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僕の、場所。

今日の僕は誰だろう。



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営業モードその1 〜苺色〜

 庭で友達とはしゃいで遊んでいると、時々、母が窓から顔を出して僕を呼んだ。
「ケーキが焼けたからいらっしゃい。手を洗ってね」
 幼かった僕は顔いっぱいの笑顔でうんと頷いて、仲の良かったその子と手を取って洗面台へと駆けていったものだ。
 何故か今でも鮮明に覚えているのが、いちごのタルトだ。大きくないタルトだけれど、いちごが綺麗に並んでいて、つやつやしていて、僕も僕の友達も目を丸くして嬉しがっていた。
 たぶん、春だっただろう。
 友達は遠くへ引っ越してしまった。
 赤くてつやつやした、微かな酸味を思い出させるいちご。遠い昔の、少し悲しい思い出とともに、今こうしてまたいちごのタルトを食べている。一緒にはしゃいだ相棒の名前さえ思い出せないが、幼い僕の寂しさを慰めるかのように、目に鮮やかなストロベリー・レッドがきれいに並んでいる。


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