僕の、場所。
今日の僕は誰だろう。
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世間では12月はクリスマスの月らしい。
アメリカやカナダのカレンダーを見てみたら、 12月25日はしっかりと休日の印がついている。
クリスチャンでもないくせにバカ騒ぎをするくらなら、 日本も休日にしてしまえばいいのに。 他の宗教信者に対してそこまでする度胸も無いのだろう。
そんな事を考えながらシフトを組んでいると、 やはりバイトの子達は25日、休みたがっている。
男女関係なく、だ。
悪いけれどバイト入ってくれないか、と聞いてみる。 仕方ない、特別手当で時給を50円増やしてみる。
女の子の一人は本当にすみませんが、と断った。 別の女の子は、少し考えてから承諾してくれた。 もう一人の女の子は、午前中だけなら、という。
男の子は既に二人確保できている。特に何も言うまい。 断った二人のうち、一人はやはり断られた。 もう一人は夕方までに帰してくれるなら、と言ってOKした。
当の自分はといえば、もちろん妻子を置いて仕事だ。 バイトの子達に無理を言ったのに、責任者が休んではだめだろう。
もともとケーキのような甘い物は苦手だし、 娘が寝てからプレゼントを枕もとに置くには絶好だろう。 そういうと妻はしぶしぶ頷いた。
自分も妻も、もちろん娘だってクリスチャンではない。 洗礼を受けるどころか、聖書だってまともに読んだ事も無い。 キリストの復活祭はその存在すら知らない人も多いというのに…。 何故こうもクリスマスで人々は騒ぐのだろうか。 誕生日など誰でも誕生するのに、しかもその日付も正確ではない。
と、言いながらも自分の仕事場、レストランでは しっかりとクリスマス特別メニューなどと銘打ってシェフが頑張って企画している。 そして自分さえ、制服の胸にヒイラギの葉を飾る事になっている……。
シフト表を組み終わり、掲示すると一つため息をついた。
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