ドライブの遠足


朝起きたら、あの人からメールが来る。

「少し時間ができて暇なんだ」

休日にメールが来るのは初めて。
打つのも面倒臭かったので、電話をかける。

少し世間話をして、向こうが迎えに来てくれる話になる。
大変。
急いでお風呂に入って、支度をする。
マスカラは念入りに。

支度が完了しないうちに、向こうが到着。
髪の毛が乾かないまま、急いで向かう。

「昨日はすみませんでした」
「いえいえ、お互い酔っ払いでしたから」
「今日は予防接種してきたので、多分大丈夫です。
 たまに、あなたは心臓に悪いことを言うから」
「そうかなぁ。そんなことないですよ」
「じゃあ、私が海老で鯛を釣られちゃっているみたいです」

手を繋ぎたいけど、できない。
がまん、がまん。

他の男の子と一緒にいても、まったく意識しないのに、
一緒にいるだけで緊張する。

40分ぐらいしたら、限界がきて、手を握ってしまう。
おっきな手。
手のひらが、私の2倍くらいある。

待ち合わせている友達との電話のやりとりを聞いて、笑われる。

「仕事の口調と全然違うね」

明らかに大人顔。

「そう言えば、何で「時間がある」なんてメールくれたんですか?
 会いたくなっちゃうじゃないですか」
「時間作るって、言ったでしょ?」

おーい。違うってば。

次はお花見デートができたらいいね、なんて話をして、お別れ。
もっと一緒にいたかったのにな。

腹5分目くらいが丁度いいのかも。

どうしよう、私。
どんどん惹かれていってる。

2006年03月25日(土)