おひさまの日記
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先日、あるお仕事の依頼があり、先方とお話をした。 そして、その方達が帰った後に、ふと気付いた。 私は、あちらからお仕事の依頼があったにもかかわらず、なぜか、
「私、大卒じゃないし、資格とか認定みたいな肩書き、 あんまりないんですよね」
「他にもいい先生はいっぱいいるんですけどね」
「もし、今日話してみて、 このお仕事に向いているのが私ではないと思ったら、 遠慮なくそうおっしゃってくださいね」
そんなことばかりを先方に言っていた。
本当はとてもやってみたい仕事の話だった。 不安や恐れを感じつつも、ひとつのチャレンジとして価値があると感じた。 それなのに、私は、謙遜するふうを装いつつ、 「私は大したことないですから、どうぞ他をあたってください」 ってな意味合いのことを、延々と相手に喋っていたのだ。
そんな自分に愕然とした。
その時の私はそう言いたかった。 そして、すべてにおいて、とても曖昧なことばかり話していた。 今思えば、自信のなさだった。 引き受けてできなかったらどうしよう、 責任取れなかったらどうしよう、 結局ダメな奴だと思われたらどうしよう、 そんな不安ばかりが私の中に渦巻いて、 「私はこうです」「私はこうします」 そう言い切れなかった。
先方の方達が帰る時、一番上であろう方の顔がくぐもって見えた。 「他の先生もあたっていますし、 このお話、白紙になることもあるかもしれませんので…」 その方はそうおっしゃって帰った。
ドアを閉めて彼等を見送った後、私の中に悲しみがこみ上げてきた。 あ、断られるな…と感じた。 そりゃそうだ。 あんな対応してたんだもの。
私は、自分の中にこっそりとある劣等感や自己評価の低さに気付いた。 まだあったんだ、こんな気持ち。 私は過信せずとも、自分をある程度評価しているつもりだった。 頑張ってきたじゃん?続けてきたじゃん?成果を上げてきたじゃん? でも、まだ、自分にダメ子ちゃんの烙印を押している自分が、 ひっそりと私の中にいた。 「お前にその価値はないよ」って。
先方からそのお仕事の依頼の連絡はなかった。
それは残念だったけど、 今回の一件で、自分の中にあった自己評価の低さに気付けた。 それをとても悲しんでいることにも気付けた。
そんな私に恩師は自分を評価するようにとおっしゃってくださった。 もっと評価していいのだと。 私の頬を一筋の涙が伝った。 そして、私は、自分をもっと評価しようと心に決めた。
できないことをできるとは言わない。 自分のレベル以上に自分を見せようとも思わない。 ただ、今の時点で、ここに精一杯立っている自分を、 どうぞ見てください、そんな気持ちでいようと思った。 虚勢を張らず、謙虚でありながらも、 生きて体験して学んできた分だけは誇らしくいようと思った。 そして、そのために成長し続けたいと思った。
私はとても大きなものを手に入れた。 何にも代え難い体験だった。 本当によいプロセスだった。 ひとつの変化だった。
何日かしても、お仕事の連絡はなかった。 でも、その話こそ逃したものの、 ひとつの自分との出会いと変化のきっかけは得たのだから、 これはもういいんだ、そう感じた。 もし、本当にそのお仕事にご縁があるなら、 私が、その器になった時、機が熟した時、きっとまた巡ってくる、 そう思った。 すごくスッキリした。 これでよかった、って。
そして、その夜。
突然、先日来てくださった方から携帯にメールが入り、そこには、 「お願いしようかと思ってます」と書いてあった。
え? 私? 嘘でしょ?
私はぽかーんとした。 すっかりそのお仕事のことは手放した後だったので、 一瞬何が起こったのかわからなかった。
面白いね。 自分の中が動いて、落ち着いて、ひとつの体験を完結させた時、 お返事が来た。 怖いけど、挑戦してみようかな。
Osho禅タロットをクリックした。 出たカードは「Going with the flow」【流れと共に行く】 そこにはこう書いてあった。
「このカードの人物は水の中で完全にくつろぎ、 楽にして、水の流れに任せています。 彼は怠惰になったり眠くなったりすることなく、 受け身で受容的であるというアートをマスターしています。 「それはいやだ」とか「他の方向に行きたい」という考えなどまったくなく、 生の流れに身をゆだねています。 生という水に入って浮かぶか、それとも流れをさかのぼって泳ぐか、 生のあらゆる瞬間ごとに選択の余地が残されています。 リーディングでこのカードが現れた時は、 あなたは今、浮かぶことができているということを示しています。 生はくつろぎを支えてくれて、 まさに生の望むところに自分を連れて行ってくれるのだと信頼して。 信頼とくつろぎのフィーリングがさらに成長していくのを許しましょう。 あらゆることは、まさにそうあるべきように起こっています」
これを読んで私の中にある迷いは消えた。 決めた。 あのお仕事、やってみよう、そう思えた。
何かの節目に、そこに少し足りない自分を補うために、何かが起こる。 そして、自分の内側が変わる度、現実が動く。 面白いほどに。
生きている事自体が奇跡なんだ、私はそう思った。
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