月の輪通信 日々の想い
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明朝、長野の展示会の搬入。 よって、今日は午後から作品の梱包やら積み込みやらで大忙しになるので、朝、所用でとうさんと二人、大急ぎで街に出た。 とうさんはデジカメのパーツを買いに電器店へ。 私は、お仕事の資材を買いに手芸店やら百円ショップやらを超特急でハシゴ。 通りがかりにデパートのワゴンセールで義母に似合いそうな明るい藤色のベストを衝動買い。 最後に駐車場代を浮かせるために、スーパーの地下でいつも立ち寄るお肉屋さんで袋いっぱいのミンチカツやチキンカツを買う。 近くの八百屋でみずみずしい春キャベツと小ぶりのタケノコ、すっかり夏値段に落ち着き始めたきゅうりを買い求めて、車に戻る。 4件の買い物に要した時間は、ほんの40分足らず。 懸案の用事はほぼ全て完了した。 う〜ん今日は我ながらいい仕事してますぞ。 さっさと帰れば、11時過ぎのアプコの下校時間に充分間に合う。
荷造り仕事をあらかた終え、暖めなおしたフライで簡単ご飯。 腹ぺこの子ども達が炊飯器の前で、熱々ご飯が炊き上がるのを足踏みして待つ。その間に、一緒に買って来た春キャベツをトントンと刻む。ぎっしりと固く詰まった冬のキャベツと違い、ふわっと緩やかに巻いた春のキャベツは青々とした黄緑もさわやかで、刻んでいる包丁の先からもかすかな甘い香りが漂ってくる。 大急ぎで湯がいたタケノコもさっと若竹煮にして、鉢に盛る。 メインディッシュは出来合いの揚げ物てんこ盛りだけれど、サイドメニューには「春がいっぱい」ということで、今日はお許しいただくことにする。
子ども達の旺盛な食欲は、大皿いっぱいのミンチカツをあっという間に平らげていく。この一週間、白いご飯の消費量もググンと増えて、気持ちのいい速度で炊飯器が空になっていく。 新学年になって、心も体もざわざわ騒いで、春の陽気の中で過ごす時間が増えた子ども達。きっとあっという間におなかもすくのだろう。 いっせいに若葉を吹きだす春の樹木を見るように、子ども達の成長のスピードを半ば喜び、半ば呆れて今日も見守る。 一食3合が定番となっている我が家の炊飯。 そろそろ4合炊きにレベルアップの時期が来たのだろうか。
いつも揚げ物や肉料理ばかりを好むオニイが、珍しく春キャベツとツナを和えただけのサラダの何度も手を伸ばす。 「このキャベツ、うまいな。春って感じがするな。」 小さい時には、野菜といえばブロッコリとコーンしか食べなかったオニイが山盛りのキャベツをもりもりと食べる。千切りキャベツを鼻をつまんで、薬のように飲み下していた幼い頃のオニイがうそのようだ。 春の野菜の美味しさが分かる年齢になったのだな。 そういえば昔なら、「大人のおかず」だった筍の煮物にも、気がつくといつのまにか子ども達の箸が伸びてくるようになって、食べ余すという事がなくなった。子ども達も大きくなって、旬の野菜の嬉しさを一緒に味わえるようになったという事だろう。
大皿にてんこ盛りにフライがあっという間に空になる子ども達の旺盛な食欲の嬉しさ。 春野菜の甘さを一緒に味わうことの出来るようになった成長の頼もしさ。 春の食卓は楽しい。
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