月の輪通信 日々の想い
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2005年04月07日(木) |
一年生になったら アユコ編 |
昨日に引き続き、今日はアユコの中学校の入学式。 昨夜からの雨がかろうじて上がったので、学校までの30分の道のりをアユコと二人で歩いていく事にする。 いつもの小学校への通学路にさらに15分あまりのダラダラ下り坂の続く中学への道。途中の人通りの少ない山道を配慮して、オニイと同じように自転車通学の許可が下りるはずだが、どうやらアユコは近所の仲良しのAちゃんと歩いて通いたいらしい。自転車ならすいーっと十分でいける道もいいけれど、友達同士ぺちゃくちゃお喋りしながら通う三十分もこの年頃の女の子達にはきっと楽しいに違いない。 真新しい白い運動靴が汚れないように、ピョンピョンと器用に小さな水溜りを避けて歩くアユコの足取りがいつもよりちょっと弾んで見えて、クールを装う新入生の胸の高鳴りが初々しく感じられる。
「Aちゃんとおんなじクラスになれるかな。」 中学に入るアユコにとって一番の気がかりは、親友のAちゃんと同じクラスになるかどうかということだった。 Aちゃんとは小学校の低学年の時からずっと同じクラスで過ごした大の仲良し。 おっとりのんびりマイペースなAちゃんは、何かというと一人でクラスの世話役やリーダー役を引き受けてきて孤軍奮闘してしまいがちなアユコのよき参謀役。いつも静かにアユコのそばにいてくれて、頑張りすぎたアユコが折れそうになったとき、そっと寄り添ってやんわりと包んでくれる心優しい女の子だ。 この年頃にありがちなネチネチクチャクチャした女の子同士の友達関係を苦手とする二人のつかず離れずの友情は、親の目から見ても気持ちの良い暖かい信頼関係で結ばれている。 中学生になったらあんなこともしたい、こんなことにも挑戦したいと心弾むアユコにとっては、のんびり屋の穏やかなAちゃんがそばにいてくれたら、どんなに心強いことだろう。
「5クラスに別れるんだもの、一緒のクラスになる確率は五分の一よね。」 「名前の50音順も近いから、無理かしらんねぇ。」 ここ数日、何度も何度も聞かされたアユコの不安。 開けてみれば、校舎の窓に張り出されたクラス分けの名簿の一枚目に仲良く二人並んだ二人の名前。 よかったね、なかなか幸先がいいぞ。 新しい学校生活に唯一の心配事が消えて、ニコニコと笑顔で迎えた入学式。 アユコの気持ちを映すように式の途中からは青空も見えて、ワクワクと楽しい門出の日となった。
午後、貰ってきたたくさんの教科書に名前を書いていたアユコが、いつの間にかコロンと横になって爆睡していた。 今日一日、期待と不安に揺れ動いて、アユコは妙にハイテンションで過ごしていた。きっととってもくたびれたのだろう。 昨日今日と娘たちの入学式に出席して、母もずいぶんたくさんのドキドキワクワクを経験させてもらった。 明日はオニイ、ゲンの始業式。アプコはランドセルでの初登校だ。 まだまだドキドキワクワクは続く。
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