前回の文章を読んだ数人の方から「オリオンズってどんなの?」と質問されたんで、詳しいプロフィールは知らないがもう少し彼らについて書きたい。 GSをはじめ日本の大衆音楽史の研究の権威、黒沢進先生が「ロック画報」誌上で高く評価したバンドで、俺も京都で初めて見た時にはぶっ飛んだ。オックスはローリング・ストーンズ・ナンバー「テル・ミー」で失神するのは有名な話だが、そのとき彼らはロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」を劇的なパフォーマンスでやっていた。「テル・ミー」は初期ストーンズのオリジナルであり「ビー・マイ・ベイビー」を参考にして作曲されたのだ。その辺は無意識なのか意識的なのかは謎だが、本当はものすごいテクニックのある人たちがわからないようにワザとヘタクソにやっているのかも(褒めています)。 60年代のストーンズの『ガット・ライブ・イフ〜』とか、いくつかのGSのライブ盤を聴くと、得体の知れないメチャクチャなパワーを感じるよね。まだチューニングメーターは発明されていないし、ステージ上のモニターもまともにない時代で、演奏する方はやりずらいのが当たり前で大変だったそうだけど、そうゆうライブならではの微妙なズレみたいなものが、下手な演奏ということでは片付けられない独特のグルーヴを生み出していた。それは今のバンドには出来ない60年代ならではの魅力でもあるのだが、オリオンズの演奏はまさしくそんな感じ。爆笑だが感動的である。5月4日が楽しみだ。
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