伝統と現代アート、便利な町
僕の「帰る」町は此処じゃない
海と山に恵まれた
小さな小さな田舎町も
もう「帰る」なんて真っ平御免
制服で夕焼けを歩いたあの町は
もう知らない風景
生まれた町を車窓から眺めても
記憶なんて皆無だし
「アイデンティティはどこにあるの?」
問われて苦笑
「ありませんよ」
移住こそが僕の僕たる所以なら
今また繰り返す
逃げ出すように? 否、飛び立つように
代々継がれる土地も無く家も無く
僕は 僕は
また繰り返す
知らない町で僕は僕
今までと違う僕になる
自ら活きる道を選ぶ
いつか「帰る」日なんてもう来ない
ふるさとなんて意味が無い
どこにいても僕は僕
あなたを想いながら僕は僕
そのとき生きる場所こそが「家」