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2001年06月09日(土) 悲惨な事件から一夜明けて。

 朝の電車で熟睡していたら、たっくさん席が空いているのに、男の人が隣に座ってきた。「いやな感じ」と思いつつ眠気に負けてそのまま寝続ける。電車の揺れに隣の男と一緒に目を覚まして、ようやくスタッフ仲間だと気づく。「お早う」と声をかけあい、彼はわたしが持っていた朝刊を読み、話題は昨日の小学生殺傷事件へ。
 彼には、昨日不幸にあった児童と同い年の娘がいる。何かと話題にのぼる、彼には目の中にいれても痛くない娘たち。
 新聞を眉根に皺を寄せて読む彼を見ていると、自分の父を思い出す。無口で人付き合いが悪く、気難しい人だが、わたしをどれだけか愛してくれた。受験勉強で徹夜を続けた日々、美味しいコーヒーを毎晩いれてくれたことを、夜中の台所で、ふくらんでいくコーヒー豆の白い泡を見ながら、ふと思い出したりする。わたしはなーんの親孝行もせずこれまで過ごしてきたが、こうしてとりあえずは人の役にたって元気に働いていることが、多少は孝行と呼べるかもしれない、と思ったり。
 話はもどって、その同僚の彼は、わたしの父とはまったく違うタイプの父親。賑やかで、スケベで、いかにも関西人。(仕事はデキルが、それはまた別の話)
 楽屋で、娘と風呂に入ってちんちんを握られて反応してしまい困った話(失礼!)など聞いていると、楽しくってしかたない。
 ああ、すべての子供たちが痛い目に遭わないように! と願う一方、若年層の犯罪は増えるばかり。そしてまた、人を傷つける者も、かつては当然、誰かの大事な子供であったわけだ。
 生きているということは楽しいけれど、同時に悲しいことをどんどん我が身に刻みつけていくことでもある。

 さて。今日もよく働いた。自戒や反省はあっても、とりあえず一杯に働いた。そして、また明日に続いていく。


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