月の輪通信 日々の想い
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2005年12月25日(日) クリスマスプレゼント

今年のサンタクロースは、いつもの屋根裏収納の小窓からではなく、玄関からやってきたらしい。
朝、起きてきたゲンとアプコが散々屋根裏部屋を探し回る物音を、父さんと私はコタツ布団に隠れてくすくす笑いながら聴いていた。
「今年はサンタ、来なかったのかなぁ」と心配顔のアプコに「じゃあ仕方がないね。悪いけど新聞取ってきてくれない?」と軽いいじわる。しぶしぶ外へ出たアプコがオニイの自転車の籠にのせられてあったプレゼントを見つけて「あったよ!あったよ!」と歓声を上げた。

ゲンにはチラシで目をつけていたラジコンカーのセット。
アプコには「ウォータービーズ」とかいう子供向けのアクセサリー制作セット。
中学生のアユコとオニイはさすがにサンタクロースを卒業して、「受験生だから図書カードでいいよ。」「この間ジャケット買ってもらったばかりだから、あんまり期待してないから・・・」とそれぞれ大人の発言。いつの間にかクリスマス準備のスタッフサイドに昇格するつもりらしい。こういう卒業の仕方もいいなぁと思う。
二人には常着のトレーナーやパーカーの包みを用意しておいた。

子どもたちへのプレゼントとは別に、父さんから「いつもごくろうさん」と、陶製のバレッタを貰った。忙しい年末仕事の最中にいつこんなものを拵える暇があったのだろう。
夕空にシルエットになった裸木の梢。
作品の一部を切り取って配したような飴色のバレッタは、温かみのある丸っこい形がかわいらしい。
暖かい父さんの心持をさっそく纏めた髪に飾って装う。
ありがとう。
(左右逆に貼り付けた金具はご愛嬌ということで・・・。)

天国へ行ったもう一人の娘のためには、今年も小さなガラス細工のクリスマスツリー。
毎年あの子のためにと買い集めたガラス細工はもう何個になったのだろう。
生きていれば3年生。流行のおもちゃやおしゃれな靴をねだる年頃になっていただろうか。
この間、子どもたちのプレゼントを買いに街に出た時、ふいにあの子のことを思い出してわっと涙があふれそうになって困った。あの子が逝ってからもう10年近く経ったというのに、まだこんな風に激しい感情が不意に降り注ぐことがあるのだと驚いた。「忘れないで。時々は思い出して」と母の心を揺さぶりにきたのだろう。
そんな不意の涙すら、なんだかありがたいという気がするのは、10年という年月の距離のせいだろうか。

クリスマスのプレゼントは、子どもら本人の手で開封されてこそ嬉しい。
父にも、母にも・・・。


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