月の輪通信 日々の想い
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2007年07月19日(木) 寝違え

昨日から、父さん仙台出張。
だからって何がどうって言うわけでもないのだけれど、工房と家を行ったり来たりして、義父母の愚痴を聞いたり雑用を頼まれたり。
なんとなくあわただしく昨日は一日が過ぎた。
なかなかまとまった仕事にならなくて、不完全燃焼の一日。
夜、父さんがいないのでいつもと違う場所にお布団を敷いて、TVを見ながら寝てしまって、今朝起きたら首筋が痛い。
どうやら寝違えたらしい。

朝、登校するアプコを送って坂道を下る。
昨夜の大雨がからりと上がって、濡れた緑がみずみずしく美しい。
「わ、遅刻するよ」
と大慌てでアプコをせかす。
俯くと寝違えた首がギリギリと痛むので、あごをくいと上げて空を睨むようにしてぶんぶん歩く。
「あ〜らおはよう。今日はまた、元気いっぱいやね」
と近所のおばさんに声をかけられた。
寝違えた首をかばって上向きのまま早足で歩く私の姿が、胸を張って明るく元気にウォーキングを楽しんでいるように見えたらしい。
いちいち説明するのも面倒なので、「は〜い、久々にいいお天気で、気持ちいいですねぇ。」と適当に答えて通り過ぎた。
人から「元気いっぱいやね」といわれただけで、首の痛みを忘れて「私は元気」と錯覚している自分に気づき、その馬鹿馬鹿しさに一人笑い。

昼、買い物から帰って車をバックで車庫に入れようと思ったら、ちょうどハイキングの老夫婦が通りかかった。
首が痛くて後ろを振り向くことが出来ず、ミラーだけを頼りにバックしなければならないので、車を止めて夫婦が行き過ぎるのをじっと待っていたら、すれ違うときにご夫婦が、二人そろって運転席の私に深々と頭を下げて行かれた。
きっとご夫婦には、私が二人の通行を気遣って、早くから車を止めて待っていてさしあげたように見えたのだろう。
「そうじゃないんです。首が痛くて」と説明するわけでもなく、人のよい奥さんの顔をしてにっこりと会釈してすれ違う。
自分の勝手な都合で車を止めていただけなのに、深々と頭を下げていただいたというだけで自分が何だかとってもいいことをした善人になったように錯覚している自分に気づき、その愚かな単純さに一人笑い。

なにやってんだかなぁ。
ただ、寝違えて首が回らないだけなのに、誰かに「元気いっぱいね」とか「いい人ね」とか誤解されただけで、なんとなく「私は元気」とか「「私はいい人」とか錯覚してその気になってしまうあほらしさ。
でも、それは決して悪くないあほらしさ。
今日は一日、「元気で、いい人」の気分でつつがなく暮れた。
まさに「上を向いて歩こう」
寝違え、万歳。


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