2003年01月08日(水) |
術(anotherworld version) |
「こっちはノック・・・するところがないのだが?」
「おめーは(´¬`)」
ここは、普通の人が見る事のない世界。
「で、ここの暮らしはどうだい?」
「・・・・」
「一人じゃつまらんのか?」
「・・・・」
恐ろしく「無」の世界。
始まりもなければ終わりもない、本当に何もない世界。
目を開けられれば、そこにはベッドとペットとピアスと・・・
「さて・・・どうなるかわからんが、今日はお前に術をかけに来た」
「え・・・」
「大好きな・・・にも逢えるぞ、きっと」
「な・・・うるさいよ、お前は」
「そういう強がりを、あっちでも言って欲しいもんだな、穴あきお嬢さん」
「てめぇって奴は・・・」
強がりも出たところで、不意に呪文を吐いた。
お嬢さんは無の世界で崩れ落ちた。
「さて・・・疏埜馥にかけたのと同じ呪文が効けばいいが・・・ 後は、お前の「生きたい」という気持ち、過去の自分に打ち勝つ気持ち、そして全てを受け入れられるゆとりが有るかどうか。 まぁ・・・なるようにしかならんだろうが・・・・」
今日もペットは唸り声を上げる。 主は、ぴくりとも動かない。
「いきなり起きても、びっくりするなよ、な。」
そういって、唸るペットの頭を撫でまくって帰った。
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