'ゃッぱ・頭、変っすか。 'ゃッぱ・頭、変っすか。


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2006年11月11日(土) ふたたびの検屍局の仕事とは、

『痕跡』 (上/下) (講談社文庫)
  パトリシア・コーンウェル (著), 相原 真理子 (翻訳)


出版社 / 著者からの内容紹介
 検屍官シリーズ、驚愕の新展開で登場!
 5年前に辞めた検屍局から協力の要請を受けたスカーペッタは、自身の判断にも、ベントン・ウェズリーと姪ルーシーの忠告にも反して、14歳の少女の死をめぐる事件の顧問病理学者としてヴァージニアに戻ることにする。ピート・マリーノとともに古巣を訪ねると、馴染みのモルグや部署はすっかり様変わりし、スカーペッタの手腕を頼みにしているはずの新しい検屍局長からは、なぜか侮蔑的な扱いを受ける。だが相変わらずプロ意識の強いスカーペッタは、さっそく証拠を洗い直し、くだんの少女が何者かに殺されたことを突き止める。さらに彼女はある痕跡を発見するのだが、同じ痕跡が別の事故の犠牲者の遺体から、またルーシーの同僚が襲われた現場からも見つかった。それは単なる捜査上の謎ではなく、スカーペッタのごく身近な人々を誰かが狙っている可能性を示すものだった。

読後韓、/
前作、「黒蠅」を読書後間を於かずに、この文庫本も上/下卷 いっきにストーリーを読み終えたところです。
シリーズを通してというか、ますますスピーディーな場面転換でTVドラマやムービーのような映像展開を意図しているのであろう、 登場人物の多彩さや描写もさらに人間臭さを増してきたもので、前作「黒蠅」の読後韓にはグロテスクと感じている旨、作文してみましたが、今作に関しては、特に対人間的に「えげつない!」そのように思います、
対ひとの愛憎はメロドラマ的な機微もある程度は引き込まれて楽しめますが、それが犯罪行為にエスカレートさせて描いた場合や、身体や精進の異常な部分にまで及んで登場してくることには、何だか嫌悪感のような受け入れたくない思いにもさせられてしまいました。
タイトルの「痕跡」は、犯罪や死体の科学捜査で検証されるごくわずかな手がかりの中から結びつけられる、推理テーマの重要な部分を表わしています、今作も別々の事件から抽出されたこの「痕跡」の謎を解き明かしてゆく、ケイ・スカーペッターと彼らの活劇でもあるのでしたが、展開のバランス的にはミステリー度合いが劣性してしまったと思います。



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