目の前に高い高い壁が聳え立つようで僕は息を飲んでそれを見つめた。言葉も無くただ僕の行く手を阻んだそれは深い深い悲しみの色をしていた。凭れかかれば背中が冷えて仕方ないし蹴りつければ足が痛んだ。仕方がないから僕は進路を変えて壁に沿って歩き出した。何処までも何処までも続くかのようなそれはある時ぷつりとあっけなく途切れた。僕はやっと壁の向こう側の世界を窺ってそして世界の終わりを見た。