おひさまの日記
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2002年11月04日(月) 期待と裏切り

期待とは恐ろしいものだ。
それがあるゆえに裏切られると落胆する。
やっかいなのは、期待を裏切られると恨みがましくなってしまうことだ。
そもそも期待とは自分がするもので、相手や出来事はそんなことおかまいなし。
だから、平気で裏切る。
裏切るというと語弊があるな。
こちらからみて「ひどい!」と思うから裏切るという表現をしてしまうだけで、
実は、ひどくもなんともなかったりする。
場合によるけどね。

例えば、誰かに何か話す時「きっとこう言ってくれるだろう」と期待していると、
それと違った反応が帰ってきた時、
「ひどい」とか「わかってくれない」という受け取り方をしがちなのが人間。
勿論、私もだ。
でも、実は、自分が作り上げた型に相手がハマらなかっただけで、
相手はこちらに対し、何も意図はなかったりする。

以前、こんなことがあった。
あるお気に入りのアーティストのアルバムを買い続けていた。
ニューアルバムが出たので、早速買って聴いたらがっかりした。
なんだか今までと全然違っていて好きじゃない、って思った。
変わっちゃったな、次からは買うのやめようかな、失望したな、などと色々考えた。

今思えば、それは私の「期待」だった。
今までのそのアーティストが好きで、そのスタイルを望んでいたのだ。
ところが、ニューアルバムで彼は自分のスタイルを変え、新境地に挑戦した。
スゴイじゃないか。
自分を変えるのは勇気がいる。
受け入れてもらえるかなんてわかりゃしない。
でも、自分に正直に自分を変えていく。
これほどスゴイことはない。
ただ単に、私は彼に自分の期待したものを望んでいただけで、
それと違ったものが出てきたから「裏切られた」気持ちになっていただけだった。
彼は、過去のファンを失ったかもしれないけれど、
新しいファンを得たかもしれない。
ただそれだけのことだった。

私達の日常の中にも、こんなことうようよあるはずだ。
それに一喜一憂し、日々を憂鬱なものにしてしまうことだってあるはずだ。
そんな時、この「期待と裏切り」の関係性を知っていると、
その怒りや悲しみや落胆、失望から早く抜け出せる。
それらがあくまで自分の「反応」だと知る時、
人は自分に責任が持てるようになるからだ。

中立の出来事に意味を与えるのは、常に私達自身。
それを忘れてしまうと、事実がねじまがってしまう、真実を見失ってしまう。
感情が溢れてくる時に、冷静にそんなこと考えられないけれど、
少ししたらそれを思い出せるような人間でありたいって、なんか今日思った。


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