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2005年07月14日(木) 7月13日は。

■去年の今頃、わたしはあまりに大変な仕事に参加していて、朝から晩まで稽古場にいた。で、恋人に会う暇もなかった。しかも家のエアコンが壊れていて、修理を頼むことも新規購入する時間もなく、サウナの夜を過ごしていた。
 そして去年の7月13日。恋人と空き時間がたまたま重なったので、わたしは新宿の某有名ホテルの一室を予約した。ネットで予約すると割引になるプランで、それだけでも贅沢だったのに、チェックインしようとすると、予約のクラスの喫煙部屋が満室ということで、なんとジュニアスウィートの部屋に案内された。新宿の夜景を高層階から眺めながら、だだっ広い三部屋ぶち抜きを飛び回りながら、たかだか夜10時から朝10時までの12時間、それでも幸福に過ごして、翌日からの元気を蓄えた。

 そして、今年。またまた仕事の休みが重なるのが7月13日だったので、これも何かの思し召しと、わたしはまた高級ホテルを予約。ちょっと贅沢めのダブルをとってチェックインしようとしたら、またしても喫煙部屋が満室。エグゼクティブフロアなる、贅沢極まりない部屋に通された。いやはや、二年続きの大当たり。
 思いがけない心地よい部屋に、恋人と二人、おおはしゃぎ。夜景を楽しみつつワインを二本空けたら、最近神経がたって眠りを奪われていた恋人は、縦横同寸のでっかいベッドに転がるようにして眠ってしまう。肌触りのよい真っ白なシーツと羽布団からのぞく幸せそうな彼の寝顔を楽しみながら、わたしは静かな部屋で読書を楽しんだ。

 というわけで、7月13日は、ホテルの日なのだ。
 こうなると、来年も、と、思いたくなるが、いやいや、偶然は、予期しないから起こるし、偶然を必然と思いこんだ途端、人生はつまらなくなってしまう。

■昨日、心と体の疲れや憂さをすっかりぬぐい取る休日を過ごしたというのに、さっき電話で話したら、お互いにまた、新しい疲れや憂さを貯めている。たった一日のリラックスなんて、何の役にもたっていないように思えるほどに。でも、まあ、そうこうして過ごしているから、休日その時だけでもその有り難みを大きく感じるし、休日の女神様だって微笑んでくれるのだ。……頑張って、この日々、日々を、乗り越えていくこと。


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