あと僅か


会社を休んだ。

マコとの最後の時間を一緒に過ごした。
姉の提案で、死後、ずっと手を握っていた。

そうしたら、冷たいマコの身体が段々温かくなってきて、
硬直した身体が柔らかくなっていった。
家族の思いが通じたのだろうか。


夜中に両親の部屋で一緒に寝るのは、当たり前の光景で、
姉と12時頃に、「マコ、和室に連れていったよ」と話すのも
1ヶ月振りだった。

静かな時が、どこか懐かしい。
当たり前のことが、当たり前でなくなったのは僅か1ヶ月。
苦しい夜を過ごしたのは、たった30日程度のことだったんだ。

お互い、言葉が詰まる思いを抱きながら、
1日を過ごした。

マコが亡くなってから、家族は変わった。
距離が近くなった。
遠くはなかったけれど、芯の部分で上手く分かり合えた気がする。

明日は家にいる最後の日だね。
ようやくお散歩に行けるよ。

2004年02月12日(木)