おひさまの日記
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2004年12月30日(木) 犠牲

昔の私にとても強い傾向としてあったものが、犠牲することだった。

相手に、その場に、受け入れられたい、喜んでもらいたい、
そんな一心で、夢中になって何かをしてしまうのだった。
それが成功し、受け入れられ、喜んでもらえると、本当に嬉しかった。
そして、それが、自分の存在価値の証明だった。
だから、一生懸命に何かをするのだった。

けれど、しばらくすると息切れしてくる。
無理が出てくる。
時には自分では無理していることに気付かず、
体に出て、体調を悪くしたり、病気をすることもあった。
それなのにやめられない。
やめてしまったら相手にとって自分の価値がなくなる、
やめてしまったらその場所にとって自分がいる意味がなくなる、
それが怖かったのだ。

無理が続く。
限界が来る。
とうとうしていたことをやめる。
ものすごい不安定になった。
人間関係が破綻したり、その場所にいられなくなることもあった。

時には、そんな不安定な自分を、相手やその場所のせいにした。
求められてもいないのに、自分から過剰に切り込んでいって、
あれやこれやとやっていただけなのに、
見返りを期待し、それを受け取れないと、相手を憎く思った。
「こんなにしてあげたのに」って。
相手はしてもらうことなどこれっぽっちも望んでなくて、
こっちが勝手にしてただけなのに。

今は、怖いけれど、できないことをできないと認めるようになった。
無理があれば断るようになった。
とても楽になった。
そして、そうやってまっすぐな自分でいても失うものはないのだと知った。
逆に、失うものはどんなことをしたって失うものだとも知った。

自分を犠牲にして何かを手に入れても、
それはいつか自分の手をすり抜けていってしまう。
自ら手放してしまうことだって多くあるだろう、苦しいから。

人は犠牲を愛や努力だと思うこともあるんだよな。


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