おひさまの日記
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2009年11月03日(火) あなたに逢えてよかったよ

家に帰るとタバコを切らしていることに気づいた。
帰り道、コンビニにでも寄って買ってくればよかったと後悔。

そんな私にabuが言った。

「俺、買ってきてあげるよ」

私は驚いて言った。
まったくもって、どこまでよくしてくれるのだろう。

「いや、いいって、悪いよ、自分で行ってくる」

「いいから、俺が行ってくるから」

「えぇっ、そ、そぉ?
 じゃあ、お願いしようかな…
 なーんて、悪いとか言いつつ結局頼んじゃうだもんなぁ」

私、苦笑。

「そういうふうに言える自分がいいでしょ?」

abuのその言葉がじゅわぁん…と胸にしみた。

そうだ、そうなのだ。
そういうふうに言える、言えるようになった自分が、好きなのだ。
うれしいのだ。

私はどうも人に甘えるのが苦手で、受け取るのが苦手で、
昔なら、絶対に自分で買いに行っただろう。
第一、そんな時、お願い、なんて言う自分が許せなかった。

でも、今は、お願い、って言えるようになった。

それは、abuと一緒に時間を積み重ねてきたから。
慈雨のようにふりそそぐやさしさと思いやりを与えられ続けて、
それを受け取ることが素敵なんだと教えられ続けて、
そうすることができるようになってきた。

そして、そうすることでどれほどたくさんの心地よいエネルギーが巡るか、
生きることがふんわかしてあったかくてラクチンになるかを学んだ。

私の中の冷たくて固いものは、今も溶け続けている。
溶けて、溶けて、時にはあたたかい涙となって、
私から流れ出て、宇宙に帰ってゆく。

私はバツニだ。
もうすぐ43歳になる。
2回目の成人式を迎える頃、abuに出会った。
世間で言えば、おばさんの年齢、人生の半分を生きた頃だ。
でも、ただ生きてきたんじゃないんだなって、いつも思う。
abuがそう思わせてくれる。
今まで積み重ねたすべてが今の自分になるための要素をくれたんだと思える。
そう思えると、過ぎてきたすべてに感謝の気持ちが生まれる。

もちろん、過去に体験してきたことの中には、
思い出すだけではらわたが煮えくり返るほどの怒りが湧いてくることや、
どうあっても許せないと感じることはいっぱいある。
苦しかったし、もう二度とあんな思いはしたくないということも。
思い出す度、今でも生々しくドロドロした感情が湧いてくる。

それでも、そんなものがそのまま自分の中にありながらも、
それもひっくるめて、すべてがそれでよかったのだと思える。

好きな自分が増えてゆく。
許せる自分が増えてゆく。

あたりまえの毎日が、私にとってはあたりまえじゃないんだよ。

きっと、死ぬ時、私は泣くだろう。
うれしくて、あったかくて、幸せで、泣くだろう。
ありがとうの気持ちに包まれて、この人生を卒業するだろう。

ありがとう、その言葉だけじゃ足りないのに、
ありがとう、その言葉しか出てこない。

私は何かあなたに与えることができていますか?

あなたに逢えてよかったよ。


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