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2001年07月19日(木) このところ。引き続き。

 このところ。
 わたしは仕事しかしていなくって。それで、仕事するわたしがどうにも一人歩きしてしまって、困ってしまうことしばしば。
 今夜も、突然、招ばれた宴席でヴィップ扱いされて戸惑ってしまった。ある有名なる歌手の演技指導をずっとしていただけのことで、彼女の信頼を得ているだけのことで、各界のお偉方が腰を低くしてわたしに名刺を差し出すのである。
 もう見るものすべてが「不自然」で、面白くって仕方ない。

 わたしは常に、相手が誰であろうがやるべきことをやっている。しかし、今夜わたしに平身低頭していた親父たちは、いったい何を根拠に仕事しているのか? 少なくとも、わたしを大事に、立てることが、今夜、大歌手の機嫌を損なわない近道に思えたのだろうなあ。

 なんだか哀しい。

 哀しい中で、なんとか、つまんないことに左右されず、自分のやるべきことを見つめていきたいと思う。
 権威に溺れていく大人たちのことが、少しずつ我が身のこととして分かるようになる。ただ、現在の仕事を離れてしまえば、わたしは相変わらず誰でもない。
 そのギャップをたのしみながら、わたしは自分のやるべきことを今夜も考える。

 話は変わり。ハリー・ポッターを読んでいるうち、幼い頃ならではの恐怖感を思いだして、空き時間に立ち寄った本屋で化け物怪獣の図鑑を買ってきた。

 ウルトラQとウルトラマンで育ったわたしは、今でも夢の中で、神出鬼没の「ダダ」に襲われる。アナ・トレントとフランケンシュタインの関係ほど美しくはないが、わたしの幼児期に、ダダがどんなに影響を及ぼしたか・・・・。

 決まり切ったように見える世の中で、何を正常とみなして生きていくのか。
 
 いやいや、長らく疑いもなく常識と見なしていた感覚を、あっさりと無に帰して新たに「識」を組み直すことが、現在の表現者に課されていることなのだろうと思う。

 仕事をしている時間以外。毎日溺れて、毎日酔っぱらって、わたしは現在どうしようもない人だ。

 まともな自分が帰ってくるまで、待っててやろうかなと思っている。

 それまでは、ここに書いていることも支離滅裂なことになるかもしれない。

 この日記を書き始めて、最大の危機だな。だって、書かなくっても生きていけるし、書くべきことは余りに複雑なのだもの・・・・。


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