DEAD OR BASEBALL!

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Vol.33 2002年プロ野球12球団戦力診断 ヤクルト編
2002年01月29日(火)

 キャンプインまであと3日、プロ野球の始動がいよいよ目の前になった。色々とゴタゴタが続いているプロ野球界だが、試合となれば話は別。存分に熱い闘いでファンに野球の凄みを見せつけてもらいたい。取り敢えず、今回からは12球団の戦力分析を暫くしてみようと思う。各球団のファンの方は気を悪くすることもあるかも知れませんが、そこは小生の独断と偏見と思って流して頂ければ幸いです。

 早速いってみましょう。第1回は、昨年度日本一に敬意を表してヤクルトから。

<投手分析>
先発・・・藤井、前田、入来、ホッジス、石川、石井、山部、五十嵐貴、鎌田
右中継ぎ・・・五十嵐亮、萩原、河端、本間、高橋一、宮出
左中継ぎ・・・山本、松田、ニューマン
抑え・・・高津

 石井一久が前言を翻してメジャー移籍を果たしたのは確かに痛手である。しかし、古田のことだからそれに変わる作品を仕立て上げることも充分に想像可能。その筆頭候補と踏んでいるのが自由枠獲得の石川。青学大時代の酷使による疲労残りが心配だが、先発で間隔をしっかり空けて投げさせれば、コンスタントに勝ち星を上積み可能な投手。魔球スクリューを使いこなす投球術には定評があり、体調万全なら大崩れすることは無いと見る。

 むしろ、前年に結果を残した投手の先細りが心配。藤井に関しては心配無いだろうが、入来は巨人へのリベンジを果たしたことによるモチベーション低下、前田はインコースを見せ球にしてタテの変化で勝負するパターンの露呈と、マイナス材料も存在する。特に前田は去年後半に息切れしていることからも貯金を望むのは酷かも知れない。

 そうなると、やはり先発陣がもう一つ物足りないか。特に右の先発で計算出来そうなのは2年目のホッジスだけ。彼は去年あまり投げていないし、角度のある荒れたストレートを軸にツーシームやカッターでノラリクラリと凌ぐ投球は今年も通用するだろう。が、鎌田や五十嵐貴の台頭が無いと厳しさは残る。そうなれば、左右を度外視して石井や山部といった辺りの抜擢も不可欠。特に石井の先発固定は面白いと思う。右打者の懐をエグるストレートの威力は一級品。

 全般的に高齢化が進むリリーフだが、軸はやはり五十嵐亮と山本だろう。特に五十嵐亮は数字程にパッとしなかった去年のような活躍だと苦しい。ビュンビュン飛ばして高津へのセットアップ役を完全に務めれば、他球団にとって恐ろしい方程式が完成する。その抑えの高津だが、球威の衰えは隠せないにしても、年を重ねる毎にストライクゾーンの使い方に渋さが出てきて、シンカーに全盛期程の凄みが消えた今もセーブ王を獲得する辺りは流石。古田とのバッテリーなら、恐らく12球団でトップの投球術を持ったバッテリーで、まだ抑えに関しては心配いらない。

 リストには敢えて新人3人を入れた。彼らが揃って活躍するようなら、ヤクルトの台所事情はかなり楽になる。ある意味でキーマンだ。

<野手分析>
1(中)真中(飯田)
2(遊)宮本
3(右)稲葉
4(一)ペタジーニ
5(捕)古田
6(三)岩村
7(左)ラミレス
8(二)三木(土橋、志田、ツギオ)
9(投)

控え
捕手・・・福川、青柳、小野
内野手・・・池山、城石、衣川
外野手・・・佐藤真、副島、代田、ユウイチ

 去年と殆ど変わらない顔触れだが、それだけ安定感があるメンバーだということである。長い目で見ると、高齢化が進み将来の備えには不安があるが、こと今シーズンだけの話ならそこまで不安は無い。怖いのはケガだけだ。

 8番セカンドを三木にしたのは、やはり先を見据えてのこと。土橋も年齢的にフル出場は厳しだろうし、ここぞという場面での代打なら、これ程に恐ろしい打者も見当たるまい。池山や度会といったところの調子と見合わせながら、土橋は切り札になってほしい。池山共々、まだまだヤクルトには必要な選手だ。

 福川は古田の後釜としてはかなり面白い捕手。打撃はまだまだプロのレベルについていけるか心配だが、インサイドワークの巧さは本物。ある程度1軍の実戦で鍛えていくべき人材で、少なくともベンチには置いていてほしい素材。守備面だけなら間違い無く即戦力で、去年の小野のように古田が抜けた途端に守備面がガタガタということは無くなる。その為には、ある程度使っていくこと。

 ラミレスに2年目の怖さはあるが、去年の前半戦で苦しんだ外角変化球攻めを、中盤戦からはしっかり克服してきている点で心配無いと見る。適応力が高く、守備にも不安は無い。右肩上がりにしてシーズンを終えた去年の成績に信頼が持てる。今年も神宮の杜には歓喜の『アイーン!』が炸裂するだろう(笑)。

<総合分析>
 今年も充分に優勝が狙える戦力である。優勝の翌年は4位という悪しきジンクスがあるが、それを打ち破るだけの地力は持っている。その為にはある程度は投手陣の再編を進めていく必要があるだろう。古田頼みな部分が多いことは否めないが、その古田がどれだけの「作品」を仕上げることが出来るかに連覇はかかっているかも知れない。逆に言えば、投手陣次第では一気に戦力が崩壊することも考えられる。

 打撃に関しては、何も言うことは無い。今年もペタジーニを中心とした打線は一定の成果を残せるだろう。怖いのは、やはりケガだけ。特に稲葉は故障が多いだけに1年フルで使えるか。

 最後に一つ。伊藤智仁の復活は是非とも見たい! あの美しい投球フォーム、芸術的にベースをかすめ取る高速スライダーの輝きをもう一度! 待ってるぞ、伊藤!



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