ウェブ日記
2007年02月06日(火) シンガポール初訪問
シンガポール初訪問

機内で良く寝られないまま7時過ぎチャンギ空港着。 10時過ぎに空くらしいが、 今回もトランジットホテルは満員。 ATMでシンガポールドル200ドル--約16000円?--を引き出し、 最寄りのカフェ"Pacific Coffee"でショートラテ --4.4ドルは高かった-- を頂いて休憩。 応対したのは30代に見える細みの、 ちょっとやつれた、日本でも見かけそうな比較的きれいな女性。 黒板に金釘みたいな本当に汚い字 --彼女の字でないように--で書かれたのは 「不運な時は時間が無い」とかいう日替わりの文句。

シンガポールへの入国は簡単だった。 出国時提出する半券を無くさないよう気を付ける。

日本以外のアジアの地を踏んだのは初めてである。 どうしてシンガポールに寄ったかというと、 単に安い航空券を買ったから。 それに本場のラクサ(Laksa)を食べてみたかったから。

地図等の資料を手に入れようと思い、 近くにあったシンガポール・ビジターセンターを訪れ、 日本語の地図を取ったら、 現地のある中年女性に「日本の方ですか」と(日本語で)聞かれる。 海外で現地人と日本語で喋ることはそんなにないので慣れない。 無料バスが利用できるというので利用。 バスを待つ間彼女から土産に「富貴花開」と書かれた赤い袋を頂く。 中には「紅包(日本のお年玉のようなもの)」と 正月に飾る「福」の字についての説明の書かれたステッカーが入っていた。 今は正月前なのだ。

9時にバスに乗る。 見慣れない高層住宅の林立や熱帯の大木の並木を眺めながら、 リトルインディアに到着。 店はまだほとんど開いていなかったし、 こちらにはまだ興味が無かったので リトルインディアを縦断するセラングーンロード(Serangoon Road)を南下して抜ける。 途中花輪が店頭で売られているのを何度か見る。 蜜蜂が留まるので身に着けるのはなかなかスリリングかも。 多分これは宗教的な行事用だろう。

シンガポールの歩行者用信号の青信号の明りに見える歩行者は 右向きで、豪州のそれとは逆なのが興味深かった。

オーチャードロード --ここに高級ブランド店や日本の百貨店がひしめく--に入る。 時差ボケと疲労に悩まされる。 往路で寄れたら良かったのだが。

スターバックス・オーチャードロード店で ドピオエスプレッソ(4ドル)とエクレア(2.8ドル)を頂いて一休み。 エスプレッソは懐かしい味。 エクレアは少しパイ生地になっていて 食感は日本のと豪州のそれらの間のような感じ。 日本にいたときの癖で使用した食器とトレイを片付けようとして、 トレイ置場が無くて困ってしまう。 本当に見かけが日本にも居そうな普通の小父さんが親切にも、 トレイを置けそうな場所を指してくれたけど、 結局バリスタに渡す。

その後色んな店を覗きながら高島屋に入る。 日本の店がたくさんで呆れる。 特別催し場では正月用の菓子が売られていて賑わっていた。

ここの地下、ハーブティー売場の比較的若い男の店員が、 私が日本人と知るとメールアドレスを教えろとしつこく言う。 何に使うのかと聞くとこの売場の情報と個人的な目的でと答える。 ずうずうしい奴である。 何者か色々訊いたら 彼はフィリピン人で、マニラの大学を出てこちらで働いているという。 親戚が世界のあちこちに居ると言う。 私が豪州に留学中と知ると、 学費は幾らくらいか、 就労ビザは取りやすいか等々聞いて来た。 学費は米国よりは安く --彼の場合は大丈夫とは思ったけど、 具体的な額を言うとこちらの蓄えや収入等を見積もられ、 こちらの金や物を貰おうとする輩が地球上にたくさんいるので注意-- そちらは大学を出ているからビザの取得は比較的容易ではないかと答える。 こちらが未婚と知ると良い女性を紹介するよとまで言う。 誰が初対面の、素性の知らぬ奴の紹介を受けるか、 全くずうずうしい。 でも彼に商品 --ものはとても良かった。でも要らなかったし豪州の検疫は厳しいので 何も買わなかった-- の説明をさせたら、きちんとできたので 根は悪くはないようだった。 彼がしつこく知りたがるので 大学のメールアドレスだけ教え、 業務目的で使えと言っておいた。 今この日記は2月24日に書いているのだが、 今のところ彼(の店)からはメールは来ていない。

高島屋地下で吉野屋を発見。 メニューを見たら野菜がかなりの量盛られていた。 この牛丼屋は海外だと健康的かも。

更にオーチャードロードを歩いて、 ロッジのシンガポールからの留学生 --残念ながら彼は年末のアルバイトで忙し過ぎて会えなかった-- の勧めたWisma Atria --ここには伊勢丹が入っている-- に入り、 4階のFood Republicでラクサ大(4.5ドル)をおいしく頂く。 とにかくこのフードコートは賑わっていた。 ここのラクサは豪州のそれとは全く違う。 麺が豪州では福建麺なのに対しこちらはゴムのように良く伸びる米粉、 薄揚に似た揚げ物が入っている等々。 スープも全く違う。 大体こちらの方が安い。 予想していたけど、 日本と違いこちらの人は男女を問わず、 偏食せずたくさん食べる。 それなのにどうして彼らは背が低いのだろう? また、私と同じテーブルの隣の空席に若い女性2人が ここは空いているかと聞き、はいと返事したら 何の躊躇もなくすぐ空席を占領したのも 日本以外のアジアらしい光景である。

フードコートへエスカレーターで移動中 側面の鏡に両頬だけこげ茶色に日焼けした 自分の顔を見て仰天。 おまけに飛行機に乗っていてひげが暫く剃れなかったので醜い不精ひげ姿。 警察に通報されねば良いが。

この建物でノキアの店があったので、 南アを出て使用不能になった、 あちらで買ったこの会社の携帯電話を 店員の若い女性に示し、 どうしたら使えるようになるか聞いたところ、 何と「南アのオペレータに電話してください」と返事。 圏外からどう通話しろというのだ? ケータイには詳しくないので通話は豪州に戻って再開することに。

オーチャードロードの西端でワインショップを見つけたので 入ったらあまり品数が無かったうえ、 こちらの身分を知らない若いスーツ姿の男の店員に どこか不審そうな目で見られてしまった。

さて十分歩いたし次に行きたい所は遠いし、 こちらの交通も使ってみたかったのでいざ地下鉄(MRT)へ。 オーチャードロード沿いにあるオーチャード駅に入る。 地下鉄に乗るには切符の代りにスイカやイコカ --まだあるのかな--のようなICカードを買う。 このカード自体は1ドルで後で返却と返金ができる。 このカードを、行き先までの料金も払いながら自販機で買う (カードに行き先までの料金がチャージされる)。 カードに運賃をリチャージする方法が分からなかったので カードはいちいち返却して再購入する羽目に。 おまけにある駅の切符の自販機は10ドル以上の紙幣も使えるはずが 使えなかったりして、なかなか不便だった。

ドービーゴート --Dhoby Ghautと見慣れない綴り-- 駅で乗り換えてOutram Park駅で下車、 チャイナタウンを歩く。 正月前で街には飾りが目立つ。

芳林苑(Hong Lim Complex)という 屋台が集まったような3階建くらいのビルを発見。 ある店で、 あちこちの店で売られて気になっていた 馬蹄果(water chestnut)ジュースを$2で買って頂く。 眉の濃い小父さんが「食べな」と言って切ったばかりの メロンを出したので1切れ頂いたら後で$1払わされた。 なるほど…ここでの商売はこうやるんだ。 あ、ジュースはおいしかったです。 ほんと、どこか栗みたいな味がして。 ここで安く食事ができるし、 この国出身のロッジの住人の好物というMushroom minced pork noodleらしきものも見つけたので 夕食はここで頂こうと決めた。

帰りのバスの発着所を確認すべく 地下鉄に乗り、 ドービーゴートで乗り換えて 市役所前で下車。 乗り換えの通路を案内板で探していると ある若い男が案内しようかと話しかける。 日本人かと聞くのでそうだと答えたら --見かけがシンガポール人と違って見えるはずなので別に不思議ではない-- メールアドレスを教えてくれないか、 日本について知りたいと、 ハーブティー売場の男と全く同様のことを言う。 持ってないよと言って去る。

帰りの送迎バスの発着所を探すため 市役所前駅からシティーリンクモール(City Link Mall)を通って サンテック・シティーモール(Suntec City Mall)へ。 ここには5つ以上の大きな建物が林立しているので 何度も迷った。

途中サトウキビジュースを頂く。確か1.5ドル。 若い男が生のサトウキビを搾り機で搾るのを見て感激したら 彼も喜んでいた。 初めて飲んだ感想は抹茶ドリンクをもっと「天然」にした感じ。 意外とすっきりした味でおいしかった。

1時間以上モールとその周りをさ迷った後、無事バスの発着所を発見、確認。 このモールで一番目立つ「財富之泉(Fountain of Wealth)」を訪問。 モールのビル群に囲まれた中庭にある巨大な人工の泉で、 理科の実験で使うガスバーナーやアルコールランプ用の鉄棒製の五徳を巨大化させたような 金色の建造物が泉全体をまたぐように据えられている。 ここで願いがかけられるという。 願いのかけ方は、

  1. 右手で噴水の水に触れる
  2. 願いをかける
  3. 時計回りに3回泉の周りを回る

豪州では私はあと4年で中年とそんなに人生が長くないので、 留学前からの私を願いをしっかりかけた。 私の願いは、 日本以外の教会で受洗して --日本のプロテスタント教会は自虐史観に汚染されているし神道を避けるので不可--、 日本国籍を返上して、 家庭的で信心深いきれいな女性 --典型的な南ア女性--をめとって家族を持って、 ケープダッチの家に住んで 美しい深緑の葡萄畑を所有することです。 あとガールフレンドが欲しいし、 転勤のトラウマ --恥ずかしいことにまだ持っている、学生をやっているのも一因-- と訣別して好きな仕事を見つけたいです。

夕方になったので食事をするため再び中華街へ。 芳林苑のある店で Mushroom minced pork noodle ($2.5)を頂く。 食事中身なりの良くない中年女性が、 ちょっとふらふらと歩きながら客のいるテーブルにポケットティッシュを配り始めた。 私の席にも置こうとしたので、ノー、要らないとはっきり断って受け取らなかった。 このビルでの商売を知ってしまったから。 受け取ると金を払わされるから。 商売とは言え女性に荒い語気で答えるのが辛かったので もうここへは来ない。 1、2ドル多く払っても気持ち良く食事できる別の店を探します。 でも店主の愛想が比較的良かったのがありがたかったし、 料理自体は素朴で飽きの来ない味だった。 ともあれ、今回のシンガポール訪問の目的はこれで済ませた。

外は段々暗くなって行く。 中華街の飾り付けやラッフルズホテルの写真を撮りながら サンテックに戻り、 20:45バスでチャンギ空港へ。 21時過ぎ着。 Plaza Premium Loungeトランジットホテルでシャワーを浴びて体を洗って着替えして --スタッフが両替できない硬貨を親切にも紙幣に両替してくれた!--、 あるイタリア風カフェで送迎バスの利用の際貰った食券を利用して 小さなマッシュルームとトマトのピザとスプライトと頂いてリフレッシュ。 シンガポール・ビジター・センターにアンケートを渡し、 豪州へ持って帰っても両替できないので、 南ア、シンガポールと何故かニュージーランドの各国の小銭全部を空港内の募金箱に放り込んで、 またシンガポール航空に搭乗。 機内ではロイボス茶とシンガポールスリング--これは初めて--を頂く。 このカクテルが好きになったから、 シンガポールをまた訪れて色んな店でこのカクテルを飲み比べねばなるまい。 親切な人も多かったし。


ハッピーパイパー
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