸な人間と幸福な人間と。どうやって出会う? 惹かれ合う?
不可能だろ?

バカが利口と出会ってバカでなくなる確率は何パーセント?

なあ。その賢い頭でケーサンしてくれよ。




バカは利口を利口と思わないからバカなんだろ。
利口で無難な人間よか。バカなクズ野郎のセックスに溺れちまうからバカなんだろ。

連鎖が止められるかよ。






止められるもんなら止めてみろ。

止められるかよ。

アイロンのかかった清潔な白いシーツの上で眠る人間の、語る理想なんてもんに。







止められるかよ。

ああ。桜木にだって止められねーと思う。




桜木は、ただ、ここを止めることしか出来ねーからさ。

ただ。目の前に居る小僧っこの瞳を曇らせねーようにしか。出来ねーから。




てめえがどんな汚れたシャツでガッコに通ってたか。
てめえがどんな捻れたモラルを本気で信じて生きてたかなんてことを。

全部後ろ手に隠して笑って見せている。心配すんな。お前の心は真っ白。



大の大人がヨ。

泣きそになりながら見送っている。天真爛漫な小さな背中。




そこに至る道をくれたのは。
かすかな良心。かろうじて与えられた感性と挫けなさの遺伝子と。


ある日見た美しい空。






泥だらけのてめえの手の平を憎まず。

笑いさざめく街角を憎まず。同じ高さで人を信じようと生き直す勇気を。




誰がくれたのか、なんてのは、忘れちまった。

時々「あなたは傲慢だ」という奴が居て笑うよ。



「誰でも自分と同じ様に出来ると言うのは、それは傲慢ですよ」とヨ。



そうか。傲慢か。

けど。卑屈にはなれねーのよ。

あんまりハマっちまうもんだから。死んでも。

卑屈には、なれねェの。








なあ。

虐待のニュース見たら。
想像できる人には、してほしい。





人の心の「信じられねーまでの踏みにじられ方」と。

ついぞ照らされなかった小さな影が。
どれほど世間を憎んだか。
どれほど世間を知らずに生きたかってことを。

想像してみてほしいんだよ。










信じられない、てのは。言葉が違う。

想像出来ないと。


言い直せ。



2002年07月16日(火) 押されて泣くな。

友人が落ち込んでいた。

堂々巡りの自己嫌悪と憐憫の狭間で泣くことも出来ず、もがいていた。

イイ大人だ。子も一人居る。
だから情けないのと言った。
笑いたいでしょうと言った。甘ちゃんだと思うでしょうと。

思わねェよと言うと。それはウソだと言う。





思わねェよ。

大人になりゃ雁字搦め。誰が誰かを甘ちゃんと責められる?

てめえに厳しい奴は他人にも厳しい奴。
たった一つの処方箋片手に生きてく奴。

なあ。

落ち込んだ誰もが望むことを、カミサマになった気で教えてやろうか。
そんなもな、たった一つ。






お前で良いってこと。








理解されたいと願うのは良い。
理解されないことに傷つかないで居られるのなら。

誰にも本性見せず。飾り続けていくのも良い。
見抜かれる快感を。求めないで居られるのなら。

思いの違う奴らの犇めく世界に一人で。
触れ合う温もりが欲しいから。
孤独で居るのがイヤだから。

押しくらまんじゅうに参加する。
それは良い。

けど。

参加するって言うんなら。







そんなら。

押されて泣くな。










そうして。もちろん。

お前はお前で、良いんだよ。










泣けよ。飲めよ。

笑えよ。バカを言えよ。全部お前。






けどヨ。

どうせ泣くなら。ここで泣け。



何もかも否定しないのが愛ってなら。
確かに愛だろう。

何一つ注文しない。お前で良い。






けど。

理解してもらえなくても泣くんじゃない。

友として認めることと。わかることとは、別のことだから。





わからなくとも。お前で良いと。

それが桜木の友。




友よ。友。

押されて泣くな。




酌み交わす酒に賭け。

お前の人生を称える。



2002年07月15日(月) 露出。

ジャンル別ランキング見て、ヒヤッとする。

上位に居ると、投票してくださった方々に対して、ありがたい気持ちになる。
低位に居ると、安心する。

何故なら上位に居るてことは、人目に付くてことだ。露出が多いてこと。

それなのに。て思っちまうからヨ。
それなのに。

何が出来てんだ? て思っちまうからヨ。



太ももや谷間見せたネェちゃんが注目を集めてる、街角に。
目には見えねェ優しいもんの価値ってのは、存在してんのかナ?


真実てのは、入れ墨シールみてェにお気軽なもんじゃあるまいよ。
ゆめゆめランクに踊り、露出に勝負賭け、みっともねくは、ならねェように。

てめえに言い聞かす。



毎日テレビに出ていりゃぁ、つまらねーとも言われるさ。そういうもんさ。
露出が多くなりゃ、敵も増えるのさ。そういうもん。

で。敵を作るに値するほど大したもんが、この街角で受け取れるのか、甚だ疑問だ。



細くとも温かいつながり。小さくも尊い期待の視線。

けど。

そういうイイもんを受け取る引き替えにゃ、時々、露出が重すぎる。
そんな気がしてしょうがない。



ネットの片隅だよ。

ここは。
ネットの片隅。



2002年07月14日(日) 一億人が一円ずつくれたら一億円。

○○覚えたての中学生みてェに更新してヨ。
みっともねーたら無い。はは。

けど。久々に、まっとうで元気な人らの声が聞けて嬉しかった。


本当になあ。可愛いよなあ。
バカにしてるんでねくて、本気で可愛い。

必死で道路の向こうから駆けて来て、突然「あ、忘れた」て立ち止まる。
そんな時の顔が可愛い娘って良いよナ。

必死で生きてるから可愛い顔になんだ。
必死で生きてるから。可愛い言葉になる。











さて。

金・手間かかる海外臓器移植、どーすんだ、とか。
不妊治療に国が金出しますヨ、てな話。

桜木の掌にゃ乗りきらねーデカい話。

そもそも金ってのが良くわからねー。
金ってなんだ。

価値のあるものに払うのが金?
命の価値。

死ぬかもしれねー人間を助ける金。
生まれてこねェかもしれねー人間を、生まれて来られるようにする金。



価値があるから支払えるのが、金か。

金を払えないから価値がねェとも言えねーのが命か。

まーそんなトコ。







けど確実にひとつ言えるのは、有効に使えってこと。








なぁ。

良く言うよな。日本中の人に一円ずつもらえりゃ一億円になるて。
本当なんだよなあ。確かにそうなんだよ。

一人につき、たった一円。赤ん坊二人の分は父さん母さんが肩代わりで、それでも四円。

一億円になっちまう。すげーよな。

てことは、だ?

日本国民みんなでみんな一円ずつ出し合ったら、全員一億円手に入るってケーサンか?





すげーよな。絶対不可能にしても、すげー。

な。金ってなんだろな?




メーカー勤務の友人は言う。うちの子が海外で心臓移植、てことになったら。
会社の募金だけで行って来られるんじゃないかなあ、とヨ。

なるほどマンモス企業だ。一人あたま1000円でイイらしい。
それこそ「一円ずつ一億人で一億円」みてーな話。

うまい話があるもんだ。





けど。

日本中がそれぞれ一円ずつ出し。全員が一億円ゲット出来ちまう、としたならヨ。




ケーザイてのはどうなっちまうんだろナ?

やっぱ、破綻しちまうのかな?












半年ぶりに車の掃除してたら転がり出て来た、一円玉。

スーパーのレジで安タッパーの中で無造作に。

「お使いクダサイ」て置いてある一円玉。






金の価値って何だ?

助け合い、てどーいうんだ?








100円玉一個で助かる命が。飢えた国には山ほどあって。

もしかすっと。募金サイトで一日中マウス押しまくってるだけでも、人が、救える時代。








人が救える「ヨイコト」なんざ、探せばいくらでも見つかる時代。

なあ。あんたは、一億人全員に一円ずつもらうのなんざ、たやすいと思うか?

たやすくないと思うなら、そのワケは?











桜木は。たやすくねーと思う。集まらねーと思う。一億なんか。



何故なら結局金は。

信用が動かすものだからだ。



ようするに。

顔も知らねー赤の他人が、集めた金で何すんのかが、わかんねーから。

ビタ一円すら出せねーて。そういうことだろ。






問われているのは、価値じゃない。信用なんだ。金は怖い。金は人を。世間を動かす力だからナ。



だから本気で要るなら信用を示せ。信用を先に集めろて。そういう話。










不妊治療に金出すは、良い。

けど、国はその前に信用を集めろよ。ホントはそっちが先なんだよ。

まず先に、今この国で生きてる全ての、ちっこい未来のとーさんかーさんが。
二十年後の不妊に苦しまぬための策を錬ったんか。調べたんか分析したんか。




金出すのはその先。

金出す、言う前に、やることやれ。仕事が遅ェんだよ。厚生労働省。







三十年前に策が練られてれば、泣かずに済んだ夫婦が。
この平成の今、どれだけ居ると思ってんだ。


今出来ることをチャッとやってから次に行け。

さんざ後手に回った挙げ句ケツに火ィ付けて追っかけられて。
お金出しますから勘弁してください、てかヨ?






けたくそ悪ィ。

みっともねーたら、ありゃしねェ。



2002年07月13日(土) 恥のポイントがズレてるだけ。

くどくど言わねーひとことで言う。

ありがとう。これから、また、たまによろしくナ。










さてまーいろいろあったらしいナ『エンピツ』界。
間借りさしてもらってる素浪人みてーな桜木も、無関心でいるわけにゃいかないか。

けどこいつも、ひとことで済む。

ようするに「他人の言うことを気にしたって一文の得にもなりゃしねー」てこと。



あのナ。人間は「恥のポイントがズレている」。
Aにとっちゃ「こんなん恥ずかしい」いうのがBにとっちゃ「なんで?」だったりな。

例えるなら「財布に1万円入れてないと恥ずかしい」て人間も居りゃ。
「財布の中身で人間が決まると思ってるやつって恥ずかしい」て人間も居るんだよナ。

婚礼家具をガラス張りのトラックで運べなきゃ恥ずかしい、て県民性もありゃ。
金があるのを見せびらかして家の中のもん晒して運ぶなんざとんでもねー、て県民性もあんだろ?

人皆「恥のポイント」は、ズレている。








桜木は、ドコゾの掲示板だの、まーあちこち見て。

一番みっともねーのはヨ。

「てめえが恥と感じる恥だけが恥のスベテ」ぐらいに思いこんでるアホウだなあと思ったヨ。





桜木にしてみてもよ、世間にゃかっこわりぃコトなんてやまほどあるわけ。
で、そいつを指摘して自習してみるのは、てめえの価値観やらいうもんへの問い直しでもあるわけ。

ほんまにこのままでいいか、桜木、いう。てめえ自身への問いかけ。

別にヨ。「(桜木にとっての)恥を恥」と思ってねー連中に言うてるわけじゃねーのよ。

だってそーだろ? 通りすがりの赤の他人にヨ。

アンタ恥ずかしいですね、言われて変われるけ? 変われまい?







肥満を恥とする奴もいりゃ。

肥満してる他人を卑下しにゃ生きていかれん奴を恥ずかしいと思う奴も居る。


何がなんでもてめえが「正しい」で居たいんか。

ポイントの違う「恥」を押しつける論理のまんま、永遠に喧嘩してたいか?





時間の無駄だよ。

あんたが一番。あんたが大将。

ハズカシイ連中なんてほっとけよ。輝かしいあんたの人生にゃ、要らねー連中だろ?






時々てめえの恥を点検するためにチラと見て。

ああ違う。ああ良かったと胸なで下ろして、ほっとけよ。



誰もが誰かにハズカシイと思われる。

けどそれと同時にヨ。

誰もが誰かをハズカシイと思えるんだよ。それでいいだろう?





だから無論。

桜木が「お前はいいよ。間違ってないよ」言う相手はよ。それほど多くない。
どいつもこいつも受け入れるわけにはいかないさ。
例えばな。

「ああいやだ。はずかしい。絶対こういう風にはなりたくない」てヨ。

大声で言い散らしてる奴を見て。
こっちがサブイボ出るくらい恥ずかしい、なんつうのは日常茶飯事だ。

けど大切なのは、こっからのこと。



なあ。

あんたが誰かを嫌いだ言うてるぶん。あんたが死ぬほど嫌ってる誰かさんどもが。

おんなじ憎悪であんたのことを嫌いだ言うてることや。

あんたの嫌いな誰かサンのことは大好きだ、てヨ。

言うてる事実は許せるか?





な。それを許せないやつがアホウ。

てめえの「嫌い」が絶対で。相手に嫌われるのは許せねーて幼児性。



な。だから。そんな奴らのことは、気にすんな。














キレイとキタナイだけで分けられるかヨ。

自己弁護はてめえの中でだけやってくれ。サブイボが出る。



真摯の光の下にヨ。

死ぬまで出る気がねーてなら。ずっとそこに居やがれ。それでいい。




互いにてめえの道が一番正しいのさと。

くたばるまで歩き続けてくのが人間ってもんじゃね?




恥ずかしい恥ずかしい言うて他人をケナしたつもりになってる奴ら。
そこらの街角でタムロってるバーサンどもと、大差無し。



2002年07月12日(金) 何故人を殺してはいけないのか。


宅間が言う。
優秀な人間も数分で失われることを。その空しさを証明したかったと。

アホちゃうか。
誰が証明せんでも、そんなことはとっくの昔に世界の犯罪史と歴史とが示してる。

キューブリックという映画監督が撮った「時計じかけのオレンジ」いう映画がある。

その主人公は、劇場型殺人鬼を絵に描いたようなクズだが。

腐った殺人鬼を前にはどんな矯正も無駄であるという。
究極の「責任放棄」という結論一つを導いて見せるには、最高のキャラクターだった。

人が人を裁けるか。
人が人を直せるか。桜木は思うさ。そら無理だと。

けど。

何故人を殺してはいけないのか、と問われたら。桜木は言う。


何ということもねー、シンプルな回答。

何故人を殺してはいけないか。

そら。

人間なんざ、放っておいてもいずれ死ぬからさ。明日にでも。五分後にでもナ。



「尊い犠牲」なんつう言葉がヨ。何ひとつ真実を語るものかよ。

「自爆テロ」。あれも「尊い犠牲」って話。冗談じゃねー。吹っ飛ばされた連中はどうなる?


世界は狂ってくばっかだ。

何故人を殺してはいけないのか?

もっとわかりやすい言葉で言うてやろうか。

そらな。「わかってることをやるのがバカ」だからだヨ。

目の前に3000円のメロンがあって、それを土間にほりすてるバカが何処に居る?


土間でグシャになったメロンを誰が食う? 誰も食わねーヨ。

ほり捨てんでもヨ。食えば無くなるメロンだ。そんなら食えだ。

土間にほりすてるためにあんじゃねーし。

てめえの憤りやらアホな理屈を世間に言ってみせるためにあんじゃねー、てのは。
自明のこと。




3000円のメロンは食い。

人は生かせよ。気にくわなければ喧嘩しろ。




けど。殺すな。喧嘩して喧嘩して。


けど。殺すなよ。








長い長い休みで。
待ってくれてた御仁もあったんかな。悪かった。

言葉は相変わらず力無くてもヨ。

悪かった。

近所の公園を通りかかる時。傘で鉄の柵を撫でてったら音が出たナ。カンカン。カン。

あんな感じのナ。桜木の自習。
この存在が誰かの耳に届くことも、たまにはあるだろう。





だから何故人を殺してはいけないのかと。

相変わらず遠吠えじみた、この自習を見てくれた人らも。
考えてくれたら嬉しい。

かけがえのない大切な誰かを殺されて後。
その上何度も何度もくだらねー野郎に汚された気のする悲しみに。

何かが出来るといったら、今はこれくらい。








今朝。今年初めての蝉を聞いた。

明日死ぬかもしれねー命だよ。

だから今は今年の蝉を聞かせておいてくれよ。


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桜木



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