光る海、暗く。まだ、無粋な朝日はそこには無く。静かに照らす月と、眠る星。全てが眠る時間、海は今まさに目覚める。波の音、透明に。どこから風が吹こうとも沖から岸へ。確固たる意思を感じる波の独り言。足首浸して、冷ややかなる。音も立てずに風だけが舞う。全てを含んだ水は冷え、常に湛える不純物。おそらく、それが最も崇高なるもの。この、小さな時計を壊さぬように。静かに静かに横たえる。