DEAD OR BASEBALL!

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Vol.118 2003年プロ野球戦力診断 巨人編
2003年02月03日(月)

<投手分析>
先発…上原、桑田、工藤、木佐貫、久保、真田、高橋尚、入来
右中継ぎ…条辺、酒井、ペドラザ、鴨志田
左中継ぎ…岡島、前田、石川、佐藤
クローザー…河原

 昨年自分が下した評価とは正反対の結果を残し、日本一の原動力となった昨年の巨人投手陣。上原が17勝5敗で貯金12を作る堂々のエース復権劇を見せれば、枯れたと思わせた桑田・工藤の両ベテランが揃って大奮闘し、特に桑田の12勝6敗、防御率はタイトル獲得となる2.22という成績は、まさしく御見逸れしたというところ。開幕前は不安視されていた河原のクローザー起用も、前半の鬼神ぶりは後半やや衰えたが33SPなら充分合格点。高校卒1年目の真田も6勝を稼ぎ、後半の快進撃を象徴した。

 今年はそこに、大学球界トップクラスの右腕だった木佐貫と久保、ダイエー時代には2年連続最優秀救援のペドラザが加わる。木佐貫と久保は先発、ペドラザはダイエー時代同様にリリーフで起用されると思うが、注目したいのは木佐貫と久保。この2人が先発陣に加われば、高齢化が拭えない投手陣の様相が一変する筈。それだけの力量は持っていると見たい。

 先発陣に比べ、中継ぎ陣は若干不安要素が大きい。ペドラザはいわば“戦力外”の烙印を押されてダイエーを退団した格好だが、年々ストレートのキレに乏しくなり、簡単にアジャストされるようになったのが不安のタネ。そうなると、条辺、岡島、前田というところに頼らざるを得ないが、正直言えばもう2枚ほど戦力がほしいところ。イキのいい鴨志田の台頭、条辺と同じ22歳の快速右腕・酒井の一軍定着があれば、台所事情は若干楽になるか。

 クローザー2年目になる河原にも若干不安がある。クローザーとして、投球回数50回で8被本塁打は少し多い。元々1発病のきらいはあるが、1点を争う場面では苦戦を演出する率が高い。

診断…先発の層の厚さ・レベルの高さが、逆にリリーフの不安要素を炙り出す。先発が完投すれば文句無し。



<野手分析>
1(左)清水
2(遊)二岡
3(中)高橋由
4(一)清原
5(右)ペタジーニ
6(三)江藤
7(捕)阿部
8(二)仁志
9(投)

控え
捕手…加藤、村田、入野
内野手…元木、川中、川相、宮崎、福井、黒田
外野手…斉藤、鈴木、山田、堀田

 昨年のオーダーを元にして考えるなら上のオーダーになるが、清原の体調を考えればペタジーニが4番一塁に入るオーダーの方が現実的だし、中堅に鈴木や山田と言った俊足選手を置いたほうが全体のバランスでは怖い。

 リードオフマンとして完全開花の清水から始まるオーダーは、松井が抜けても一定の怖さはある。今年はそこに、巨人ファンにとっては鬼より怖い存在だったペタジーニが加入し、一応は松井の穴は埋まった格好。重量感は相変わらずというところで、阿部の成長も怖さを引き立たせる要因の一つ。江藤の下降線がどの程度かという以外、打つ方の不安は特に見当たらない。

 守備面に関してはどうだろう。確かにペタジーニの右翼守備は不安要素だが、松井とペタジーニを比べるから不安なのであって、マルティネスとペタジーニを比べれば、別にどうってこともない気はする。ただ、ペタジーニが右翼に入ると、高橋由の強肩を拝める機会が少なくなりそうな気もする。それが少し残念。

 けれど、打線の層が他球団より厚く、二岡と仁志の二遊間が鉄壁である以上、センターに守備的プレイヤーを置いてペタジーニを一塁に回した方が、長いスパンで見た時は嫌な気もするんだよなぁ…どうせ清原は1年フルで活躍できないんだろうし。

 あとは控えの選手をどのように使っていくか。怖さはあるが融通の利くオーダーではないので、細かいサジ加減はシェフ若大将、今年も腕の見せ所。

診断…相変わらず怖さ充分の重量打線も、140試合の嫌らしさを追及するなら一考の余地もあり。



<総合分析>
 連覇の可能性は充分と見ていいだけの戦力は整っている。木佐貫と久保が額面通りの数字を出せば、ベテラン勢が機能不全に陥っても昨年ぐらいの数字は出せる可能性が高い。

 ただ、松井という巨大な求心力を失ったダメージは、ペタジーニの獲得だけで補えるとは思えない。松井には数字では語れない求心力があった。ペタジーニは逆に爆弾要素が濃い男。

 死角らしい死角を探せば、その辺りとケガ人が出た時の手当て程度。



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