月の輪通信 日々の想い
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2006年04月10日(月) 晴れの日

長い春休みがようやく終わって、今日、小中学校は始業式。
そして、午後からはオニイの高校の入学式。
せっかくこの日まで咲き残っていた桜を散らす、あいにくの雨模様。
ちょっとがっかり。

時間よりずんぶん早めにオニイが新しい制服を着ておりてきた。
ちょっと古風な感じもする濃紺の詰襟学生服。
3年間での成長を期待して大き目サイズを選んだ上着の中で、なで肩細身のオニイの体がちょっと泳いでいる感じはするけれど、それでも急に大人びて高校生の顔に見える。
「記念の写真を」とカメラを構える父さんに、うるさそうにしかめっ面する無愛想もすっかり高校生だ。

学校へ向かう道中も、オニイはさりげなく母と距離を置いて歩く。
雨風の強い坂道をぐいぐい早足で歩いていく濃紺の背中が思いがけなく大きく見えて、ピンと張り詰めたオニイの心持がうかがわれる。
お天気は痛恨の雨降りだけれど、気持ちはやっぱり「晴れの日」だ。

オニイと別れて体育館の保護者席に着いたのは、開始期時間のずいぶん前だった。まだ着席している人もまばらな体育館の中では、吹奏楽部の生徒たちが、音あわせをしたり練習したりをしたりしている音が静かに流れていた。
扉のそばに立って雨にぬれたグラウンドをぼんやり眺めていたら、自分が高校生だった頃のことがなんとなく思い出されて、懐かしさがこみ上げる。。
中学の卒業式の時はまだこの学校の入試の前で余裕もなくて、卒業の感激に涙するきっかけを失ってしまったというのに、今日、入学式の前に吹奏楽部のチューニングの音を聞きながら、不覚にも涙腺が緩んでしまった。

ここでオニイも青春の3年間を過ごすのだなぁ。
新しい学校、新しい友達、新しい先生たちとの新しい生活。
充実した3年間になるようにと祈る。


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