月の輪通信 日々の想い
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お風呂に入る前、アプコが発泡スチロールの食品トレーを持ち出して工作を始める。 底の平らな部分を四角く切り取って油性ペンで絵を書き、それを細かく切って即席のジグソーパズルの完成。これをお風呂に持って入って、タイルの壁に張り付けパズルを完成させる。アプコがもっと小さいとき、ゲンが教えたお気に入りのお風呂遊び。 一人でお風呂に入るようになってからもアプコは時々思い出したようにパズルを作る。で、ひとしきり遊んでからはパズルを引き上げて洗面台の蛇口のそばに置いていく。アプコにとってはパズルのピース、アプコ以外のものにとってはただのゴミにしか見えない発泡スチロールのかけらがいつまでも洗面台周りに残されることになる。
それがあまり続くとこちらも嫌気が差すので、 「次々新しいのを作るのもいいけど、使わなくなったパズルはさっさと棄ててね。」 とたびたび小言を言う。 子どもの制作意欲をそぐのは気が引けるので、「しょうもないモンばっかり作るな」ともいえない。 しょうがないから、「そうやって切っちゃたらリサイクルに出せないじゃない。もったいないよ」と脅す。(これ嘘。多分切り刻んだトレーも回収に出していいはず。) 「え?出せないの?」とアプコが後ずさる。 「そうよ、そうよ。もったいないわ。そんなのエコじゃない。」 と、状況を察したアユコが目配せしながら畳み掛ける。
「エコじゃない」 これって、今流の脅し言葉。 昔だったら、「もったいないの神様に叱られる。」とか「無駄にしたらバチがあたる」とかって、叱られた。 学校で幼い頃から「リサイクル、リユース、リデュース」とか「再生資源」だとか習ってくる子どもたちにとっては、もったいないの神様に叱られることより、周りの人から「エコじゃない」となじられることのほうが耐え難いことらしい。
ま、いいけどね。どっちでも。 物は大事にいたしましょう。 で、使ったものはさっさと片付けてね。
BBS
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