望月花梨の短編集『鍵』の中でもうひとつ気になった作品が『アルカロイド』。
中学生の女の子が主人公。
彼女は人も世の中も醜いので嫌い。 自分は純粋できれいだから傷つくと思っている。
でも、次第に彼女は自分のことを、芽の出たジャガイモのように、まずくてみっともなくて毒を持っていると思うようになる。
そんな自分でもいいと、おさななじみのボーイフレンドに(言葉でではないけど)言ってもらえたり、自分にいじわるをしかけてきた同級生の心の内を知って、彼女は自分の醜さに気付く。 繊細と思っていたけど、案外図太かったことにも。
言葉にしちゃうとあっけないけど、マンガで読むとぐっときます。
ま、自分に置き換えて読むからだけど。
そう。 私は自分のことを繊細で傷つきやすいと思っているけど、ただ単に、人からしてもらうことに慣れすぎているため感謝の気持ちを持つことができない自己中で、他人に対する共感を持つことができない鈍感なヤツなのですよ。
でもね、気付いているので、多少は治ってきてるのですよ。
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