アルバイト、とうとうやめてしまいました。 今日が最後の日でした。 やっぱり私の本業は「みーちゃんのお母さん」だし、 体力的にはかなりムリをして通っていたことと、 やっぱり私には向かない職場だということで、やめる決心をしたのでした。
今日は土曜日で、特別出勤の日でした。 仕事が終わってから、全員が食堂で昼ご飯を食べていくことになりました。 それぞれ好きな料理をとって席につくのですが、 私が行くと、みんなのテーブルはいっぱいになっていて、 私だけが座れない状態。 私ひとりが他のひとたちからポツンとはなれて 違うテーブルで食べることになりました。
「まぁ、今日でやめるしね。別にいいや」と思い、 となりのテーブルに座りました。 私がやめることをまだ知らない、きれいで優雅なおねえさんが 「キューピーさんがひとりになっちゃうよ」と心配そうに言うと、 他のおばちゃんが「あとでOさんが来るからいいよ」と言いました。
Oさんは、一匹狼のパートさん。 仕事はとてもよく出来るのにぜんぜん威張らない。 でも、パート親分やその腰巾着さん達によくぼろくそに言われている。 私はバイトをはじめた頃からOさんのことは好きでした。
しばらくしてOさんが私の前に座りました。 「キューピーさん、今日でやめるんだってね。 慣れてきてがんばっていらっしゃる、って思っていたんだけどね」 「はい。すみません。お世話になりました。」
Oさんが「忙しいだけならガマンできるけど、あれこれとうるさいからね」と図星なことを言うので、思わず言葉ではなく高笑いで答えてしまった私でした。
Oさんの持ち場は、茶碗さん(過去の日記を参考にしてください)と カメレオンさん(適当に想像してみてください)というすごいメンバー。 もちろん攻撃もものすごい。
私はOさんに「Oさんはえらいですよねー」と日頃思っていたことを言う。 するとOさんは 「私は頭悪いからねー、ぜーんぶ右から左へと抜けていくのよ」と言う。 指を耳のところに持っていって右から左へ抜けるジェスチャーをしながら 「『はーい、ごめんなさーい。はーい、すみませーん』って、 こんな感じよー。」と笑うOさん。 「まだ若いからすぐにいい仕事が見つかるわよ」と私に言う。
Oさんとの会話はつづく。 「私の亡くなった主人がね、ここのT工場で働いていたのよ」 (注、食堂ではなくて大企業のほうの社員さんだったということ) 「主人が働いていた会社に関わっていたい、という思いで ここの食堂で働くことにしたの。 だから、その思いだけで、いままでずっとがんばってきたのよ。 そうじゃなかったら、とっくにやめているわー。」とまた笑うOさん。
私はOさんにバイトをはじめた頃、 親切にしてもらったことなどのお礼を言う。 いい人だと思ってました、などと言う。 すると「私も色んな顔をもっているからねー。 一面しか知らないからよー。」とまた笑う。
頭のいいひとだ、と思う私。 ご主人の話を聞き、Oさんの働いている姿を思い出し、 ジーンときてしまう。
帰るとき、パート親分にあいさつ。 腰巾着さんたちのうすら笑い。 それぞれの人を見てみたら、みんなそれぞれいいひとだと思う。 忙しい中、自我を丸出しにしながら、がんばっている人たち。 私には合わなかった。それだけのこと。
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