鈴木めぐみの徒然マンガ日記
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2003年09月24日(水) 恋愛少女漫画家

一条ゆかりの『恋愛少女漫画家』 を読了。『一条ゆかりの食生活』 にも幼少の頃のエピソードは多少描かれていたけれど、こちらを読むと、そのシチュエーションはまさに少女マンガ的!生まれた翌日に家が破産したとか、豪邸に住むお友達の家に遊びに行ったら、実はそれがかつて自分が住んでた家だった……とかね。

マンガ家目指して一直線!の青春時代のエピソードが、少女マンガ読みにはまたものすご〜く興味深い。「一条ゆかり女王様」という姿と「ド根性」という言葉はいかにも似つかわしくない気もするけれど、これ!と見定めたデザイナーさんにくらいつき、「へたくそ!」とののしられてもめげずに、彩色やレタリングのノウハウを教えてもらう姿勢こそ、プロ魂だっ!さらには、苦手なタイプを主人公にして自分を追い詰める(『砂の城』 のナタリーね)ってのもすごいし、当時人気があったバレー漫画を連載でやらない?というマンガ家としてはとっても魅力的なお話も、ブームが過ぎた後の自分の方向性を考えて、あえて断る決断力がまたすごい(この後立ち上げられたのが、このマンガ日記でも紹介した『ビバ!バレーボール』 (井出ちかえ)だったとか。そんな舞台裏があったとは……)。

槇村さとるの『イマジン・ノート』 を読んだ時にも感じたことだけど、彼女たちがマンガ家としてひたすら精進する姿には、本当に頭がさがる。「仕事をすること」「プロとして生きること」って、こんなにも大変で、こんなにも凄いことなんだなぁということがきっと実感できるはず。

ところで、これを読んでる時に、『5愛のルール』『プライド』 を貸していた友人からメールが。「どれもこれも業種ちがいのデザイナーにみえる!」……Nちゃん、あなたは鋭いっ!仕事の章にはこんな一文もあるのです。

「『デザイナー』がいちばん描きたくて描いた作品。
そして、『デザイナー』で私が描きたかったのが”プライド”なんです。
だからあの時もタイトルを『デザイナー』にするか『プライド』にするかで凄く悩んだんだな。
(中略)
そう考えたら、私の描く作品のテーマはいつも”プライド”なんだなって再認識した。
私はいつもプライドを描いている。
プライドが一番好きなんだって。……」



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