はらり、と音を立てたのは本に挟まれた古い写真拾う手つきさえも懐かしくてわたしはあなたを見つめていたの「なに?」「なんでもない。昔の写真だ」折り目を丁寧になぞってのばすそんな指先にまで嫉妬してしまうわ「大事にしてたの?」ぱたんと閉じた本、仕舞う位置を目で追うあなたの足跡を1つ見つけたの「ん、まあな」ほらそんな嬉しそうに笑う優しいキスをくれてもあなたは今ここに居ないのね