けふの大福帳。


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2002年05月09日(木)    排水溝

排水溝には猫がいる。

背中が黒いの、そいつ。手足とおなかは白いの。

で、黒い背中だけ見せて、排水溝にいんの。

「なぁー」と、鳴く

だだっぴろい駐車場があって、それを緑のフェンスが取り囲む。
雑草だらけで、ちっさな木まで生えて、枯れた葉も草も、ゴミといっしょくたに排水溝を埋めてる。

その排水溝をさらにふたしてるのが猫。

いっつもいる。だから私は下見て歩いてる。
見かけると声をかける。
「よっ!げんき?」

なにも持ってないときはそのまま素通り。

しゃがみこんで話し掛けると、猫も「なぁー」っと鳴くけれど、なにも持ってないやつには興味ないんだ。

「邪魔くさいなぁ」と、鳴く


猫のいるあたりのフェンスの側は、猫缶の空いたのや、おわんが落ちてる。あとアルミホイルとかね。
だから食べてるんだと思う。
でも、エサやりのあとのゴミは、捨てた方がいいと思うな。ネコギライの批難の的だもの。


猫はエサを食べる。

エサがあると察知すると、猫はフェンスに頭をすりつける。

「おくれ〜」と、鳴く

ビニール製の袋をやぶって、近くにまいてやる。
フェンスの下には猫のくぐれる高さはなくて、もどかしげに手をだす。爪も出てる。

「おまえよぉ、ちっとおとなしく待ってられんのかね」
「なぁー、なぁあ゛ー」

ガシガシっ!←爪出てるの

「食え食え」

しばらく見守って、立ち上がる。「ばいばい」とか言ってみるけど、猫は聞いてない。





だから、いつも下を見て歩いてた。

だだっぴろい駐車場はゴミだらけで、車は一台もなかった。
駐車場はいつだって、管理小屋の中の管理人(一応いるらしい)と猫だけ。

土地はあまらせておきたくないみたい。

人間の考える駐車場の有効利用。猫の考える排水溝の有効利用。

フェンスのぐるりに工事用のビニールシート。排水溝は見えなくなった。
でも下を見て歩いてる。


「カラスを狩って食ったという噂がある猫だから、元気だろう。」と、天佑は考える。





せめて鳩でも食べてりゃいーんだが・・・・

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