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■ 浅田次郎の本で泣く
このところ浅田次郎にはまっている。 発端は「プリズンホテル」だ。
主人公は売れっ子極道作家の木戸孝之介。ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が経営する温泉リゾートホテル(しかも任侠団体専用)を人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ―。
ね、ね、舞台設定だけでもなんかおもしろそうでしょ?熱血ホテルマン、天才シェフ、心中志願の一家、血まみれマリアこと救急医療担当看護婦など、発想のオリジナリティには脱帽です。ハハハーって笑えて、じわ〜〜〜って泣けるの。なんでしょうね、こういうのって。いままでこういうのって読んだことなかったです。
読む前は、わたし浅田次郎って辛気臭い純文学系の作家だと勘違いしてたの。だって、読んだことなかったけど「鉄道員(ぽっぽや)」とかって、なんか重そうな印象するでしょ。高倉健さんはカッコイイけど、悲しい話は苦手だから。
でも、プリズンホテルがすごく気にいったので、読後は「鉄道員」も「地下鉄に乗って」も「日輪の遺産」も読んだけど、みんな良かった。ミステリでも笑える話でもなくてもすごく良かった。
短編集「鉄道員」は、中に入っていた「ラブ・レター」っていう作品が特に感動した。なんということもない話なのかもしれないんだけど、電車の中で読んでいたら涙が出てこまっちゃった。
こういう良い作家が多作なのは、読者にとってとても幸福なことですね。浅田さん、長生きして良い作品をいっぱい書いてね。
2002年02月06日(水)
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