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| 2005年12月31日(土) | 大晦日 |
昨日、MKが隠していた最後の剃刀を兄人格MTが取り上げました。
もうその時点で頓服を５錠飲んでいたので、興奮したMKをなだめるには注射しかなくて、初めて一日二回の注射を経験しました。腰が抜けた…（汗）
正直な話寝失禁してしまって、それを半覚醒したまま着替えようとしていたらしく、朝起きたら頭にコブが２ヶ所出来ていました。どうやらひっくり返り壁に頭をぶつけ床に張り付きつつ着替えた様で。
母がその直後に様子を見に来ていてくれていたらしく、「服が散乱していたので片付けておいたよ（笑）」とメモが…ああ母上様申し訳ありません…（−−；）
こんな私たちですが、来年の抱負は「ドアを蹴る前にドアを開ける」です。
Mkが辛くなったらすぐに誰かが体を傷つける前に交代してあげたいのです。
そんな簡単なことが、入院３年目の目標です。
でも、これをクリアしないことには、私たちはチリとの生活に戻れない。
本当は取り上げた剃刀が最後のものかも分からない。
不安でいっぱい。ふあんでいっぱい。
でもあるいていかないとさきはみえない。
とりあえず、来年はＳが幸せであればいい。
そして、どうか此処に来てくれている皆様と、世界中の子供たちが笑顔であるといい。誰も、何者にも奪われないといい。
何か大きい話になっちゃったなー（照）
どうか来年もよろしく。
よいお年を。
| 2005年12月28日(水) | 今年も |
リスカしちゃったけど。
幻聴に悩まされてるけど。
母に「生んでくれて有難う」とメールを送れた。
ハッピーバースデー、『私』達。
| 2005年12月19日(月) | 「食べたい」 |
昨日、今日と外泊してきた。
昨夜、KHが突然パンを持って部屋に駆け込み、妹を驚かせた。
KHは必死にパンに喰らいつきながら「MKちゃんが苦しんでいるから、私も一緒に苦しまなきゃいけないの」と言った。
元過食人格の彼女は、今でも食べる事にコンプレックスを持っているのだと、その時初めて気付かされた。
私たちの身体はとても太っている。
私Ｃと本体Ｍちゃんは、小さい頃からそれがとても嫌で嫌で、でも毎日布団の下や鞄の中やタンスの引き出しから出てくるお菓子の空き袋に抵抗の仕様がなかった。
誰かほかの人格が、なんて考えも出来ずにただお互いに怯えあっていた。
お菓子を買うために母の財布から小銭を盗んでいるなんて、思いもしなかったのだ。
そこまでして、KH−当時のMHを「食べること」に駆り立てていた悪魔の現実が、今は亡きがらのようにひっそりと息を潜めている。
彼女はそれを乗り越えて、融合を果たしたはずだった。
でもやっぱり、悪魔は完全には倒せていないらしい。
私にとっての悪魔。Ｍにとっての悪魔。KHにとっての悪魔。そして−MKにとっての悪魔。みんな違う悪魔を拭い切れないでいる。
KHは、それを食べる行為で追い払おうとしている。
でも、もうその一番原始的な方法は終わりにしたいと切に願う。
それだけの力は、もうついているはずだから。
食べたいという避難方法を、何か違うものに昇華させよう。
今なら、きっと出来る。
| 2005年12月13日(火) | 再びK�� |
僕が連続で日記を書くのは珍しいことだ。
でも、今回の事は記録人格としてきっちり書いておかねばならない。
チリちゃんの手に、僕らが怪我をさせてしまった。
原因は、外泊中の月曜日の昼頃、まき子ちゃんが調理用ハサミをお腹に突き刺して自傷しようとした事だ。とっさに庇ってくれたチリちゃんの手に、1．5cmほどの傷をつけてしまった。
最初はどうなったのか分からなかった。傷はぱくっと口を開けていて、血など出ていなかったから。
でも、そこから血が滲み出すにつれ、凄まじいパニックが僕らを襲ってきた。
チリちゃんは平気な顔をしていた。多分、努めてそうしてくれていたんだろう。
凍り付いたまき子ちゃんを抱き寄せて、いつもの明るいチリちゃんの声で「大丈夫やで、マッキー」と言ってくれた。それから、「ウチはお姉たちを助けるためにここにいるんやから」とか、「これくらいの傷ですんで、お姉らの腹に刺さらんでほんまよかった」とか色々言ってくれた。でも、僕らのパニックは続いたままだった。Ｋ�，�何度も「ごめんなさい」と「大丈夫？」を涙声で繰り返すたびに、チリちゃんは「大丈夫」と答えてくれた。
本当は、その日の夕方までが外泊期間だったんだけれど、パニックに陥った僕らは取りあえず病院に帰ることにした。
母に電話をしたら飛んで来てくれた。最初は兄人格のＹが電話をかけたのだが、母の『もしもし？』という言葉を聞いた瞬間に我慢できなくなったＫ�，�飛び出して『チリちゃんに怪我させちゃった』と泣き付いたので、母も随分肝を潰したと思う。「直ぐ行く！」と言う一言で電話は切られた。すぐにチリちゃんがかけなおして「大丈夫やで。だからゆっくり来てな」と言ってくれたのだが。
とにかく、偶然にも家の近くまで来てくれていた母はあっと言う間に駆け付けてくれ、チリちゃんと二人で病院に送ってくれた。二人とも、一言も僕らを責めなかった。それどころか、母もチリちゃんがしてくれたのと同じように僕らをぎゅっとかたく抱き締めてくれ、「大丈夫。MKちゃんが辛いのは皆知ってる」と言ってくれた。
僕らは言葉もなかった。病院に着くまで、二人は本当に僕らを気遣ってくれた。
その後もチリちゃんはこまめにメールをくれたし、寝る前、母に電話をしたときも彼女は冗談を言って僕らを安心させようとしてくれた。
怪我をさせたのは僕らのほうなのに。
悪いのは、MKちゃんを止められなかった僕らのほうなのに。
MKちゃんは、その日夜勤で普段から『私』と仲が良いMR看護婦さんに「そんなつもりじゃなかった。あんなことをするつもりじゃなかった」「自分が切るよりずっと痛い」と泣きながら話していた。
「自分が切るよりずっと痛い」
この事の意味を、MKちゃんが深くとらえてくれれば、と思う。
チリちゃんと母の二人が、どうして怒らなかったか、普段から何故いつも心配しすぎるほど心配してくれるのかが解ってくれれば、と思う。
チリちゃん、今回は本当にごめんね。そして有難う。
お母さん、心配かけてごめんなさい。そして有難う。
| 2005年12月09日(金) | By K�� |
先日、「いなくなっちゃえ」といわれた事を日記に書いた。
そのあと、MKちゃんの言うことが少し変わった。
「手首切りたい」「死にたい」というのは変わらないが、「私は死にたいのにどうしてここにいるのか」という事がそこに加わった。
あからさまに「いなくなっちゃえ」といわれた事に対する反応だと思う。
僕は、最初聞いたとき、涙が止まらなかった。
どうしてこうなっちゃうんだろうか。誰も何も悪くないのに、どうしてこんなことになてしまうんだろうか。
あと、本当は僕がここで泣いたと告白するのも恥ずかしいことだと思う。
泣いた事が恥ずかしいのではなく、こうやって皆が頑張っている中で泣いてしまったのが恥ずかしいのだ。それをわざわざこうやって告白するのも恥ずかしい。でも、今日は調子が悪く日記が書けないＰちゃんから「その事も書いていいと思うよ」といわれたので恥ずかしながら書いた。スイマセン。
そんな事はどうでもいいんだけど。
小川洋子という『私』が好きな作家さん（芥川賞受賞作家）の「博士の愛した数式」という本が映画化されると聞いた。観に行ければいいなとＰちゃんとＣちゃんが話していた。ダーリンのＳさんに付いて行ってもらえば大丈夫だろうと思ったが、そのＳさんも今大変なのだった。内容はここでは伏せるが（これは書いていいとＰちゃんに許可をもらってないから）とにかく大変で、こっちの皆がとても心配している。心配している事が少しでも楽になる種になればいいのになと思う。
あと、話は変わるが、チリちゃんの幼馴染で『私』の弟分のWK君が新天地に移動することになった。今まで身体的にも精神的にも苦労してきたが、これからの活躍を祈りたい。
| 2005年12月02日(金) | ＡＴのこと |
久しぶりに金曜日のＡＴに出る事が出来ました。ばんざーい（＾０＾）
今私が来ているＡＴは、「作業棟」といわれる建物で行われている「並行活動」というものです。他の病棟の人や外来の人たち15人くらいで、それぞれ担当作業療法士さん二人の指導のもと、好きな事をする活動です。
あと、病棟ＡＴというものがあります。これは、作業療法士さんが2〜3人週2回病棟の方に来てくれて、病棟全体で何か活動をするというものです。
たとえば、皆で歌を歌ったり、室内ゲームをしたり。
『私』は、以前この病棟活動がとても苦手で、入院してからずっと出席せずにいました。もちろん強制ではない訳ですから、それでもよかったのですけれど、何か引け目のようなものを感じていました。
でも、ここ最近は違うんです。
出られるんです。病棟活動に。
誰かに出ろと叱責されたのでもなく、誰かに出ようよと誘われたのでもなく、出席できるようになったんです。
これは、私たちにとってすごく自信につながる出来事でした。
まず最初に、作業療法士のＵさんとＨさんが、とても素晴らしい方たちで、Ｋ�，�徐々に懐いていったことが大きいと思います。特にＨさんは女性の方なのですが、Ｋ�，�とても信頼を置いている「ＡＴのお姉さん」なのです。Ｕさんは男性の方で、作業療法士長のような存在で、この方もずっと私たちの治療の一環に関わって下さっている力強い存在です。
次に、やっぱり『私』が落ち着いてきた事が大きいと思います。
ここに書くのはどうしてもMKのこと中心になってしまいますが、その他の人格も、毎日を乗り切るために（手前味噌ながら）いつも頑張っていて、以前はそれが「毎日を乗り切る」だけでいっぱいいっぱいだけだったのが、最近はちょっと変わってきたんだと思います。自分たちにとって大きい喜びです。
本当にいろいろな事が変わりました。
MTは最近禁煙を始めたし、Riは人前で男性看護師さんに抱きつくのを自粛しているようだし（時々やってますけど/笑）、以前ここでご報告したようにKHという融合した人格もいます。全てはとてもゆっくり、でも確実に動いていると私は思います。
あとは、それを「怖くないんだ」とどうMKに伝えるか、です。
例えば、私たちのいる閉鎖病棟の扉が一瞬開くとき（毎食時の搬入搬出や患者さんのリハビリのお出迎えなど）いつもMKは外に出ようと駆け出します。「外に出て剃刀を買って手首を切るんだ」と叫びながら病室に連れ戻されます。お薬を飲んで誰かが交代してあげられる状態になるまで、とても彼女は怯えています。何も怖くないのに。誰も怒ってやいやしないのに。
変わったんだよ、怖くないんだよ、と一日でも一瞬でも早く伝えてあげたい。
そう思いながら、ＡＴ活動に励む私たちでした。
