愛より淡く
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夫の帰りを待っていた。正確には、車を待っていた。
先ほどから、雷が鳴り止まず、大雨が降りだして、風が不気味にうねっている。
嫌な天気だ。こんな天気の日にも仕事に出かけなければならない。
自転車で15分ほどの距離だけど。この雨と風と雷の中、自転車に乗るのは、正直かなりキツイ。
歩いて行くのも勇気が要る。
こんな時にこそ車が、車が必要だった。
なのに全然帰ってこない。
夫は今日私が夜も仕事があることを、すっかり忘れているのだろうか?
夫が出かける時に、念を押せばよかった。
「今日は仕事だから、それまでに帰って来て」
でも夫は言い返すだろう。
「自転車で行けるだろうが」
「もし大雨だったら困るし」
と、大雨のことを想定して、一応声をかければよかった。
仕方ない。出かけるまでにはまだ間がある。
私はひたすら祈るのみ。
雨と風と雷が、どうか止んでくれますように。
夫が帰って来るよりも、そっちの方がまだ叶えられそうな気がしたから。
今も私はひたすら祈っている。
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