DEAD OR BASEBALL!

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Vol.44 2002年プロ野球12球団戦力診断 日本ハム編
2002年02月09日(土)

 やっと戦力診断も最終回。思えば、こういうまとまった連載を12日連続でやるというのは初めての経験で、楽しんで書けたものの読みにくい部分も多々あったと思います。ま、そこは御容赦ということで。あ〜、それにしても結構な量をダラダラと書いたものだ。

 最終回は、昨年は小生の中で優勝候補だったもののよもやのダントツ最下位に終わってしまった日本ハム編。

<投手分析>
先発・・・岩本、下柳、金村、関根、清水、隼人(中村隼人)、シールバック、江尻、佐々木、正田、立石
右中継ぎ・・・芝草、武藤、生駒、伊藤、建山
左中継ぎ・・・高橋憲、山口、柴田
抑え・・・フルーリー、井場、ミラバル

 コマだけは実に豊富だが、どの投手も「帯に短し襷に長し」。絶対的な軸が不在で、入れ替えは激しくなりそうだ。

 先発の軸は岩本、下柳、金村の3本柱・・・と言いたいところだが、大勝ちが望める投手では無い。下柳はある程度計算が立つが、岩本、金村は球筋が素直過ぎて完璧に抑えこむというタイプでは無い。それでも、この辺の実績組が勝ち星を上積みしないことにはどうしようもないのも現実。貯金は期待出来ないが、勝ち数だけは重ねていってほしい。このことは、関根や清水にも同様のことが言える。金村は1年投げ切る体力がつけば、もう一皮剥けられる素材。岩本は、オフばっか目立たないで本業でもっと目立ちなさい!

 そこで期待したいのが隼人、江尻、佐々木、正田といった新興勢力。隼人はルーキーイヤーの昨年、3完封を含む6勝を上げた本格派。ストレートにボリューム感があり、スライダーも打者の手元でクッと曲がる実戦的な投手で、今年は右のエースにのし上がるチャンス。2年目の大飛躍を期待したい。江尻は早稲田大から自由枠で入団。長い腕から繰り出される140キロ台中盤のストレートと鋭く曲がり落ちるスライダーで三振を奪う「小宮山2世」。佐々木・正田は3年目のサウスポーコンビ。佐々木はクロスファイヤーとスライダー、正田は落差の大きいカーブとキレるストレートを武器にする本格派。共にスケールが大きく、近い将来の日ハム投手陣を担う投手だ。

 中継ぎはそこそこ安定か。中継ぎ転向でムラッ気が薄くなった芝草を筆頭に、ロッテから移籍でスライダー命の武藤、速球派の生駒と伊藤、アンダーハンドからのシンカーが鋭い建山、手薄だった左腕も高橋憲に加え近鉄からテスト入団の柴田、間違い無く即戦力の山口と、バラエティー豊かな陣容。補強もバッチリで、昨年よりも中盤は期待して良さそう。

 抑えは昨年18セーブのミラバルがいるが、先発転向プランも浮上しているとか。新外国人のフルーリーは未知数なので、ここは2年目の井場に期待したい。長身から投げ下ろす粘っこいストレートが武器で、フォークにもキレがある。今の日ハムリリーフ陣の中では、最も安定した投球が出来る投手だ。

<野手分析>
1(中)井出
2(遊)田中賢(奈良原)
3(一)小笠原
4(指)オバンドー
5(左)クローマー
6(三)田中幸(田中賢)
7(捕)野口(実松)
8(右)森本
9(二)金子

控え
捕手・・・田口
内野手・・・古城、阿久根、小田
外野手・・・中村豊、石本、上田、島田、原田

 兎にも角にも、片岡の抜けた穴をどうするかが必須課題。打線的に一回り小さくなった感は否めないが、楽しみな若手も多いだけに彼等を抜擢するのが1年早まったと割り切って考えるしかないだろう。

 井出はムラッ気が強いものの、足が速くパンチ力ある打撃も1番としては魅力。他に適任者が石本ぐらいしかいない以上、井出の守備力を考えれば1番は井出で安定だろう。2番に入れた田中賢は、小生の中ではポスト片岡の筆頭。シュアに振り抜けるバッティングセンスは文句無く、身体能力の高さも折り紙つき。高校卒3年目で、今が最も伸びる時期だろう。将来のことも考えて、田中賢を抜擢してもらいたい。小笠原は何も言うことない。剛柔兼ね備えた打撃は文句のつけようが無く、今年も日ハム打線の主役だ。

 主軸は外国人コンビ。オバンドーは見かけによらず素晴らしくシュアなバッティングセンスがあり、腕力でスタンドインさせるパワーも素晴らしい。しかし、昨年は足の故障で満足な結果を残しておらず、今年もケガの具合に左右されそうだ。クローマーは新外国人で未知数。両者共にやれるかどうかの怖さはあるが、この2人に対する依存度が高いのも事実で、この2人がダメだと去年の二の舞になる可能性大。その意味では、是が非でもやってもらいたいところだ。

 田中幸は衰えが来つつも貴重なポイントゲッターであることは変わりない。今年もある程度はやってくれるだろう。あと295本に迫った2000本安打まで頑張ってもらいたい。捕手は野口と実松の争い。リードの安定感なら野口だが、スケールの大きさは4年目の実松。強肩は甲乙付け難く、どちらを使うか大島監督も悩むところだろう。森本も期待の若手。昨年65試合に出場し、レギュラーに手が届くところまで来た。パンチ力ある打撃は、田中賢にもヒケをとっていない。セカンドは、守備力を考えたら金子しかいないだろう。

<総合分析>
 投手陣に過剰な期待が出来ない以上、ビッグバン打線が復活するか否かに全てがかかっている。片岡、ウィルソンがチームを去り、小笠原しか計算出来る打者がいない現状でどうしていくか。

 主軸が外国人頼みなのは、正直言ってツラい。が、彼等がやってくれないとどうしようもないのも事実。あとはどれだけ若手が伸びてこられるか。現状では苦しいと言わざるを得ない戦力だが、果たして・・・。



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