世界お遍路 千夜一夜旅日記

2007年08月21日(火) 土門拳記念館

7時9分発の電車で北へ。
村上、鶴岡、酒田、秋田、と乗り換えて弘前が終点の予定だが、途中、酒田で3時間弱、秋田で1時間半ほどの時間がある。
酒田は土門拳記念館に行きたかったのでちょうどよい。
秋田は、夕方中食タイムにちょうどgood。稲庭うどんでも食すか、比内鶏だわ。

さて、村上からの乗り換え、なんと今どき珍しい冷房無し車が連結されている。
窓いっぱいに開けて乗った。
外のさまざまなにおいがしてくる。
とくに、葛の花の甘い匂いがよかった。さらには、何しろ、海岸線をとつとつと走るので、潮の香りが、海を汚す大きな工場など皆無のところなんで、海がきれいだ。笹川流れは、きれいで有名だ。
座っていてもお腹はすく。酒田に着く前にコンビニで買ったおにぎりで早い昼ご飯だ。
酒田着、12時45分。駅前から、るんるんバスとかいう市内循環バスに乗る。
かつて江戸期、酒田は「本間の殿様」といわれる大商人だったかお金持ちがいて、北前船の寄港地で栄えたところのはずだけど。最上川を経由して集まってくる品々がここから運ばれた街のはずだけど、今は昔、古びた田舎町だ。
さて、土門拳記念館。
かっこよし。
建築は、谷口なんとかというこれができた当時の売れっ子建築家の設計だし、中庭のデザインは、勅使河原宏さんだし、外に立つ「土門拳さん」なるスタチューは、イサム・ノグチ。拳湖とかいう池の名付け親と文字はなんと草野心平さん。ほっほう、だった。
中はちょうど、「世界の子どもたち」展をしていた。
いつか見たかったんだけど・・よかった。
土門さんの筑豊の子どもたちを初めとした子どもをとったシリーズと対比させながら見られるが・・・でも、要するに子どもの世界は大人の世界の凝縮だ。
大人が幸せなら、子どもも幸せだ。
ってこと。
古寺巡礼、もちろんよかったが・・・わたしをグサーーと、ビビーーと感動させた作品があった。
それは、唐招提寺の金堂の千手観音さんの手を取った作品だ。
マジに、ぐはーーーと震えた。
こういうの、久しぶり。これは写真にしかできない仕事。
打たれたね。
原爆の写真もマッコウ勝負。
血が通っているのだ。
帰り、千手観音の手の絵はがきがほしくて、ショップで聞いたら「これですか」って指さされたのがポスター。
「亀倉雄策さんのデザインです」とさりげなく。
ほうううう・・あの東京オリンピックのポスター作りで有名なお方も、この写真を土門拳記念館のポスターつくりの作品として選んでいたのか。
何だか、自分の目がけっこういいせんいってんジャンと思えた瞬間。
やっぱり、あの手の写真、亀倉さんも、写真でしかなしえない仕事と思ったのだろう。
送ってもらうことにして買った、1500円也。

15時37分再乗車。
売店で、ズンだ豆アイス、260円を買って。うまかったよ。

17時20分、秋田。
駅ビルのお店で、稲庭うどん付きの海鮮丼と田沢湖ビール。
うどん、ビールうまし。

18時40分、今度は最終目的地の弘前へ。着21時50分。
駅前のホテルに。
今日一日で「ガンに生かされて」を読了。
「天国で君に会えたら」の作者だよね。

明日は白神山地だ。



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