五行日記
ガム



 解放感と愛すべき場所。

時計も携帯も持たずに一寸そこまでと走らせた車。

何にも縛られない夜の解放感が車より気持ちを加速させる。

ついには住んでる街をも飛び出して隣の街へ。

不確かな愛を感じるモーテルを何軒も横目に通り過ぎ

確かな愛を感じるその場所へ辿り着いた。

2005年08月31日(水)



 プライドを爪弾かれる。

録画放送のPRIDEのために目と耳を塞いできた。

解放されたそれらがまず目にしたのは下克上、

耳にしたのは新王者の咆哮。

氷と炎が霞んでしまうくらい躰の芯を爪弾かれた感覚。

これからがまた楽しみになってきた。

2005年08月30日(火)



 もうニキビとは言えない。

数日前、突然目の下に現れた吹き出ものが

気になって気になってしょうがない。

見た目では殆ど目立たないからこそ油断して

不意に何らかの拍子で触れた瞬間走るあの激痛。

2番目に嫌いな痛みかもしれない。

2005年08月29日(月)



 アドレナリンマシーン。

試合が終わってからもアドレナリンが出続けてる。

そんな錯覚を覚えるくらい気持ちが高ぶってる。

今日みたいなプレーができたらこの先の試合もずっと

自信を持ってやれるだろう。

もうシーズンが終わってしまうなんてもったいないよ。

2005年08月28日(日)



 頭の中の打ち上げ花火。

いくら寝ても寝足りないこの頃。

今朝は早くから宅急便のチャイムに起こされた。

不機嫌ではないが二日酔いで具合が悪い。

台風が避けていった外は天気が良い。

行く予定もない花火を思い描いてみた。

2005年08月27日(土)



 蜘蛛の糸の暗示。

ゴールテープを切ったように蜘蛛の巣に掛かった。

粘り気のある糸を両手で払いながら考える。

「これは何かの暗示だろうか?」と。

こんなにも広い世界を窮屈に感じたり、

他人との思いも寄らない繋がりに煩わしさを感じたり。

2005年08月26日(金)



 風がぬるい日に。

誠意を示そうと言葉を選べば選ぶほど

それが裏目に出てしまっているような気がする。

相手が何を望んでいるのか分からない時があるし

それをどうやって探ればいいのか分からない時もある。

こんな僕の中に誠意なんて本当にあるんだろうか。

2005年08月25日(木)



 朝一飲料。

毎朝空っぽの胃袋に珈琲を流し込んで目を覚ます。

口に苦くて胃を締め付けるようなこの液体を

どうして僕は好んで飲んだりするんだろう。

大人になってから変わった味覚は

この先も変わっていくんだろうか。

2005年08月24日(水)



 アムニージアック。

ずっと立ち止まったままだったのか、

巡り巡って同じ場所に辿り着いたのか、

気付いたらまたここで途方に暮れてる。

考えすぎの原因を逆に追い込もうと掻きむしった頭に

痕が残ってまた爪が伸びてることに気付く。

2005年08月23日(火)



 夕焼け吹奏楽。

帰り道、どこからか聞こえてきた吹奏楽部の練習の音が、

炙り出しのようにゆっくりと、遠い昔の記憶を蘇らせた。

高校時代、放課後の校舎で聞くでもなく聞いてた音。

その頃に見たもの、感じたこと、思い出せるだけの全て。

どうしてこうも僕は引き返してしまうのだろう。

2005年08月22日(月)



 いいわけないドタキャン。

数日前の天気予報では、雨が降ることになっていた。

思惑が外れ、雨を理由に断ろうと思っていた予定は、

理由もなく断ることになった。

不思議と許してくれそうな気がしたから

言い訳は考えなかったけど良いわけないよね。

2005年08月21日(日)



 ブラウン管の表情。

昨日、一昨日の反動で引き籠もりの一日。

朝の宅急便に起こされなかったら多分きっとずっと寝ていた。

少しボンヤリした頭でDVDを観て、高校野球を観た。

ブラウン管に映り込む自分はどこか迷っているような表情。

次に起こす行動を決めかねてるといったそんな表情。

2005年08月20日(土)



 戸惑いの扉。

もう少し若かったらこんな風に遊べたのかな?

予定もなくとった夏休みにそんな1日を体験した。

これまで何度もぶち当たってきた壁には、

気付けなかったけど、その先へ向かう扉があったんだ。

呆気なく開いた扉に戸惑いつつ、新しい世界へ踏み出した。

2005年08月19日(金)



 流れに身を任せて。

胸につっかえてるものは完全には取り除けなかったけど

少し箍を外して流れに身を任せたら本当に楽しめた。

今週の悪い流れは断ち切ることができたのかもしれない。

調子に乗ってサイトのヒントを零してしまったけど

果たしてここまで辿り着けるのかな。

2005年08月18日(木)



 悪い流れ。

今週の悪い流れを今日も引きずってしまった。

サッカーの試合で2失点。試合に集中しきれなかった。

悔しさや怒りを通り越して、ただ悲しくなった。

急遽明日の飲み会(合コン?)に誘われたけど

このままの流れじゃ期待できるものは何もない。

2005年08月17日(水)



 今週はちょっと。

夕べからのプロバイダ障害でサイトが開けない。

冷蔵庫に入れ忘れた食料が1日で傷んでしまった。

地上3階で震度4の恐怖を体験。

そういえば昨日自転車のチェーンを外したっけ。

送ったメールの返事も来ないし。

2005年08月16日(火)



 月曜9時のつむじ風。

連続ドラマなんてほとんど観ることはないのに

何となく観てしまったスローダンス。

1話観ただけで物語の全てを追うことはできないけど

胸の中に小さなつむじ風が吹いたのを覚えた。

観るんじゃなかったと少しだけ後悔。

2005年08月15日(月)



 ニュース&サイレン。

新聞・テレビで目にする事件や事故の悲惨なニュース。

街の中で耳にする救急車や消防車のサイレン。

普段から僕を不安にさせるそれら。

盆や正月に見聞きするとその負の効果は何十倍にもなる。

僕の実体験がそうさせるのかも知れないけど。

2005年08月14日(日)



 パラサイト。

冷蔵庫を開けて勝手にビールを飲む。

出された料理を遠慮なく食べる。

そして足りないからと追加を頼む。

実家だからと好き勝手。

帰省中の寄生虫。

2005年08月13日(土)



 斑な背中。

背中の痛みが強烈な痒みに変わった。

我慢しきれずに掻きむしったら背中の皮が捲れあがった。

虫みたいに綺麗に脱皮できたら苦しまなくて済むのに。

でも虫たちは本当に苦しまずに脱皮してるのかな。

斑な背中を鏡に映しながら抜け殻の自分を考えてみた。

2005年08月12日(金)



 隔席カウンター。

まだ誰もいないカウンター。

ひとつ空けて2番目の席に座る。

誰が来て座るわけでもないのに、

いつの間にか身に付いた癖。

他人との距離を測るちょうどいい物差し。

2005年08月11日(木)



 道草、近道、遠回り。

どんなに目的地が遠くても自転車で行けたっけ。

子供の頃はそれが当たり前だったのに

大人になって随分と楽することに慣れてしまった。

たまには自転車で出かけるのも悪くない。

今まで見えなかったものが眠ってた冒険心を叩き起こした。

2005年08月10日(水)



 暑さが生んだ錯覚。

何匹もの小さな蟲が背中を這ってる。

じっとしてても噴き出す汗は

そんな錯覚を伴って背中を流れてく。

真っ直ぐな路の真ん中で迷子になったら

どこへ進んだらいいんだろうか。

2005年08月09日(火)



 白の後悔。

仰向けに寝られないくらい背中が痛む。

時々襲ってくるあの痛みとは違う、昨日の日焼けのせいだ。

焼けたおかげでタンクトップが似合う体になったけど、

肌に接する面積の少ないそれしか着たくないのが本音。

もう少し早い段階から焼いとくんだったな。

2005年08月08日(月)



 海は温いなしょっぱいな。

誘わせるがままに参加した海辺のバーベキュー。

肉より野菜より、一番焼いたのは自分の体かもしれない。

海水浴日和って今日みたいな日のことを言うのだろう。

正確には覚えてないけど海で泳ぐのは10年ぶりだったかな。

海がこんなにしょっぱかったなんて忘れてたよ。

2005年08月07日(日)



 若さの夏、開幕。

事件とも事故とも取れるアクシデントに見舞われながらも

また球児たちの暑い夏が始まった。

ヒットを打って塁上でガッツポーズは如何なものかと感じるが

それもまた若さなのかなと納得してみる。

若さや勢いが間違った方向に向かわないことを祈りつつ。

2005年08月06日(土)



 昨日の今日で夢現。

遊び心を履き違えて真剣味が足りなかったのかな。

全てを一遍に変えることは出来ないかも知れないけど

少し自分を見直してみようと横になって考えてたら

いつの間にか寝てしまってた。

夢の中でも同じことを考える自分がいた。

2005年08月05日(金)



 人間力の経験値。

懺悔にも似た打ち明け話に彼女は真剣に答えた。

何となく術中にはまったような気もするけど

ボンヤリじゃなくハッキリとそれを話せたのは

約6年の空白があっても信頼できると感じたからだ。

説得力のある言葉をもらって、ひとつ足枷が外れた。

2005年08月04日(木)



 暑い夜に味わう。

今日から始まった祭の雰囲気を味わうため、街へ出た。

祭のせいか、夜の街は普段より熱を帯びていた。

苦手な人混みを避けて歩くと辿り着いた場所は、

半纏も浴衣も竿燈もない、あるのは酒のいつもの店。

結局、最初の目的も忘れて、いつものように酒を味わう。

2005年08月03日(水)



 ゴテゴテの夏。

気付いたらもう8月なんだな、梅雨明けもしてないのに。

それに気付いてようやく完全に出遅れたことを知った。

もうみんな夏の予定が決まっちゃってるんだな。

今さらジタバタ足掻いたってどうしようもないし。

後手後手になった今年の夏はいつも以上に短そうだ。

2005年08月02日(火)



 萎んだ風船。

勢いよく膨らました風船も

しばらく放っておいたらいつの間にか萎んでしまう。

今はそんな状態なのかもしれない。

また膨らむことができたなら

その勢いでどこか遠くへ飛んでいこう。

2005年08月01日(月)
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