再会 - 2013年12月04日(水) 今日、数か月ぶりにまーさんと会った。 久しぶりにいつも通っていた道を通りながら、いろんなことを思った。 そしていつもと変わらず彼が先に着き、私が少し遅れて車に乗り込んだ。 「お待たせ。込んでて遅くなっちゃった。ごめんね」 助手席に座ると、彼はじっと、今にも泣きそうな顔で私を見ていた。 「何、どうしたの?」 「だって。ほんとに久しぶりだから・・・」 「そうだね。でも、何も変わらないでしょ。ほら。いつもの通りだよ」 その言葉とおり、私は思ったよりずっと冷静で、彼と会っても何もドキドキしなかった。 私の中ではすっかり清算されて、彼は過去の人になっているのだとはっきりわかった。 それでも彼は走り出してからもずっと、私の顔を見てうれしそうにしていた。 「見過ぎ・・・(笑)」 「1年ぶりくらいなんだよ。・・・もう会えないと思っていたから」 そう言ってまた泣きそうな顔になる彼。 こんな弱さを見せる人ではなかったのに。 食事の場所は、私たちが初めて行った海沿いのフレンチレストランだった。 また行きたいなと思っていたけれど、場所も遠いし少し高い店であれから行くことはなかった。 コースの料理を食べながら、ポツポツととりとめのない話をした。 デザートに差し掛かり、彼が切り出した。 「これからどうやって接していったらいいのか、わからない・・・」 「そうだね・・・もう、以前のようになることはないと思うから」 「どうして、あの日だったのかな。最後に会ったあの日、普通にまたねって、別れたのに」 私は言葉に詰まった。 確かにそうだ・・・私の中ではもう新しい彼がいて終りが着々と見えていたのに、まーさんにとってはあまりに突然のことだったんだ。 「体調のこともあるけど・・・やっぱり抱き合うだけになっていたことが、大きいかな」 「そうか・・・。相談して、欲しかったよ」 彼の中に、辛さとともに怒りもあるのがわかった。突然で理不尽で、当たり前だ。 しばらく二人で、これからのことを話した。 「これからもたまにこうして、ランチしようか」 「こんなんでいいの?」 「こんなのなんて。いいんだよ、会えるだけで」 抱きあわなければ、私は彼に何も答えることができていない気がするのに、彼は会ってくれるだけでいいと言う。 そんな価値が私にあるとは思えないのだけれど、それをも拒否することもできず、また落ち着いたら食事でも。となった。 食後に外の海沿いを歩いた。 彼に抱きしめられそうで怖くて、少し離れて、いつもより少ししゃべりすぎるくらいで。 この日彼は一度も私に触れることはなかった。 これからもそうだろう。 「新しい人、探したりしなかったの?」 「するわけないじゃん。これからもするつもりはないよ。・・・meちゃんは、ほんとに特別なんだ」 「確かに、私みたいにまーさんの趣味と合う人はいないかもね(笑)」 「そういう意味じゃないよ。・・・好きになっちゃったんだよ。こんなの初めてだし、これからもないと思う」 ・・・もっと早く、気持ちをまっすぐ伝えてくれてたら。 他へ揺らぐこともなかったかもしれない。 だって私はいつも彼の気持ちが見えず、ただ体の相性がいいだけで続いていると思っていたから。 愛してくれる人が、欲しかったから。 でもまーさんは表に出さなかっただけで、愛してくれていたんだと、わかった。 ...
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