僕の、場所。
今日の僕は誰だろう。
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「あ、ねージャムどこだっけ。リンゴのさ」 「君の後ろの棚開けて上から4段目の一番右」 「あったあった」 「何、ロシアンティーにするの?」 「うん」 「うわっ」 「何やってんだい君は」 「気をつけてよ、そのカップ気に入ってるんだから」 「悪ぃ。でも割れなくて良かった」 「ま、ナイスキャッチだね」 「お湯沸いたよー」 「っし。カップOK」 「蒸らしてる間に来なかったらどーするよ」 「おかわりできるじゃん」 「ダメだよそんなの」 「ご心配なく。あと2分くらいで来るから」 「…何で分かるんだ…」 「さすがだねぇ」 「あ、いー匂い」 「まだダメだよ」 「分かってるよ」 「誰か時計見ててくれてるよね?」 「あ、うん。俺見てる」 「食べる事に関してはぬかり無いね」 「当たり前だろー」 「そうでなくちゃね君は。クッキー一枚多くしてあげる」 「やった」 「……いちゃつくのは二人っきりの時にしてくれないかねぇ」 「誰がいちゃついたっ」 「そうだよっ」 「君たち」 「…ごめんっ遅れたーーっ」 「あ」 「来たね」 「はは。2分15秒だ」 「さっすが」 「?? 何だ? まーいいや、遅れた代わりにコレ」 「あ、駅前のケーキ屋のじゃんっ」 「誰か好きだって言ってなかったか?」 「それ私」 「やっぱ? 良かった良かった」 「ケーキに免じて遅刻は許そう」 「へへーっ。ありがとーございますお代官様」 「誰がだい」 「つーか悪代官だよなー」 「誰がだっ」 「悪代官じゃなくて越後屋だよねぇ」 「違うってば」 「あ、もう良いぜ4分」 「やった」 「おれの分もある?」 「淹れる前にコイツが『あと2分で来る』とか断言するからちゃんと人数分」 「そうだったのか?」 「もーラブラブだねぇ」 「そういう言い方はやめろっ」 「ねーお砂糖取ってくれる」 「ん」 「ども」 「あっ何ブランデーなんか入れてんだよお前っ」 「…バレた?」 「美味しそう〜」 「このクッキー手作り? 上手いね」 「私が作ったんだから当たり前だろう」 「うわー可愛くねぇ…」 「君こそ美味しいねの一言くらい無いのかい」 「ん。美味い」 「何その誠意の無さ」 「美味いってマジ」 「これだからヤだねーこの男は」 「なんだよっ」 「こらこら。美味いクッキーとケーキと紅茶目の前にして痴話喧嘩しないでくれるかい」 「「痴話喧嘩じゃないっ」」 「あ、ハモった」 「………」 「面白いねぇ」 「なー」 「あっいつの間にお前らそんなに食ってんだっ」 「うわ早っ!」
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