去っていく後ろ姿を見送る
なんてのは
もう飽きるほど
繰り返してきたけれど
あんな想いは初めて、かも
おかしいな、泣きそうなくらい
凛とした背中がきれいで
ぼろぼろのまま走り続けてきた
今までが蘇る
淑やかな色を身に纏い
美しい目をした君は
いつだって静かに、しかし必死に
走り続けてきたのだ
ありがとう
もう、大丈夫
もう、無理をして走らなくて、いいのだから
僕の未熟さで
いくら知らないうちに君を傷つけていても
君はただ笑ってくれていたのだ
どんな美しい宝石だって敵わない笑顔で
いつだって僕を守っていてくれたんだ
ぜんぶ、ありがとう
僕の過去10年分くらいのありがとうを、君に
もう目を覚まさない、君に
別れの涙と共に送る