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キ ミ に 傘 を 貸 そ う 。
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2011年12月28日(水) あなたを定める言葉が見つからない。気がしているだけ。



誰か、私を止めて下さい、と切に願う。
けれど結局のところ決めるのは自分で。
そして私は私の足で、Aさんに会いにゆくのだ。

あの日。

あなたの服からとても良い匂いがして
近づいて匂いを嗅いだ。
柔軟剤の匂いだとすぐに分かった。
匂いフェチの私は、ずっとその香りを覚えておきたいと思った。

『いいにおいがする。。』と、
暫くあなたにひっついていた。
Aさんは『このコ変なコだなぁ』という顔をして笑ってた。

香と記憶は直結してる。

****


会ってはいけないことは分かっているのに
心が全然追いつかない。
こうやって、自分が心に全て支配されてしまう時間も
いつか解けることが分かっているのに。


これからあなたに会う。


きっとあなたの手はまたとてもあたたかくて
私の手は冷たいのだろう。
あなたは私の手をとって、また自分のものにしようとする。




いつか聞かれたことがあった。

『今まででどんな悪いことしてきた?
 小さいころとかでも、なんでもいいよ。』

『-----今です。
 
 今が一番、悪いことしてます。』



そういうとあなたはとても笑ってた。








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2011年12月25日(日) いっそ長い夢だったら、いいのに。


せめて『普通の片想い』だったら
どんなに楽だろうと思う。


あなたのことを、どんなに好きでも
未来が交わることはない。
未来が繋がることを、望んでもいない。
それなのに、あなたのことが好きで、好きで。

何を見ても、何を聞いても、あなたを思い出します。
こんな自分がとても嫌いです。




一人の夜はあまりにも淋しかった。
苦しかった。

ダメだと分かっていながらも、
『淋しいです』とメールを打った。
『抱こうか?』と返ってきた。

どこまでも、あなたの目的はそこなのですね。
笑ってしまうよ。

でもそれでも好きだ、と思えるくらいに
私の病気は重傷です。
誰か私の頭を手術して。




どうしてこんなにも好きなのか
どうしてこんなに惹かれるのか分からない。
説明がつかない。
もう、前世で何かあったとしか思えないくらい
不思議なくらい、Aさんのことが好きで、好きで。

もう嫌いになってしまいたいんだよ。
心が壊れてしまうんだよ。



誕生日にもらったブレスレットをつけたまま眠る。

あなたの夢を、何度も、何度でも見る。








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2011年12月18日(日) それがプロポーズの言葉だったらいいのに。


出張で2日間だけ東京を離れた。

出張から帰って来る日は夜遅くなる予定だったから
Aさんには会えないだろうなと思っていた。
Aさんも、さすがにその日は無理して会わないだろうな、と。

けれど東京に戻る日の朝メールがあった。
『帰りの便おしえて。』


本当は最終便の飛行機の予定だったけれど
雪の関係で飛行機を早めた。
『晩飯行ける?』とメール。
もちろん、と返す。


東京駅近くで待ち合わせをした。
いつもは私が駅で待っていることが多いけれど
その日はAさんが先に駅で待っていた。


12月の金曜日の夜は、世間は忘年会シーズンで
お店はどこもいっぱい。

適当な居酒屋に入って、カウンターの狭い長椅子に2人で座った。

Aさんは平日”仕事の顔”をしている。
顔に張りがあって、なんだか強い顔をしている。
わたしはその顔がそても好きだ。

2軒目のお店(安いお寿司屋さん)で、
「はるかちゃんとこうやって飯食ってるときが一番落ち着く。。
 毎日一緒にゴハン食べよう。」
とAさんが言った。

何故か、今までのどんな言葉より一番嬉しかった。


Aさんの奥さんの話など、色んなことを聞いた。
Aさんの奥さんはもちろん美人で優しくて、明るくて。
Aさんが朝帰りをしたとしても、深く追求しないらしい。
けれどそれは愛が冷めているから、という訳ではなさそうだった。
それが彼女の優しさだから、と彼は言った。


「じゃあさ、期限を決めよう。」
と突然言われた。


私は”この期限が来たらキッパリ別れる”という”期限”のことかと思った。


---期限が来たら、どうなるんですか?

と私は哀しい顔をして彼に聞いた。


「期限が来たら、俺の側室になる。笑」

意外な答えで少し驚いた。


---だめです、なりません、と笑って言うと

「冗談でもいいから『そうですねぇ』って言ってよ。笑」と笑われた。







その日は私の終電ギリギリまで一緒に食べて飲んだ。

帰り道、どういう経緯だったか忘れてしまったけど

「(はるかちゃん)ひでーな。もう別れよ。笑」
と言われたので

---(仕事のプロジェクトメンバもろもろに)バラしますよ、と笑って言ったら

「…腕上げたな!笑」
とAさんは笑ってた。


---Aさんに育てられてますからね、
「そうだな、さすがだな。
 ・・・あーあ・・・今日ちゅーできなかったな。。。」
哀しがるAさん。

本当は一軒目のお店を出た階段でキスされそうになったけど
さすがに周りに人が多すぎて避けてしまった。


本当は抱きしめて欲しかったけど
そんな事は絶対に言えなかった。
私からは何も。



いつまでこんなところに留まっているんだろうね。
笑っちゃうよね。








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2011年12月13日(火) 抱かない理由。


Aさんに尋ねたことがあった。
純粋に疑問だったから。
『どうして奥さんのことは抱かないの?』と。


Aさんはどんな質問にも素直に、真面目に答えてくれる。

そしてAさんは
「だって、家族だから。

 家族とはセックスしないでしょ?」
と答えた。

「(奥さんのことは)リスペクトに値してるから。
 ほんと、この俺が怒られてるくらいだから。
 家族になって、恥ずかしくて、だから、できない」


男の人はどうしてこうずるいのだろう。


いつから家族になったの?と聞くと、
子どもが産まれてから、とまた答えた。


Aさんはもう、一緒にお墓に入る人が決まっているんだよ。

私は、ひとり、なのにね。








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2011年12月11日(日) 『終わり』の始まり。


Aさんは、私の手を自然にとって、手を繋いでくれる。

王子は優しかったけど、手を繋ぐのが下手な人だった。
繋ぎ方が不自然で、私が握っていないとすぐに手が離れてしまうような。
こんなに不器用な人って居るのか?って思うくらいだった。



東京はいつの間にか冬になった。




王子様と、きちんとお別れをした。

最後まで優しくて、私のことを責めなかった。
私が「できることなら友達に戻りたい。無理なら、それでいい。」と言うと
「友達でいいよ。」と王子は言った。

王子の部屋のカギを返した。
「返さなくていいよ。自由に入っていいから。」と言われたけど
そんなケジメが無いのは嫌だった。
心の感度を下げて、痛くならないように、何も感じないように、
カギを返した。荷物も全て返した。
私の荷物も全て受け取った。
王子様が作ってくれた、美味しいシチューを食べて、お別れをした。
かなしくて、さみしい、そして少し未来に向かった日だった。








夜の東京を、Aさんと歩いた。



冷え切った私の手をとって、Aさんが歩いていく。
寒い日でも熱いAさんの手が私は好きだ。
Aさんは私の手をあたためるように、冷えた個所をぎゅぅ、と握る。
最初は手のひら、そして手のひらがあたたまったら指先、というように。


そんなAさんを、私はまた愛してしまう。
好きになれば好きになるほど、かなしい。

その日は朝まで一緒にいることになった。
一緒に居たのは、それで2回目だった。







Aさんは寝る前に「おやすみ」とメールをくれる。
それが何を意図しているのかは分からない。

『遊んでばっかりじゃ申し訳ない。メールくらい送ってやるか。』
とでも思っているのかな、と解釈している。

このまま愛し続けても、未来なんて無いんだよ。


















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2011年12月07日(水) 二度あることは、、、

貴方は『遊びじゃない』なんて言うけど
貴方が私を抱く理由は、愛してるからじゃない。




休日に、初めて会った。

スーツ姿以外の貴方を初めて見た。
私服のあなたは、いつもより若かった。

けれど私はスーツ姿の方が好き。
頂点でギラギラ輝きながら仕事をしてる貴方が好きだから。

最近は会ったら必ず手をつなぐようになった。
本当に恋人みたいだった。
そんなんじゃないのに、笑っちゃうよね。

貴方と一緒に子どもみたいにはしゃいだ。
幸せすぎて、明日が怖かった。
私は確実に、恋をしていた。哀しいくらい。

帰りの電車は満員で
図った訳でもないのに、はぐをした状態で何駅か過ぎていった。

大きい駅で人が降りて、体を離したとき
『ずっと混んでりゃ良かったのにな。笑』
と貴方が笑う。
私もそう思ってたけど、私からなんて言えなかったよ。


幸せだと感じるたびに、罪悪感も比例して増えてゆく。
貴方と私が一緒に居るって、そういうことだ。


貴方はどんどん私を思い通りにして
今後いつまで私で遊ぶの?


幸せになれる道がいま、一本だって見えないよ。









2011年12月02日(金) 100%、私に非がある。


踏み込んではいけない世界に来てしまった。

フリン。

馬鹿みたいだ。私って最低だ。


この世界に来て分かったこと。
傷つくのは『今』じゃないってこと。
傷つくのは、いつか訪れる『貴方との別れ』のときだってこと。


色んなことを考えて、頭が混乱してる。

貴方に会うと、心は幸せだって言ってる。
でも頭がやめろって言ってる。
いつもそこで、心と頭が猛烈な喧嘩を繰り広げる。



貴方は言う。

『良いはるかちゃんと悪いはるかちゃんが居る。
 悪いはるかちゃんはなんて言ってるの?』

---抱かれたいって言ってます。でも、それはダメです。

私の大好きな貴方が、私の大好きなその笑顔で、私の方を見る。
苦しい。とてつもなく苦しい。
とてつもなく幸せで、それでいて苦しい。




状況が違えば、きっとまた違っていただろう。


私が若くなかったら。
もし貴方が奥さんと上手くいっていなかったら。
貴方が私に本気になったら。
私が貴方を「遊び」だと割り切れたら。


いろんなIFを考える。
でもそれは現実ではない。


現実はここだ。


貴方を好きな私。
私を好きな貴方。
好きな人と結婚して、その人との子どもが居る貴方。
家庭は壊さない貴方。
貴方の家庭を壊したくない私。
いつか、離れると分かっている私。
いつか、離れると分かっている貴方。




私は何度も、「私のことは遊びなんですよね?」と笑って確認する。
「それはね、勘違いしてるよ。笑 オレは選ぶ方じゃなくて、選ばれる方だから。」と貴方は笑って答える。



「はるかちゃんには幸せになってもらいたい。
 でも、1年間ぐらい寄り道してもいいじゃない。」

---罪悪感とか無いんですか?

「一切ない。」


言いきれるところが恐ろしいよね。




あなたの目はいつでも明るいものだけを見ていて
いつだって力強い。
アクセル踏みっぱなしで、ブレーキなんかない。
思ったままを生きる。
自分の欲望そのままに。素直に。真っ直ぐに。
そして何も隠さない。
貴方はそんな人だ。







仕事が終わって、駅で待ち合わせをして、少し飲んで、帰宅する。
そんな日が続いた。別れ際には握手をした。

プラトニックなはずなのに、心はぐちゃぐちゃだった。
貴方のことをこんなにも好きになってしまった自分を
私はとてつもなく責めている。


繋いだ手を離すのが哀しかった。


私は哀しげな顔をしていたのに気付いたのか、
駅の改札口で貴方は『愛してるよ』と私の目を見て言った。



嬉しくて。でもやっぱり哀しくて。
いつだって私の感情は相対してるものを持ってる。
でもあなたは、いつだってひとつしか持ってない。
「たのしいか」「たのしくないか」
私とは違う。だからこそ惹かれてしまった。



「はるかちゃんのさ、そういう擦れてないところが好きなんだよ。」





こんな現実が来るなんて、思ってもみなかった。



苦しいけれど、誰も救ってくれないこの世界。
そして抜け出しても、生きていけない世界。












はるか |MAIL

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