世界お遍路 千夜一夜旅日記

2007年04月29日(日) 出羽三山神社へ

7時53分発新幹線で新潟、8時33分のいなほで山形県鶴岡。
鶴岡から10時37分の出羽三山神社行きのバス。
ふもとの出羽センターには11時15分に着。
ずっと、幻のようにまっ白な月山が、バスの窓から見えている。
うつくし。
しかし、後ろのご夫婦連れのだんなさん「鳥海山が見えているぞ」なんていう。
ちがうって・・・・もう振り向いて月山ですよ・・・ていいたくしょうがないおせっかいもの私。
でも、黙ってた。だってものすごく気分よさそうに言っているし。
しかし、そのうちに「あれ・・ちがうか・・鳥海山・・じゃくて月山か・・なあ・・いや・・・」
とおくさんによびかけるも、奥さん「さあ」
ついに「月山です」
とわたしが口を挟んでしまい。
「あ、どうも、ありがとうございます」
とおくさん。
小2年の通知票から何度も「自分のことができていなくても、人の世話をしますとか「お節介焼きです」とか幾度となく書かれているワタクシメ・・この期に及んでもその癖とれず。
でも、フンって言われなくてよかったわ。

でも月山、存在感あるお山です。
好きになった。

いよいよ、出羽山伏エリアにはいった。
通りの両側には、講の人たちの宿である宿坊が続く。
ふつうの民家風から、大きなお社風までさまざま。
羽黒センターのすぐそばに羽黒高校があった。
昔の表現塾に来ていた大ちゃんがはるばると川崎からここへ入学して、高校野球で大活躍したんだけれど・・・そうかこんなところへね。
近くにコンビニさえもないところって、お母さんが言っていたけど、イヤーまったく。
大ちゃん・・・どうしているかねえ。

さて随神門から歩く。
ここから杉並木が続く。
門をくぐるとまずは下る。
川を渡り、そばにはお不動様が祭られているのでお参り。
時々、勧請された神社のお社が続いている。

国宝の五重塔は、苔むしている姿がいかににも雪国の塔という感じでおもむきあり。
さてここからが一汗もので、二の坂、三の坂、もう見上げるような石段が延々と続く。琵琶湖べりの長命寺(西国三三観音)もまっ青。あそこもすごかったけどね。
あっちの看板読んで、こっちの神さまにお参りしてとボチボチと歩く。
芭蕉があるいた道だ。
12時前に山頂着。
神社のお社は、見事な茅葺きで大きい。うつくしい。
お社の前には池がある。
かつてはこの池がご神体だったとかで、ここから平安期以降の鏡がたくさん発見されるのだという。
それにしても、山頂によくこれだけの広さがあったなという感じの場所。
まだ雪が残っていて寒い。
お参りの後、日当たりでザックに入れてあったおにぎりを食べる。
単なるコンビニおにぎりでありますがうまーい、であります。
やはり、歩くのはいいわ。
まあ1時間足らずでしたが・・・
バス停近くの資料館へ行こうとしていたら、末弟の施設関係でお世話になっている方に声をかけられた。
アレマア、奇遇。

資料館には多数の鏡と仏像が展示。
仏像は、明治の廃仏毀釈で捨てられたり売られたりしたものを篤志家が、買い戻したり集めたりしてこちらに戻されたものとか。
これだけの仏像を見ると、つくづくと明治の廃仏毀釈がいかに野蛮なものであったかがわかる。
祖霊殿なる建物もあって、山にご先祖さんが帰るという信仰のあとが濃厚にあると思っていたけど。
神仏習合・・祖霊信仰が神社信仰と一体となった民間信仰ってこうだった、がよくかる。
出羽山伏は高齢化が進み、講たちの更新もなくて・・という問題はあるが、一般募集する秋の峰入りには都会からの参加が年縁増えて盛況だという。(パンフレットにあった。これ、私も見た、ネットで、いつか参加してみたいと思った)
ま、いずれにせよ、出羽三山巡り、させていただきたいと思っている。
今回は下見・・なんてね。

バスで、降りる。
途中、山伏温泉ゆぽかで下車。
公共日帰り温泉。350円で安い。温泉は濃い塩泉で温まる。

大阪のオバちゃんふたりと地元のおばさんが世間話をしていた。
濃い大阪弁と素朴な鶴岡弁のコンビネーションがなんとも。
日本て、広い、と思ったことであった。
鶴岡発4時36分のバスで山形へ。
月山のわきを通る。まだスキー場が営業中であった。
それにしても月山、いいわ、惚れた。

山形は、まあふつうの都市だね。
名物のそばと牛のすじ煮とビールセット、の夕食を食べてホテル入り。
9時くらいから爆睡。
いいお天気に恵まれてよかったべし。




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