愛より淡く
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2005年01月03日(月) 愛の眼差し  魅力的な玉子サンド

最初の場面では、その人は私の「なつかしいはずの恋人」として登場した。

黄昏時のなつかしい建物の前にその人は紺のスーツ姿で佇んでいた。

夢なのだと気づいていない夢の中の私は、なつかしい恋人であるはずなのに、その人とのことを何ひとつ思い出せなかった。

その人がとてもなつかしそうに私を見つめて微笑むので、私はとまどっていた。その人の眼差しは、実に穏かで優しく柔らかいものだった。

とまどいながらも私はその人の眼差しに包まれて、ほんわかしあわせな気分になっていた。


その人とのことを何一つ思い出せないのはあたりまえだった。実際その人は私の恋人でもなんでもないのだから。それどころかその人は私のことを知らない。これからも知ることはない。
こちらが一方的に知っているだけの存在なのだった。


次の場面では、今度はその人は私の「親友の恋人」として登場した。その人と親友は仲違いしているらしく、私は二人の仲を必死で取り持とうとしていた。

私とその人は、親友がアルバイトをしている店に行った。その人は玉子サンドを注文した。

玉子サンドが運ばれてくる間、私はその人を説得していた。

もう一度彼女とやり直すべきだと。

説得しながら、心のどこかで、私もこの人のこと好きやのに、なんででこんな心にもないこと言うているんやろ、と複雑な気持ちになっていた。


玉子サンドを運んできた親友は、黙ったまま、その人の前に玉子サンドを置いた。だけどそのしぐさは憎らしくなるほどコケティッシュだった。


その人の前に置かれた玉子サンドは、すごく可愛らしい感じに盛り付けられていた。白いパンとパンの間に挟まれた菜の花色の玉子の黄味がなんともこの目に鮮やかに映った。

私は今までにこんな可愛くて魅力的な玉子サンドを見たことがなかった。


その人はおいしそうに玉子サンドをほおばった。

しあわせそうなその顔を眺めながら私は思った。

この人あまりに屈託なさすぎ。





























2005年01月01日(土) ありえない聞き間違い

テーブルの上でボーっとしていた時、夫がテレビを見て笑っていた。

新しく始まる刑事ドラマの宣伝放送らしかった。

「あはは、なんだそれ? 富豪刑事って。あはは」

そう言いながら笑っていたのだった。

ところがボーっとしていたせいもあって、私はとんでもない聞き間違いをしてしまった。

さらに、よせばいいのに








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恥ずかしすぎる。



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テキスト庵さん